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「そうかよ上からか、ちぃい!? だったらコレだ、0コスト:【風の叫び】周りを弱風効果で吹き飛ばす!」
彼女の肩を抑えながら周りに強風を展開、威力的に運動会のテントが倒れるくらいだ。髪を抑える加島がうなずき、スッ転んだ奴から狙いをつけた。でも……、やれる事が少ない。召喚術師って本当に制限が多いんだ、手札がまた1枚へ(ほぼ腐ってる)。
そうしてだからすぐに2人、背をお互いに預けるようになったんだ。カニ歩きするのが一番という結論へと。
「同じ方向見ててもしょうがないが……、ただ大丈夫かぁ……、加島。少しだけ手を握るぞ」「はい……。 はい。えと……。大丈夫です、けど、ハァ……ハァ……」
息が荒い、疲れているだろう。変な動きだし手札を3枚まで補給したいがなかなかそうもいかないし。特に今は互いに制服のみという最悪。
木を見つめながら「勇さんこの【お守り程度の幸せ】防御力+2って、すっごく心強いですね。矢が直撃しても貫かないんです、私驚きました! 是非是非ユウさんにもって思うんですが……」「まぁでも、手札がもう2枚じゃなぁ……、フフ」あとシールド2な加島、防御力とは違うぞ、きっと。
不思議そうにするから。でも大体それでどんなプレイしているかが分かってもらえてるようだ、ドロー1分という時間は長いし森は激しいし。
その瞬間土から出て来たスライムを2人して慌てて避け「いや、むしろもう駄目だな、勿体ないがもう使おうか!」
ここまで異世界の森が危ないとは思っていなかった、鹿とお見合いするだけの日本の田舎とは大違い。カードを掲げ「サモン・1コスト:【加護の老犬、リン】2/0 俊敏性+2を!」
その召喚ゲートがイレギュラーにも人を包み、すると彼女の姿が変わり始めるから。
「行けGarden Of The Mare(夢見花園)! お前を召喚する!」
「う、ウゥ――」赤いカオをし、体の奥から湧き上がるその言い知れぬ疼きを美少女は――。そうしてワイルドにカラダへ毛が生えてるのにこじんまりと整った姿、ひょこひょこお耳とフサフサ尻尾、愛らしいケモミミ少女が爆誕!
あぁ……その頭ヨ、そして尻尾がもう――。
いや、勇ましくて攻撃力も増したんだ、頼もしいその「では行きます、行きますからね私!」スカートを抑え目線を外す少女に。
あっという間に牽制していたスライムを捕まえ斬殺! 正に狩人の動きだ、解き放たれた瞬間に山の様相が一変した。低重心での動きが滑らかで本格、まるで骨格が変わったかという程にスゴイ。
そうして腐ってたカードが有効利用されて、新しいカードは。あぁ……――、ウン。
「でも良いな、俺でもすごいんだ、あんな剣の形は見た事がない。聴覚と臭いが変わるって事は剣も変わる、この探知能力は異様だぞ。カードゲームじゃ分からない実感があるんだな……」
結構強いのも簡単に引き裂いてて、
新感覚の剣術を前に痛む右手が震える。そうして、くんくんクン、こっちですね……、コッチ――。もうただの尻尾ふりふりする美少女ではない、人語が正確に理解できる探知は正にチカラ。まぁどう接して良いか分からずだが。
勇さん勇さん、たぶん見つけました! あぁ……、うん――頭が呼んで、あぁ行ってしまうんだ、耳が、毛並みが――。
頭を振る。フラフラとそのままついていく。元気な犬娘が先導してくれてると来たな……心象が。
1真理【ボガート】2/2
同じイタズラ精霊であるブラウニーやプーカが悪戯に快楽を見いだしてしまい堕落した存在。その中でも特にのろまをドビーと呼ぶが。
ただ、こいつに何の理由があっても名前をつけてはならない、それは――。
よっし、それで実はクエストの場所おおまかにしか聞いてないんだよ、地図は買えなかったし。
「水でしたよね……水辺です、強い匂いはここです、多分その辺りが川ですね」
うなずく、まぁ間違いないだろう。見えてきた泉は草がボーボーでもそれっぽい花があるし予定地だと思う、ただ「危ない匂いがしますよ……、なんでしょう、すごく気をつけて下さいね。すごくすごく嫌な感じがします私」――本能が告げる恐怖。赤く煙る異世界の川辺、入るかどうかを迷うが。
「だがとりあえずだが今日いっぱいは山にこもる必要があるからな……、何せ学校が緊急事態だ。生徒は全部で1000人以上になるらしいし、それに何よりこの山は危険度分けで低いのは確かなんだろうし」
この森は雑然としていて広くて豊穣で、それでいてきちんと整頓されているらしい。なぜなら俺達が思うような世界とは異なっていて正に生態系が暴力だから。
例えばだが、ライオンのねぐら近くに日光のサル一家が引っ越すだろうか?ただ時速70キロのガゼルならチャンスはあるはずで、じゃあ一般スライムとドラゴンは?
しかも群れるのが多いんだ、そうなると形勢的に層があるのだ、厳しい社会構造ができあがっていて。
「まだ外郭らしい、まぁ感じとしては奈良の山からサバンナ、アマゾンまで地続きの森だよ、ならここはまだ奈良なんだな」「なんですか……えと、それは、フフフ」
大仏見てシカさん撫でてたらライオンさんが見れるのかな、なんだか不謹慎ですが面白いです。
「まぁじゃあ……やるしかないぞ、急いでな加島。さっさと詰めるだけ詰めよう、モンスターは任せた……。俺が全力で採取するから」
見渡せばモンスターは少ないのでなんとかなるはずだ、手分けして必死になる。ただやはり見かけでは何も分からずスライムと格闘してても別に何も……。
「ふしぃぃィ………」ヌッと顔を出す、その水中から。




