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手札3、マナ1を温存してて「くくく、貴様の恐怖、分かるぞ――」
そういうと影やゴブリンへと命令するのだ、次は和樹の方へと率いてく。奴め……、それは恐らく一番弱い部分への攻撃、一番戸惑ってて脆弱なる相手を消して、更なる動揺を。
「フヒヒヒ」
確かに1対1ではキサマは辛いな……、驚くほどに隙も少ない剣、だがしかしだ。
仲間は違うのだ、その戦術眼と任務遂行能力に唇を噛む俺。
アイツは数に押されればあっという間に引き千切られるだろう、だから行くしかない。疲れさせる気なんだ、ヤツは無理にでも隙を作って来るんだ右往左往させて。
「今度は包囲陣形かよ……」俺はそこへ飛び込み、なんとか和樹を庇う形で戦いを強いられる。
「勇……、わりいな、はぁ……はぁ……、でも全く俺じゃ、ぐわ……あぁ!?」
その門番に斬り殺されかけつつも和樹はなんとか逃げるが、いかんせん反撃が甘い、かわされ更に乱打。俺はそこへ横の一閃だ、そうして更には後ろから首を狙われる、転げる、それでもついでに一体は影を消した。
だが和樹は影1匹にすら剣を当てられず。「落ち着いてけ! すぐには死なないからな」あぁ……やっぱ俺が狙いだな、飛びついて来るわ。2コスト2匹と1コスト1、俺は。
「少しでも減らすんだよ、こうやって――」
処理隊長と4本ウデがやっぱ強いがな、全力ならなんとかよ。俺は打ちあいながら選ぶんだ、今すぐ勝つ道じゃない、受けても問題ない一撃を「ぐふぅ――」
それで隙が見えた――、その1コストゴブリンへの道標が「やっぱお前が一番だよな」そこへ来るのは見透かしていた処理隊長だ。
ただどっちも殺す、その覚悟だよ「ふぅ……ふぅ……」
ビビったな? 縦一閃――。
1コストゴブリンは頂いた、が。左腕から血が。
「あぁ勇、やっぱお前はもう良い、向こう行け! あの処理隊長だけイケよ!」「何言ってるんだ、お前じゃ耐えきれないだろう!?」
「安心しろよ勇、はぁ……はぁ……、俺がぜってぇ活躍すっからっ。信じるって言ったろよ、だから一発だけで良い、アレ、頼むぜ――」
その言葉を、信じる事にした、その生まれ出でるシールド、ただそれだけで突っ込むのだ。
手札2、マナ0「行けぇええ、【スライム】ぅ!」そう言いながら頭にオン!
そのまま飛び込んだ、全方向に喧嘩をうる和樹、自動で反撃してくれるのを頭に乗せて、汗まみれで剣を振り回す。
何気に強い「もむもむ! もむぅ!?」うなずき即座に横へと飛ぶ男、スライムとの会話が成立するのはお前くらいだ、正に目となるコブシとなる。さすがに予想外のコミュ力に相手も慌てる様子、それでも。
「ぐぅう!? やっぱつれえ」
剣の力が一番及んでいない、それではダメージコントロールできないな。何度か斬りつけられ血をながし、それでも!
「ぐぅう!? それでもぉお!?」
あの飾りのシャーマンはもう完全無視、4本ウデに掴まれても蹴り出し、防御力という血潮を削って相殺していく和樹。
そこに両者1枚ドロー!「ならば真理1:【ゴブリン】召喚! 轟軍1っ」
「マズイマズイマズイ――」俺は手札3、マナ1、相手は手札のみ1。
あと一枚でまた影までもが増えてしまう、増えてく事が死に繋がる、恐怖が積みあがる。影は今2で、え? 減ってない? だって処理隊長が湧かせてるからなぁ!
「それでもな、お前と俺でさっさとケリつけれるんだよなぁ、和樹のおかげでなぁ!?」「ちぃ――!?」
軍団は向こうにやってしまった、これでは不利だがしかし、汚れ仕事をずっとやって来たのだ。
その不気味なニヤけは歴戦か、それとも死を前にした享楽か、諦めなのか。
しっかりと斬りつければ負けるのは防げるさ、負けるのだけは。血が飛んで腕が斬り飛ばされかけ、回転して逃げるが、その反撃はまるで喧嘩だ、コブシで汲み合うよう飛び込んでくるのだ。
「荒々しい戦い……、焦りかと思ったがコイツ」
元々烈火らしいな、結構なダメージは覚悟したよ。
よしよし、私の目は確かか、ただ作戦の変更はなしだ。なんとか向こうの戦闘を終わらせることにした。
アッチは影が2つと3/5の門番、あとゴブリン1体であるし。
和樹のためにも早く仕留めねばならない、0コスト:【ショック】1ダメージ。俺は顔を焼いてやって、一閃を、だがそれでもブレードを犠牲にして致命を避けた。コイツ――。
「だっしゃぁあい! これならどうだ、リーダーたるゴブリンラぁぁッシュ!」「ぐぅ、私じゃ……、これは受けられないから――」
あまりにもなそのコブシ百裂拳で2・3発でダウンを取られる加島。しかも防御力も高くてヤル気も十分! コブシを振りまくってくるから「ぐへへ、勝ってすぐに楽しむからなぁ、覚悟しておくのだぁ!」
「駄目です……、フェイントが必須の相手で、もう足が……っツルの、ツリます!」足が――ッ。
初手から熱戦で激戦、全力を以て挑んで来た彼女にも限界が来てる。獣であっても足が辛い、そこにゴブリンリーダーが向かって来て、グルグル肩回し。
重い重い一撃で殴りつけて、その圧力を殺して斜めに飛ばされた加島、そのままコブシは木を半分近くも突っ込む。好機、すぐに無理にでも切り替え加島が攻撃して来たところを返り打ち、そのまま木のワキを破壊して一撃、回転し裏拳。
「ア、うぅぅ、カスっただけでこんな」ドーピング松村のハッスル連打に体勢を崩してしまう。
「捉えたぞメスよ――」
コブシに会心を込めて「あぁぁア!」
その一撃に驚いた、恐らくは必殺。「でもです、はぁ……はぁ……、私がこの世界に来た以上は、それは魔力を使いこなすっ……。剣の道とは言えないのが残念ですが私も――」
その白き剣は音の波を打ち消し、強く叩きつけられ相手の攻撃を見事跳ね返していく!
シンと鎮まる中での一撃、あとで名前をつけるが『ユキネ・1手』。魔力を用いての強打の一撃、そしてなんとか腕を斬り飛ばそうと試みるが。
「おぅ、ぐぅう!? 痛いじゃないかぁ、手がしびれるぞい……ふふふ」
「ハァ……ハァ……!? これでもやっぱり……、足りない――」
そうして足を気にするのだ、最悪このままでは先に足がイカレてしまうだろう。でもやはり退けないと全員が死ぬ。
これはまずい、2つの戦局で既にじり貧。
「はぁ……はぁ……、だったら奥の手だ、お前を付け替えるぞ、加島ぁ!」手札1、マナ0。
リンをパージ! そのカードを掲げ「スライムよ頼む! お前のあの防御力と汎用性は絶対に良いんだぜ、この戦局ならば……!」
2枚いれといてよかった……、召喚陣が下から彼女を通過していく。
その足、太ももは瑞々しくて艶めいて全体的に丸いイメージ、ぷよんっと弾けて吸いつくは見応え抜群。透明で澄んだカラダと少しデフォルメになる髪の毛、そうしてその瞳は水分を含ませ常に潤んでおり。儚げな少女が更にパワーアップッ!
プルンプルン震えながらも、その完成した力は全身を包み込み。
「スライム:Garden Of The Mare(夢見花園)ぁあッ!」
「はァ、オマエ今度はスライムか、なんと可愛い――」
ため息交じりで漏れるから、そうだな、それはもっと言って良い。そしてナゼ俺を見る。
ギリ納得? そっか……。あぁそうだなぁ。
「はい、スライム加島?でしょうかっ。では行きますから、でぇええい!」「ふぬぅ! だがしかし前の方が迫力があったなメスよぉ、あの動きがなければこの程度ぉ!」
その激しい打撃にスライム娘は不動。不動なんだ。
そして何より問題なのは急所が存在しなくなる事も、彼女は真っ向打ちあう。正に真っ向だ。
「やはり裸でも十分な防御力に対しての、この、更に皮の装備だ、これなら互角まではいける……っ」「でや、てぇえい! これ……足も大丈夫ですね、関節とか気にしないんでっ……。これならイケる!」
あの+修正はあくまで裸単騎の力、そこに防具だと異様な程に面倒となるらしい。着こめるスライムってのはこんなに堅いのかと、1/3その強さを存分に生かし。
額面上は3/6へと上がったぞ。顔が完全に歪むようなコブシでも向かっていき、カウンターをさく裂させる少女に汗を流すから。
「ちぃい!? コイツ、硬いぞぅ。まさかこんな手があるとはな、スライムぅ!?」
スライム加島とその筋骨隆々のゴブリンリーダーが打ちあう。さすがにイーブンは無理でも打ちあえているだけで十分だ、戦場がコッチ向きに安定して来てて。
ゴブリンリーダーが動き回れないとなると。
「ちぃい!? このような――」誤算だ、戦局の有利がリーダー部分で覆るとは。しかもそれだけじゃなく「それで……っ、おかえしですね、和樹さん逃げて下さい!」
腕が伸びる伸びる、恐ろしい程に。全くもってゴムゴムだ、あまり威力はないだろうが、ただその影は特にそうだが防御力0なので飛びやすいんだ、小突いただけでもワンチャンある。だから――。
「スライムパンチ斬り、どうですか、どうでしょう、受けなさい! でやぁああ!」
剣が伸びて一気に二体消した、門番にも一撃して和樹を守る加島は。
限界だった――防御力というその強さと変則的な攻撃で堰き止められてしまう数の論理。未だその傷ついて疲れたゴブリンカードを狙っているのもな。
影も重要な戦力だ。そうして既にじり貧でボロボロの自分、処理隊長である物。
アノ硬い液状のは生き残るだろう、もう影が自分から湧く時間は作れないだろうし。
「ちぃ――」そのとき処理隊長が動いた、俺にその背中を見せてまで。
更に暴れようとする腕を迎撃するのだ、俺が意図を気づいて背を斬るが、そのまま決死の一撃。切り飛ばされてしまい腕がなんと――。
「大丈夫か……っ、加島ぁあ!」「うぅ、うぐぅ!? あぁでも、勇さん安心してください、私にはもう一本が――!」
ナイフを持っていた、あの野盗の装備に入っていたって。それでなんとかゴブリン・リーダーと殴り合って見せるんだ。退かない……その少女は本気だ、もう腕一本は賭けるしかない状況、賭けだ、治ってくれると信じてる。
「お尻……、行きましょう――!」
でやぁあア!
かすむ笑顔のその言葉にオレは唇を噛むから「おぉぉおお! まずはオマエだ、このチャンスは逃さないからな――ッ」
加島の腕に集中してガラ空きの処理隊長に斬撃、だがそれでも生きる、生を求める。普通では死ぬところでも生きてみせ「がはぁ!? あぁ……、後は……頼んだよ――」
最後は俺を抱えたまま、やっとこさその処理隊長を処理。ただ残した力は面倒だ。
「そうか。この娘は堅い……、すこぶる硬いのだが。しかし畳まねばなぁ、ヤツの分まで。それでも勝たねばならぬぅウ!」
覇気を感じる、手に目いっぱいの滴る汗を握り、墓地にいった処理隊長を暴食、5/7へとなり影まで生まれ「そうみたいですね……、ただ私は負けません! ゴブリンさんお覚悟をぉッ!」
ナイフと拳が正面衝突!
だがかなり難しいか、しかし――「ぐぬ? なんだコイツは」
あと戦場で残すは身の振りようがない所在なげなシャーマンと、そこそこ疲弊した門番、あと影が一体で、ゴブリン2/1が1体。
「ハァ……ハァ……、なんとかかな……、もうすまね――」だが頭のスライム消滅。
そうして両者カードをドロー、マナも回復で「真理1:【ゴブリンの長槍兵】3/1召喚!」
また轟軍。
和樹は瀕死、加島は一本腕がない。俺はもう相当に力尽きてる、体力がない。その仲間たちを抱えなんとかするしかだ、本当に死ぬから。だったら……。
「1マナ:【ライトニング・ボルト】……賭けるしかないな、和樹が死なない内に」オィ和樹、逃げろぉおお!
その言葉にたどたどしく、足が障害者並みの走りで逃げる和樹。その爆炎が生まれ、それは1匹のゴブリンを消し炭にし影をほふり、更に突き進んで疲労困憊の門番をも……!
いや、ダメだ、ここぞでシャーマンが体を張ってしまうから。頭痛を抑え手札は両者1。分かってる事は1つで、択は2という事。
追いかけられている和樹か、それか何れ遠からず負ける加島か。択だ――。
「う、うわぁあああああ!?」
声が上がる、そうだ、分かっておる処理隊長よ。必ず綻ぶ、その隙に戦力を結集するのだな。笑う、カードを握り、俺はだからしょうがなく「ウォオオオオオオン!」やって来たのは犬だったんだ、老犬が四本ウデの首を噛みちぎった。数字は2/0でまさか。
「あれは、確か実態がまだないハズの」
それはもう消えかけているが。だったらば「おぃ、じゃあ加島ぁ……! お前のさっきの必殺をコイツで打てるか、俺とで合体だッッ!」
「あぁ……えぇ合体、ですか? はぁ……はぁ……、なるほど――、了解です、了解っ!」
すると伸ばした彼女の腕が俺を掴む、そうだ、攻撃力が足りないなら一番強いのを当てれば良いんだよ。ぶん投げて加速する、2人の一撃、力が加わりそのコブシが……。
2つの魔力が合わさって「俺の左手が真っ赤にプヨるぅ! お前を倒せと滅茶苦茶ヌメるぅうウ!」
加島の拳を俺の左のコブシに重ねての、連撃だ。ゴブリンリーダーが驚き、そして筋肉を以て――。
「ぐんぅうう!? コブシが違うだと、こんな事が――」
合わさるコブシ。その重み、破壊力、2人分!
さすがに汗だくのゴブリンリーダーがもう限界だ、それでもなんとか立ってるから。コブシで受けて――ア、いったか、痛み。
そうしてでも、もう一撃と、しかしその瞳で映したのは大きな翼だ、かなりの一撃で顔が歪まざるを得ない。1撃、胸へ。そうして。
「ぐぅぅ!? ぐ――、サレンダー……!」デッキカードが落ちる、魔力の圧が消えた。
「はぁ……はぁ……!? あぁ……、なんとか、俺らの勝ちだ――」
「ヤッたな、お尻」「お尻、大丈夫でしたね! 勇さんのお尻!」ヘイ、Siri、コングラチュレーション!




