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 ヌルヌルとした動き、ゆっくりと草地をかき分けて行く。地を這ってゆっくりゆっくり、背の低い草でも見敵される事無く。ヘビはヘビだが、アナコンダ。

 水中から無音で出てくる、1メートルか、いや2メートルだ、3メートル……まだまだ伸びる。5メートルで、そうして現れたのは体だった、体を持っている。

 四つんばいで這って出でて、その頭はもう既に。


「あ―――ッ。何か来ましたよ、気をつけて下さい! 化け物が、あ、あぁ……」

 マズイ、だって俺のもう目の前だったから「あれはなんでしょう、ドラゴン――」

 異様な雰囲気、思ってるのとは違う化け物だった、聞いてたところではリザードマン。ヤツは首をもたげて大口を開け噛もうとしてくるのだ、しかもヤツは「縦3メートルはある、これはマズいぞ――!?」

 フ―――  がぶふぅ………―ッ。大口を開けて空気ごと飲み込むエグい音が、ほんの先、俺の鼻に響いた。飛びすさぶ水滴と生暖かい空気が怖い、その蛇男は丸呑みを狙えるという。しかも全長5メートルもあるので滅茶苦茶なレンスの攻撃で。

 俺は転がるも目の前では当然のように「体とアタマが完全に別制御じゃねえか、こんな――」こんなのは。

 体だけが向こうでシャカシャカ歩いて加島へと斬りかかれば、デカい頭が横切って笑い、その加島を執拗に襲い始めたんだ。同時での連携を狙ってくる動きはナンカこういう兄弟みたい。大きくて図太い丸呑み気質の弟と、小さくとも斧を持った兄が――。


「2対1、さすがにマズイだろ、加島ぁ!?」

 俺は急いで追ってクビへと体当たり、だがブレない、だって頭がブレないんだ。筋肉でしっかり制御されてて空中で浮いてるようで。威嚇の口開け。

 俺は睨み合うつもりだったが、体の方が俺を狙うようで、そのまま邪魔する俺を回転斬りで邪魔し。まるで1匹で十分な戦力、これが異世界。斧の一撃が来て向こうでは噛みつきの丸呑みが!

「あぁ……ウゥぅ、ホントに、下手なホラーより全然怖いですね、これ……っ、これは本気ですかぁ……っ?」

 がぶ……っ、  ガブふ――バぐん!

 上から、横から顎の音、地面を削りながら丸呑みが襲い続ける。大口で威圧されて、人を飲み込むその肉ヒダが収縮して自分をすっぽりしようとする脈動と汁。その生々しい力強さには戦慄。避けても避けてもすぐ横からくるから、自在なんだ鱗のヌシは。


 イヌの加島だって素早く逃げているが相手の動きはもっと縦横無尽、しかもその巨大さは力で岩にぶつかってもソレが欠ける程で。

「うぅぅ!? ホントに……、本気で力が滅茶苦茶です、こんなにあるとは……っ」剣で受けるが攻撃力加算を受けた加島と肉薄するという、離れる瞬間に放たれるドッグキックもヌルっと回避だ。


「あぁ多分コイツ2コスト帯……そう出てるぞ、今までとは違うのか。でもこれでも雑魚の部類で――」

 カードイメージが疼き始めた、召喚する者としての直感。これほど違うのか。

 真理2【リザードマン】2/4 2回攻撃。

 コッチに来てる胴体からの斧が重い、受けた右ウデがクソ痛い。しかも顔もないのに、ノールックで好きにされる屈辱、もう1枚しかないのに使うべきか、それとも温存してあの黒翼を召喚するかと――。


「すまない……、逃げさせてもらう加島。俺は抑えるだけに集中するから、リロード! リロードだっ……!」「こちらこそです、ごめんなさい勇さんっ……、私がなんとかしたいのに、こんな怖がってちゃ――」ぐぅ!?

 アナコンダ相手に腕が震える。剣で戦うがやはり厳しいか、確実に地球でなら最強クラスの丸呑みの恐怖、それはヒトを怯えさせる。アッチも苦戦しているがそれでも俺はあと一枚のドローは確保したいんだ、だから早く来いって……早く――。

「ぐぅ!? こんな貧弱なんだな……、召喚術師ってのは――」

 胴体からの攻撃、避ける、花が舞った、踏みにじられた先にもう一撃。でも今のオレの最大の恐怖は伸びてる頭がいつ戻って来るかだ。剣で戦ってて情けないが俺も怖い。

 あの恐ろしいまでに強かった雫を思いながらも、今はその子供みたいに斧を振り回してるナメた胴体のみからでも逃げを選択するしかないんだ、今の俺にはそれしかできないから。一撃にぶっ飛んだ、左腕が動かなくなり始めるのに唇を噛む。太刀打ちなんてできない。


「でも戦線を伸ばせばいずれ限界が来る、4、5メートルだろうから――」

 そこでスキを狙えれば。すると限界近く、戦っていたヘビの胴体が思いっきり跳んで渾身の「ハァ――?! え、どこ行くんだよ、ちょっとオマエっ」「え、え、ジャンプ……、それで2段のジャンプをぉ――」

 上のヘビ頭が強引に巻き上げるのだ、空中へと、なんだかゴム人形みたいに体が上にあがって行くから。シャチホコかなって感じで下に頭が行って。

 あ、でも近づいて来ました――。

 それでカラダだけ先に加島を襲ったから、いや、本当になんで。まさかぶつける為だけか……!? 一人時間差だ……加島は一撃目の、その上からビタンする蛇の胴体に。

「きゃああア!?」おもっくそブツけられ剣が転がってしまう、マズいから。その直後に丸呑み来てる。


「いや……、あんま使いたくはなかったが、ヘックス、呪文を発動させる、1マナ消費だッ!」

 ランドをタップ! そしてこのチカラはさすがに強烈か、マナが一気に体を包み、カードが燃え盛りその……1つ上位のボルトが牙を剥くのだマナが集約していき炎となりて「【ライトニング・ボルト】3ダメージだ、食らえェエ!」

 それは一撃で溶かす、炎がえぐりウロコを打ち砕き、消し炭すらも超越した火力の一撃で。真理という存在がどれほどの力を持っているかを見せしめる砲塔、一撃必殺。

「ギィやぁあああ!?」「だがこれでもまだ――」

 ヘビの断末魔という奇妙な物を聞きながらも、それでも生命力の強いソレは戦いをやめようとしない。燃え盛りながらも水へと逃げる気だ、追いかけられなくなるだろう。

 あまりにもスムーズなヘビの動きで。しかし迅雷の速度で突っ込んだイヌ科の加島の剣、そこへ脳天をぶっ刺した!

「させません! ウォオオ――――う!」

 犬らしくそのまま引きずり上げ、更に一撃! 抗うスネークヘッドに犬がとどめを刺しにいってて。




 これが、今の現状のデッキだ、異世界での召喚士見習いとしての力。

 赤0真理:【ショック】1ダメージ。 2枚。

 赤0真理:【ふとした気づき】力+1、効果時間3分。 3枚。

 紫0真理:【風の叫び】周囲に吹き飛ばし発生、弱。 1枚。

 白0真理:【お守り程度の幸せ】2点のシールドを与える。 3枚。

 青0真理:【切迫】手札を1枚ディスカードの後、カードを1枚引いて良い。仲間1人に2点シールドを付与する。効果時間5分。 3枚。

 赤1真理:【ライトニング・ボルト】3点ダメージ。 1枚。

 緑1真理:【堅牢剣者(けんろうけんじゃ)】攻撃力+1、防御力+2の加護を与える。 効果時間7分。1枚。

 無色1真理:【老犬の加護 リン】攻撃力2 防御力0 敏捷+2 (これからは2/0 敏捷+2と表記)1枚。


 以上でデッキ15枚。



 あとサブで入っているのが。

 黒1真理+X真理:【毒沼】チャントタイム1:足元に術者だけをさいなまない毒沼を作り上げる、範囲は追加のXで広げてよい。

 青0真理:【誤算】チャントタイム0:1ダメージを与える。あなたの手札からこのカードがディスカードされた場合、ソレは代わりに追放となる。このカードが追放されたとき相手に1点ダメージを与えて良い、そして更にランダムであなたのデッキから1枚を追放する。

 緑 0真理+X真理:【引き換えとしての力】Xマナ消費するごとに2点を与える事ができる。

 黒 1真理+X【心機一転】対象としたカードの表記分のコストをXで支払い、それを支配者の手札に戻す。

 黒の真理2【かすかな臭いと罰】対象を変更する。

 白の真理1【随分と、誰そ彼、思いあひき】自分のカード1枚が対象、それを相手へと召喚する。それは召喚要件を満たすべく可能な限り調整されなければならない。

 緑の0真理【希望、悔恨の果て】1枚カードを引く。自分のカードが追放、及びカード効果が発動されなかった場合が対象。1枚カードを引いて1枚ディスカードする、この一連の行為は追放にはならない。効果時間7分。

 緑の0真理【カイエンのブレス】飛行を持つ2体までの敵へダメージ2を与える。

 紫0真理【特殊な事情】モンスター1体を選び+2/-2。

 黒0真理【覚悟】イリバーシブル:自分2――ヘックス(次のイリバーシブルXターンは全ての――を禁止する)。相手の真理を一つ消す。


 追放とは50分に渡り墓地にも山札にも手札にさえ返らない事を示す。

 チャントタイムX。どうやら詠唱の代わりとなる集中が必要らしい、Xターン経過という奴だ。1で手札ドローと同じの1分。


カードゲーム用語。


墓地……捨て札ともいう。通常の場合でのカード使用時や敗北はここへ行く。

ディスカード……カードを捨てる。

ドロー……手札を1枚引く。


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