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そうして犬耳少女と戦っていると影。
「来ました、お2人とも! かなり強いのが来たかもしれません……っ、もうなんとなく匂いが違いますから」
それはスライムの中でも大きいのが襲ってくるから。大きい、俺の胸くらいまである風船、その模様は何か点描画を水にしたためたような妙にカラフルな点模様を持つ個体。アッチも見敵した瞬間に、これは俺達への威嚇か、何故か横に伸びている、なんとなく挨拶にも見えて。
それがぽよんっと普通な感じになると、圧し潰す気で飛び込んで来て。
「ウォ――!? おィ良いな、和樹よ、お前は無理をするなよ、俺のサポートは万能じゃないって……」その上がる大量の土煙に紛れ逃げながらも二人、剣を「あぁ分かってるって、むしろお前たちに迷惑かけないようにって思うわ。それであと……、やっぱ最低限は応えられようには俺も――」くぅ……!?
シールド2は明らかに加島ではなく和樹が多い、手札もあと一枚だし。
そして超絶素早い加島が乗り込むから。彼女には自信が付いてる気がした、付与召喚はそれも良い所だろうか、カード化すれば永続バフに近くて本人が心強いのも確か。
「フシュ、ではまず私からァ――」地を蹴ったその瞬間に、逆に先手で炎が飛んで来るから、まるでそれは「なんだ、模様が異様にうごめいて……っ。それで相手も魔法を使えるのか、まさかあれは魔法を使えるスライムなのかっ!?」
加島が毛を散らしながら避けてクルルっと回転し、大地を見えぬ爪で裂きながらもその焦げた髪に歪めるんだ。どうやら魔法っぽいのを使えるらしい個体、そうして彼女の体勢を崩すところへと更にのしかかりの一撃まで!
なんとか敏捷にて耐えるが、この連続は耐えきれないだろう、俺が剣でしっかりと横から入るが。
「ちぃ!? 魔法使いのスライム、しかも全方向だな。もしかして人間の魔法器官とかを取り込んだか、そういうのも分かるんだ――」
一瞬だが人の絶望のカオが水に浮かんだ気がして、それで次は氷結、氷がスライムの体から打ち出されて剣が弾かれて、ある時点で無数のトゲとなり拡散。
だがイマイチ馴染んでないのも。剣のヒラで流すオレは、だってそれは自らの体で行ってるとかいう鬼畜の所業だ、どうなってるかは知らないが一部を切り離して吐き捨てるようにしてるのだ。
「不完全だが魔法が使える個体、か。とりあえず俺も前へ行くからな加島っ……、ただアレと戦えるかは……っ」くぅ!?
なんとか斬ってみせる、だが片手では全く歯が立たない。恐らくは2コストか、防御力が6くらいはありそう。射撃マークがついたし。
そうして手札が腐っていて、絶対強いが使いたくない……。
真理1:【堅牢剣者】アタック+1、防御力2の加護を与える。
あぁマナが……、あぁ一回1500ゴールドはなぁー……、このまま勝てそうではあるんだが――。
加島は初手で傷を受けたが上手いこと戦えてる、リンはかなり強力で。
そして更に待望の1枚ドロー、要注意のが来てしまった、青の0コスト:【切迫】手札を1枚ディスカードの後にカードを1枚引いて良い。2点シールドを付与する。
汗を拭きながら考える。
「はぁ……はぁ……、でもです、この敵って自然消滅しそうですね、そう長くはないかもしれない。だって魔法を使えるのは自分の大きさまでのハズですから!」
「ただ加島ちゃん、これ弾幕すんげぇけどさぁ、アチ……、あちち!? でもだったら俺っちも的になれば良いかな、なんとか避け続けるだけならさ……っ!」和樹は何気に上手い事逃げる、回避だけなら上々か。
その風の魔法の成りそこないの一撃でも華麗に飛んで、ぶびびっとした飛沫を必死に避けてく。
そして彼がやれる事は投石程度で、気をなんとか引こうと……。
「ただ、なんだコイツ、他のスライムを吸収してないか、なんだなんだ――」
今見えたぞ、草むらに入ったら増えたし。そうして吸い終わったそのスライムをピザ生地かと思う程伸ばして燃やし、振りまいて来るから。
撒き散らされる炎、大暴れするスライムにさすがに和樹の残ってたシールドが破損、傷を負ってしまうから。
「大丈夫ですか!? あぁ……、えぇ。スライムの巣窟でこれでは、やはり悠長にはできないでしょうか、ただ……、私の攻撃ではなかなか」
大振りの一閃、それでもなんとなく弱い。裏も表もないスライムだ「後ろに回っても……、例え横からでも、うぅ!?」
だから周りを走ってる、加島もかなり苦労しているんだ。俺の手札は1枚での攻防を、死がかかるのにこの1枚は「なんだ? 一枚引きますか だって――」
背中の黒の羽根がうごめくと闇を広げ、突然そんな選択肢を見せたのだ。当然引きたいのは当たり前だ、急いでそのデッキに手をかけた瞬間に「おっっも……――。これなんか、そうだ、これがMPとかなんとかを……吸ってく感じか、はぁ……はぁ……」頭が確かに……っ。ヴ、うぅぅ。
デッキからたった1枚引くのに異様な程の重み、なるほど、手札とはMPのような物で補ってるらしい実感。最初にデッキを出す時に気力が抜けてったがそうか。
闇の奥に行くほど足が震え始めた、でも手を放すには。
「無理をしなくて良いです勇さんっ、もっと私はやれますよ、もっともっと――!」
強くなった力と俊敏性は伊達じゃない。壁走りを入れて近づきジャンプ、そしてスラッシュ、貫通するよう走り抜けてのさらに木を蹴って戻り獣の如し再突進を!
そうなると魔法がなかなか当たらず、そうしてリズムに乗り初めている加島にスライムが業を煮やし始めたか。魔法を乱射だ、むしろそれを魔法をかいくぐり決死の一撃を狙う犬娘。
「やっぱり早いな、見事だ。そのまま押し切れ加島ぁ!」
それにうなずき真っ直ぐを、力を全て乗せた。対してかなり自分を燃やしての、スライムは弾丸を6発も発射で。なんの属性かは知らないが周りから円を描いてミサイルの如し攻撃、更に更に目の前には図太い一撃を。
発射!「くっ……、しかし今は攻撃を、負けません!」それに少し尻尾を焦がされて、体を落としてかいくぐっててもギリギリで、飛び込んで大地を削って逆立ちし跳んで回転!
一撃!
だが弾かれた、少しだけ足りなかったか、でも切り裂かれた場所へと「ハァ……ハァ……、お願いします、核を――あの核への攻撃を!」
「あぁ了解したぜ、任せろよ加島ちゃん!!」
突っ込んでいく和樹、その剣で――。
「ギュゥウウイ!?」焦って無茶に暴れた、スライムに外されてしまう、そして致命を負いかけてもそれはまだ……「あぁ……っ、はぁ……はぁ……、逃げていくな――」




