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「フゥ――」俺の剣道を舐めるな―――。
対クイーンに加勢しなければならない、あれでもまだ足りないんだ。防御のヤイバを切り裂いて【ショットスライム】の飛び掛かりを目切りで避け、その最小過ぎて隙にならなかったのをリッパーが剣で埋めるが、ソレをほぼ直進。
水分だけが飛ぶ。
そこへクモ脚の連撃だが1撃目を黒翼で受け、衝撃したその感覚に逆らわずに回転、どうせヤツは追えないから。
全ては相手の行動予測、お前はそれが弱いんだと「何せリッパー、お前の弱点は、打ち込んだ感覚に乏しい事だよ」
一閃―――。
本当の意味で驚かれる、だって一瞬だが、全盛期の力を取り戻した感覚。俺はあの黄金に追いつかねばならない、クモ脚を一本切り取ったんだ。まだまだだ。
その呪いのヤイバは鋭くて鋭利、スライムリッパーを薙ぎ払う威力を。
「今、更に跳ねた――そこまで面倒ですか……っ、私の守りのヤイバが次々とたった一人で」
同じだ、攻撃力/防御力、その総合は同じでも一方の才能が違いすぎると思った以上に差が開くの。
そうして目の前、犬のスピードに乗った一撃が!
ただ気になるのは先程のドローから妙に余裕がある事だな。
するとクイーンは攻撃参加して来てて木に登り、その大きな巨体をさらに広げて、上から地震を起こす程の――。
ドゴォ!「ちぃい!? コッチまで揺れて……、大丈夫か、加島ぁ!」「え、えぇ、はい――、ですがやはり強いです、こんなには」
しかし加島だけはフリーでやらせているな、結構今もモンスタームスメの追撃激しいのに。俺の方はリッパーの連撃嵐もやばく、未だまとう防御のヤイバも粘ついて。
悪くない加島だがな、だがなんとなくだがこのまま持続させるとマズイだろう。
そうして両者ドローするから、両者が手札3へ「スライムは増えてく……、トランスブレイドは張り付いて攻撃力を落とすし」
数体がチャントし続けてて。なんとかその黒翼の力を落としてたのを1つ落とす、ヌメったのを見てもう一刀して「はぁ……はぁ……、でも本番はそこだ、お姫様を守るあの騎士が消えた時にどう出るかだよな。恐らくはそこからが本番の、化けの皮――」
何かが仕込まれてる、怖くともなんとか今の内に行くしかないだろう。もう全て無視してリッパーへと。
「あぁあア! めぇぇエエエ、ン!」「ぐぎぃい!?」
そのただただ純粋な一撃は正に地を割る、2連したハズの水撃を1薙ぎで消してやるんだ。そうして最大は言ったろう、こいつには打ち込む才能がないと「目視で見えてないとどうにもならないハズだ、手ごたえが無いんだからな――」
煙の中、その液体の衝撃波を直進だ、取り付ければ良い。反射神経の勝負で、一撃、二撃と俺は。
「だが、さすがにバカじゃないか」それは空気が斬られたと、クロスした液体斬撃で空気ごと切り裂いて回避を難しくしてくるから。こちらも感覚だけで命懸けで避けて飛んで、その煙をかき消されてはマズイ。
なんとかこのまま近づくべきだ、飛ばされかけた指を確かめ、幸い相手はスライムでのろくて斬撃位置が分かれば……。
「あぁ……、だったら俺も加島みたくやるか、コッチは猿だが」
未だ視界は不快。俺はその木に石をぶつけると思いっきりスライディングするんだ、直後に木を蹴って音でかく乱されたリッパーまで間近まで迫り、かち合う1撃で!
「よっし、良いぞォ――」
反応した斬撃ごと足を切り裂く、俺はなんとかもう一手でキメないといけ「あぁ、お疲れさまでした――」だが、その直前で突然ザコスライム達が崩れていったんだ、敵の5体もが一気に消えて光と化して……。
「なっ!? まさか自滅を――」「少し早いですがネ、0真理:私のキーカードを。【補完する思い】味方スライムを変換ですよ……そしてその上で――」
瀕死のリッパーと増えていたスライム6のうちの4を対象にもって、合計5真理と変換し「我が能力たる、再生と歯車:発動。3真理+X――墓地とフィールドから貴方のコントロール下にある物を指定して良い、そのモンスターの表記真理Xを使用し召喚し直す。それと同時にX個分の『スライムモノリス』の召喚してよい」
黒の液体が空から降り注いでくる、トロリ……と最初は滑らかでも後はボトボトっと無傷で死者が復活して更には砲台が持ちあがり「冗談を――」
「更に更に、0真理【繋ぐ命】手札、フィールドから好きな枚数のスライムを指定して良い、それらの合計防御力の分だけ私が回復する」
手札開示と同時に、バグんと、そのピンクの肉がうごめいて傷ついていたスライムを捕食してしまうんだ。回復、だと。
そうして増加するというのか、増殖する脅威。そのクイーン自身の能力で消費したマナ分だけのモノリスを設置し、起動、4角キューブの浮遊体を作り上げるのだ。輝く6面鏡が、しかもそれはレーザーを照射して――!?
「ぐひぃい!? 2つも来たぞ、一斉に吐き出すのか」「これはさすがに厳しいのではぁァ――!?」
甲高い音。なんでもありな異世界と言えばそうだが、レーザーの乱射、スライムの本気を見せられて最悪の気分だ。強い、しっかりと構築されている。
その弾丸はフレンドリーファイア無しで押していたはずの俺の動きが鈍るし、斬撃スライムも相まって活性化し始めた敵陣営が。
「しかも攻撃特化、はぁ……、はぁ……!? 冗談だろ、こんな勢いの攻撃がスライムから」「マズいです、全方向で気配なし、無限の射程は」ぐぅう!?
場から離れる事のない砲台が2つもだ。攻撃力1で耐久値が示されない事、まさか破壊不能までついてるのかと。
そうして両者手札をドロー! マナを回復「では残りの真理でスライム召喚×2です、どうですぅ?」手札0、真理0。だけどもまた増えるスライム2。そしてまだまだ健在のクイーンが。
ウソだろと……。また同じことを繰り返す気だ、この砲台を無限に増やすコンボ――。
そうして俺を狙うつもりだろうな、リッパーの上から増援スライムが2体落ちてリッパーに当たって転がる。
俺はじり貧の1マナ消費で手札4「じゃあ俺も……【スライム】召喚、そして俺へ【切迫】2点ガード、一枚ドローっ、一枚破棄ぃ!」手札2、マナ0。
もうシールドカードをあえて破棄だ。このカードは本当に使いどころと運試しだ。マズイ、吹き飛ばしはいらんッッ!
だがこの負債を消費するのもしゃくだ、空気読まないカード来たら頭が回らなくなるのヤメれって。
「頑張れーー、親友~」
和樹、何……、なんだオマエそれは鬼殺し、だと!?
和樹オマエほんと何やってんだ、楽しそうじゃないかぁ!?
「イイネぇ、もちょっとだけ飲むかい、スライムちゃ~ん!」
やんややんやと、人間の言葉が通じない相手と楽しんでいるお前は尊敬できるよ、ホント。
だがドンドンと厳しい包囲が敷かれて、勝てる要素がなくなってく、抑え込まれていく辛さ。スライムたちがコチラへやってくる。
――今の戦況だが。
クイーンはほぼ無傷でリッパー無傷、破壊不能の砲台2とスライム2。
俺は傷と何より腕が、加島は大丈夫、スライムはぼろぼろ1と完品1。
「さぁ、畳みかける頃合いですかねぇ……、ククク!」
1/3の壁が2体も、俺が加勢に行けない加島は1人。回避が上手な加島を後回しにしたようでレーザーの集中砲火も来てて。
もう息すらできない程のスライムとの戦いで削り切られそうだ、召喚したスライムを盾にして避けるしかない。だが一撃が肩を貫いた!
なんとかそれでも1匹の敵スラを押し切る、敵からの攻撃をガードを指示してレーザーも避け。だが……、はぁ……はぁ……、限界かよ。リッパーが。
「それでも……お前が全てだ、なんとか戦え、加島ぁああ!」
そうして加島の方は明らかにこのクイーンが――「マズイです、これ程に……強い。私がやらないとなのに――」
力が入らない、こんなに切り裂いているのに勝てる気配がない。
だがキタ――。
1枚ドロー!「加島、頑張れ……っ、頑張れよ、赤 0コスト:【ふとした気づき】力+1、効果時間3分!」
そうして「更に重ね掛けだ、力だぞ、力が1! 加島ぁッ!」――残り手札1。
赤のオーラがケモ耳少女へとまとわりつく、力が湧く、こんなにも。筋肉が躍動するから。だがしかし。
駄目だ、駄目だぞ、お前は――。
「アァぁ……………、剣筋を変えた、なるほどォ――? それほど凶悪な牙など、ニンゲンでは振り回されるかと思ったが」
攻撃力4+力2が「ガゥゥウ、はっ、せいやぁあア! えぇ見てましたよ、力と攻撃力の差は。だけどこの力ならアナタでも倒せるから、そうでしょう、クイーン――ッ」「そうだ、まずはリラックスするんだよ、そうだ加島ァア!」
文字通り牙を剥く。素早くされる剣戟にうなずく、かなりの俊敏さで相手を圧して。
その時、おれはシールドが剥かれてしまうが、それでもレイヴンの羽で切り裂いて――「ぐぎぃい!?」羽が、羽骨が一本折れて脳みそに楊枝でも刺した痛みが走った。もう限界か。
「はぁ……、はぁ……、いや、まだだぜ、まだだ――」
その時俺は剣を持つんだ、ナァ、やれない事など何もないさ「奴め、ニンゲン、どこまで剣の才能を持つ」
その2刀となった瞬間に跳ねた力を、急激に落ちゆく攻撃力に歯止めがかかったのを見やるんだ。
そうしてまだ力+1が積み重なる恐怖、両者ドロー、もう一枚だ!
「それで攻撃力は7だぞ、1対1にしたのがまずかったなクイーン!」――手札オレ1クイーン2「チぃッ……、私自身が逃げる羽目になるとは――」
ならば時間稼ぎしか。
だが加島の激烈な力の蹴りでクイーンの顔がめり込む。
これは……痛み、この私が、核まで来たか――。
だが何せ砲台はある、安全圏に逃げれば良い、そうして「ハァ……ハァ……、ウ、うぅ。少し……っ、俺のが引いたか、砲台が加島へ行った。だがもうな……、それでも攻撃力で上回るしかないんだ、相手よりもお前が早く――」
慣れない2刀でも、そのリッパーの飛沫をかいくぐって並スライムを蹴とばして。防御に徹する俺のスライムさんがぺちっと撃ち落としてて。
それで追いかけていく、させない。クイーンが焦り始めたんだ、何せ自分は防御力タイプで加島からは逃げられないし今なら寄せられてしまう。
我はクイーンとあって総じて高い耐久力と増殖速度、そして攻守をギアチェンジする特殊能力で。
「しかし、我らは全体的に鈍足。ただいや……、思うに、今のあの王のダメージならばレーザーだけでもなんとかか。だったらだぞ、あの頭を討てれば終わるが……、だがこちらに近づいて来るのだろう? この2人を合わされてしまうと消されかねない――」
そうして尚も、そうだ、この娘をフリーにして大丈夫なのかと……っ。
目の前、レーザーを避けながらも豪腕と化した犬娘の打撃が来る。恐怖心。それでもなんとか踏ん張りどころか……、手札は良くないが、ただ正にスライムらしく今から城となるのだ、全てを合流させて。
「クソぉ、どうやっても今スライムを消さないと――」手札消費。加島を守るべく【風の叫び】吹き飛ばしを、それがスライムを押しとどめるから!
「だが真理が回復しました、コチラもスライム召喚で――、圧倒的です」手札2、真理0。
邪魔するスライムが襲い来る、それでもなんとか加島がクイーンから離して追いやるようにキック!
汗を握る。
俺ももうボロボロだ、ターゲットが近づけば自動で向いてしまう砲台が撃ち抜いて、盾のスライムが広がってガードしてくれるが「が、ガァアア!?」貫通、先に地べたへと落ちてしまう……。
そうしてでも、最後に待っているのは必要な物。カードを掲げた。またアタック1が来る、その笑みに大きく跳んで仲間のスライムを犠牲に逃げ切るクイーン、身構え。1マナ消費で「緑:【堅牢剣者】攻撃力+1、防御力+2の加護を与えるッ!」
だが「まさか――!?」
俺はその盾にしてたスライムにもうひと踏ん張りさせる事にした、それに応じてか俺が投げたスライムさんがヤル気を出して。
「ククク――」
完全にミスったカオ。来ると思っていた戦術が来ない。命をかけた戦場で、相手を値踏みしそこねた。そのまま根性で突破して来るボロボロのスライムちゃんは。その眷属たる者の飛び蹴りにクイーンがたたらを踏むから、もう一個のスライムもおまけだ!
「畳みかける――」手札は0、相手は2、マナは0で。お互い満身創痍。
「はぁ……はぁ……、分かった、降参だネ――」




