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急いで追おうとするが、するとススっと他のも道を開け始めていくのだ、何かおかしい動き。罠か……、それとも。
「はぁ……はぁ……、進んで、大丈夫でしょうか」「まぁ……ナ」
ふぅ……ふぅ……、いやぁ~~、帰って良い? 俺だけさぁ……――。
笑う。すると向こうの方にピンクの水が見えてくるんだ。当然それは水ではなく、見やるソレに立ち止まって、逃げようとするこちらへと向き直り。
「招集に馳せ参じましたか。では良いでしょう、我と戦いをしましょうか人間……」
その言葉に眉根を上げる、どうやらやっぱり話せるのがいるらしい。だがしかし危ないだろう。決して近づかずに犬耳加島に退路を確保してもらい、動かずに。
「我はね……、汝こそが我らを、そうして森をも嗅ぎまわり続ける異臭の者かと問うていますよ――」その凛とした問いかけ。森がおかしいと言うのだそうな、恐らくは俺達が大量に入って動揺しているのかもって。
「あぁ……、まぁそうだな、そうだ。俺らはこの世界を探っているぞ、分かるだろうが異邦の人間だ。この世界じゃない場所からのな」
「でしょうねぇ……、そうでしょう。では……、ザ・カードで王たる宿命を見せましょうか。何せアナタのそのオーラは……、そうしてカードを使っていると聞いたんだ、異界の王なのでしょう?」
スライムからカードバトルを要求される、少しなんとなくだがファンタジーで笑える。
「異界の王、ではないな。でも、へぇ……、スライムもカードを集めたりするのか、なんか意外だ。価値を感じたりするのものなのか」
「何を言うの……? カードは全てにおいて覇者の行いですよ、モンスターには遊びだが人間達は何よりもこれを好きがり、そうしてムキになり過ぎる――」
「覇者で……、そして王。そんなになのか」
その言葉に顔色は伺えないが明らかにうなずくのだ。
だが考えてみればそうかもしれない、この召喚こそが人間として大きく見せる、いわば統治者たると示す為の1手だろう。
彼らは繰り出す、自らだけが制御可能なツワモノを。
確かに騎士や勇者や聖騎士などは英雄と言えるが、所詮個人の力だ、そこにリーダーシップや神秘性は問われないだろう。せいぜいスキルか生まれか、装備なのか。
だが召喚は正にソレで、全てをひれ伏させてみせる技術。民への示し、強い戦術価値と平服に値する軍事力。
イクサに自分色の死をねじ込み、運命すらも予定と嘲笑う者。ディスティニー・フィクサー。
「数多の命を操り、自らが率いる者としての才覚を示すの。このスライムにも限界はないわ、世界のカードとは正に統治者のシルシよ、そうしてそれを異邦の者が持つとは面白い―――」
ぷゆゆんと俺を上向きにも下向きにも映していて、そのアツさは現代では見れないほどの「あぁうん。だが……、いや、面白そうで戦っても良いがな。俺にはマナもモンスターの手持ちもなくてな」「ならば私のカードを貸しましょう、当然スライムですが」
そう言うとスライムカードを3種渡してくるのだ「能力はコチラと同じです、ただアナタにはね、特殊個体は渡しませんがね――」
それはまぁ当然だろうが。しかも真理も同じく回復する物を一時的に貸してくれるというんだ。
「ただ手札とマナ上限には依然差がある、か――。だがここで戦いを挑まなきゃ」
恐らくは強くなれない、一歩を踏み出す。
カードの、その万物の命の呼び声に答えて俺はデッキを示す。ほくそ笑んだクイーンたるは覇気が領域展開され。するとクイーン・スライムの下に数字が出るのだ、それがなんと攻撃力1の防御力9―――。
「娘よ、アナタはカードではないの……。だからカードでは詰めておけない物が召喚として扱う事ができる、その代わりに死ぬ、良いのですね?」
加島がその言葉に応える前に俺は「2コスト帯でも最強だと……っ。1/9だ、おぃ気をつけろよ、あのリンですら攻撃力2なんだからな!」「ウソ――ですよね? ウソ」
大汗流す。思った以上の威圧感になる、数字で示されると分かるその恐怖。
「いや……、いや待ってくれ、少しだけ考えさせてほしいっ。実際用意もしてないし、あと何より疲れてんだよ!」
「あぁ……なるほど、良いでしょう、では少しだけ。アナタは特別のようです、是非戦いましょうねぇ」ウフフ。
そうしてコッチの戦力は加島が攻撃力2/防御力2、そして俺が0/4だ。
「確実に死が待ってると……。逃げれないらしいからな……。あの爺さん曰くカードの主が従わなくてもカードが駄目らしいし」
それを運命が引く力と言う。
「そうですか、それは……、恐ろしいですね。相手はほぼほぼ3コストなのでしょう、それならあの時よりも強いんだ……あのお爺さんのよりも強い」
剣を抱いてうなずく少女に。一体で十分に強い、それがカードをするという、スライムを率いて覇者であり更に王たる多くの力を示すのだ。
「そうかそうか……、やはりモンスターがお前をもう見初めたか、さすがは弟子だナ、ククク。アハハハ」
非常に愉快痛快と笑い始めるジジィ。
名をクモツヒゥラーという。
隣に座った和樹と共に一計を案じてもらっている俺、和樹は何度か何かを召喚をしようと奮闘中。でもそれは真剣であって、可愛いのを……っ、可愛いのをさ、できれば半裸のを――。俺これができたら参加するんだ――っ。
「でだ、どう思う、アンタなら」「ワシなら受けん、冗談ではない――」
その即答する顔は笑顔だ、まだ。そうして爺さんが組みたてのデックを見やるから「だが今……、お前が目指す物はそれほど小さいのか、若造よ」
若造じゃねえと……。でもあの時に見えた黄金に首を振る、それに満足気だ。行くならば必ず加島を連れて行けと言う、それ以外は無いらしい。その魔を超えうるのはもはや今は。
「あと、そやつはまだ真理の地平、それは未だ開いておらぬのナ」
「あぁうん、それは多分。アンタが言ってくれたその形は見えなかったと思う」
「そうかそうか……、ならばまだ絶対に無理、という程ではないナぁ」
ただそれでもジジイなら勝負は受けないようだが。
どうやら手札を一枚消費する事でマナと交換する事が可能になる『秘奥』があるらしくて、それを持ってる奴はレベル違いであるとすぐに分かるらしい。
「お前はそう、孤独が始まるぞ、必ず一人になっていく……。カードとは孤独じゃ。それでも弟子にするのはナぁ~……、 フ、ふふフ。 楽しみじゃ、享楽ゆえ」
そうじゃ、お前が最後の希望よナぁ……?
「でも死ぬんだが、まだやるなんて言ってねぇよ。俺がヤバいのを楽しそうにするなよ、召喚師は大体こんななのか」
「うむぅぅ……、なにせ全てはお前次第よ。1枚のカードに慟哭し、勝てもしない相手へとたった数枚で挑みかかる。カードバトルの時は誰も助けなど来ない。しかしてナ、錆びかかったその心にはキテおるんじゃろう?」
じゃあまあ若造ヨ、必死でやれよ、また来いナ……。
そのまま二人で出て加島と合流する。才能は全くないらしくて仕方ないので一枚もらえたカードを握りしめる和樹は。半裸なかった――。そうか、残念、無念。
「でも勇、アレがお前が言ってた奇妙な爺さんかよ、そうかぁ~……。まぁ臭いはすごいけどさぁ? でも大丈夫そだナ、もしかしたら異世界初の協力者だし~ぃ?」
そうなる、そうなのだろう。実際助けられてるから。カードは順調だ、クモツヒゥラーのカードは言う事を聞く。
「それでどうするよ? 命懸けのカードゲームよ……」
その言葉にうなずいて。




