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「さてさてぇ、どうでしたぁ? あの勇者を生み出した森の具合は」「ンふふ――。なんと悪いご冗談を、いやぁ……、、アレはなんとも不快な空間でしたなぁ、森の割には低俗すぎますぞぉ」
蝋燭に照らされながら彼らはうなずく、闇の中、そうしてその白くキレイなパンを甘い蜂蜜につけて食しては。その手についた蜂蜜を台のクロスでしっかりと拭いた。
「ですがどういたしますかなぁ……? 彼らはあのまま立てこもるような気配ですが。ほとんど武器はないと自ら言いましたがねぇ、ではどうするのかと……」私は先ずは魚を指で一つ、まぁ……今回のはマズイな、下に捨てておいて。
「いやまぁ所詮は悪あがきでしょう。持って一か月か……、いやむしろすぐにでも頭を下げて靴を舐めに来るでしょうに」
あぁ~美味いが蜂蜜が粘つく。だからこの汚れたテーブルクロスをいつも思うのだ、やはり今回はその召喚された者達に舐めさせてやりたいと。きっと喜ぶだろうに、人生で何度食べれたのだろうなぁ? 我が領民も泣いて喜ぶし。
「ただでも確か未知で恐ろしき兵器があると聞いたぞ……、本国を守る防衛兵器でいて、あぁ?確か恐ろしい、さっすまたー、でしたっけ? とてもとても頼りになるという棒術が」
「ハハハ、棒術とはいや、正にか――ッ」「あぁそれは或いは魔法かもしれませんなぁ~、向こうではそれが主力でソレがあったとか」
未開人めが、抑えきれず笑う一人は、司祭だ。貴族だ、王の使者だ。ずらっと並んで部屋でその縦長の机にて食事を行い、余興をも楽しむ。笑い声が絶えぬ、豪華な夕食だ、牛肉に豚肉が並ぶし、蜂蜜まであるぞ、パンだって白くて優雅だ。
牛肉を指でつまみあげ、美味そうにかぶりついて満面の笑顔。そうして汚れたので繊維の音、そして次は豚を少々と……。
あぁ……未開の奴らは、この上品な味を少しも何も知らんのだろうなぁ~……。
「だがしかしだ、コウロ・ギーのようにな……、危ない力を持つ者がまだ居る可能性はあるかと?」「そうだなぁ……、いつもならば取り立てるが。何せ金のマナを発する等という、それをたった1000人から出したのだからな」
「ですが黄金ではなくてソレは銀鋼ではないのかなぁ~?」
ちゅっぱちゅっぱと指をナメてしたり顔で「そうだな、何せもう既にアレはもう王の剣であり白銀の象徴だ、まぁ――、黄金たるはたるだろうが、だがしかしねぇ? その一翼を担えない方々には悪いのですがぁ――」
くっく――その言葉に宗教指導者たるのが苦虫を嚙み潰したようで、静かに口を拭く。
それに意気揚々たる王や貴族だ、しかし波風を立たせ続ける訳にも。
「ただねェ――、1つだけ気になったのが。嫌にね、色つやの良い者ばかりだった事ですよ、まるでそう……我ら貴族のようなねぇ」
その言葉に鎮まるのだ。訳が分からない。貴族が1000人単位で来た、突然に「それは――、いえそう、なんというか、見間違いでは?」「いえ……、そこらの市民どもとは一線を、むしろ農奴などは一人もいないと断言できるほどでしたよ」
「あとゴーレムマイスターがいますね……。施設も多々あって、何より熟練した大人が70人も配された学園などという、そんな一つのギルドを結成していた事に驚きです」
その言葉に戸惑いのカオが浮かび上がる。全部が黄金階層だとでもいうのか――。じゃ、じゃあもしかして背後には「いえいえ~~、正直ですがアレは体の生育だけですよぉ~、何よりも気品が足りない。上に立つ者としての、何よりも民衆を睨みつけれる程のドラゴンたる性が全く……微塵もだっ」
その言葉に安堵し薄ら笑いする。その……体の生育とは、それはどのようにか。くっちゃくっちゃ――それは女はどうだと、幼い男はいるか、それはそれは、なによりも良いナ……。その言葉に面々が湧く、興味を示す者が多いから。
「ただやはり、申し訳ないがあの召喚で惨事がな、追加の難題が持ち上がる事はありますまいなぁ?」
「あぁ……、えぇ。分かりませぬ……、分からぬのです。正直、コウロ・ギーよりも強いと言われた者もいた」「馬鹿な――ッ、ば、馬鹿、 そ、そんなハズでは……っ。では早計だった等という話はありますまいなァ、あの作戦は我々も加担したゾ!」
「いえ、だからむしろ良かった可能性がありますぞ。あのままいくとコウロ・ギーを出し渋った可能性が高いと」
そうだ、あの眼は不審を極めていたぞ。王という存在への無関心が、異様な――、その。そうして何よりもこの神に仕えし宗教指導者への信頼が無い、あり得ない様子が。
危ないと思った――あんなのが居て良いわけが――。
「そういう意味ではだ、奴らが献上したこの文献は何より非常にありがたいですなぁ。どうやら召喚の事を知っていたようですし~?」ふっふぅ。
ドンと、それはまんまと差し出させたその本の山を示す。これを知れば奴らの力量が全て分かるだろう、こんな高価で本なる物をおいそれと、馬鹿なのか物を知らぬのか。
まぁ、内心では恐れを抱いたのだろう。当然だな。
解読する作業にとりかかってはいるが、すぐにでも……。
「少し……、ですが大きな問題が。それは読めぬのですよ」「ハハハ、ほら見ろ。どうせ取るに足らぬゴミにはなァ、文化などというものは難しい! 全てが幼稚よッ」
「いえ、逆です、これは逆なのです。もしかしたらかなりの切れ者かとも――、何せこれほど難解な文字は初めて見ると報告が」
そうだ、これは一体まさか……全てが暗号化されているとでも?
開くそれはまぁいたって日本語――平仮名と漢字とカタカナ入り交じる本と、そうして英語とあまつさえ古語で埋まった数冊。頭をかくしかない。一体何種類あるのか。
しかも転移・転生者が話す発音は完全にコチラの言語なのだから始末に追えないのだ。
そうしてそれは「なんだ……、この妙な手触りの……。この無駄にツルツルする質感は、紙か? 紙なのか? 紙では絶対あるまいに」
「じゃあなんの魔物だ、なんの皮を使っている……っ。こんな物を狩っているのか、これは職人かぁ――」
綺麗な、その綺麗すぎる発色の絵に首をかしげるのだ。何人かは薄気味悪さにすぐに手を放した、悪魔が為す所である可能性。まるで、魂すらも生き写した。
「しかしだ、受け入れねばなるまいて……。これも我らの教え、そして宿命。あの国めが……っ、面倒な事をしおって。とにもかくにも首謀者を割り出さねばなるまいな――」




