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「あの……、なんだったんでしょうか、あの老人は。私には何か、そう……、すごく弱い気配しか感じられない、本当にもう終わった炎のような気配が」

 臭気だろう、たき火の後のあの独特の消した感覚と寒さ、ただし命の臭いがそうであると思えるのは「分からない……。ただ俺は運が良いのか悪いのか――」

 その紙束を見やると1枚ずつきちんと確認していく、何せタイミングとかが致死になる場合があるし。


 見やるそれらはほぼ全てがコモンカードと言った所か、一枚だけ違うのがあるが。ただそれを与えられるだけでも幸運だと思う、非常に。

「すごいな。本格的にカードゲームなんだな……、このカードは異世界でオレの力となる」

 日本でも普通に見て来たし海外で有名なのも知ってる、ただその焼き付いた絵には何かすさまじい迫力を感じていて……。ソレらとは比にならない何か、いやむしろアニメで言ってたようなあの本当の相棒を感じるような、鬼気迫る強さと戦気を感じる。全員が戦況を覆すためのフィニッシャーたれという虎視眈々。


「俺もじゃあ、剣を扱えるようになるか……、右手は駄目でも左手くらいはなんとかな――」

 自然とそう思いつかされ。

 幾千を超えた戦いの鼓動を前にすれば自分だけカヤの外ではいられない。あらかじめ携えていた重い重い剣を振るってみる、1,5キロ。できれば刀が良いが、あの最も高等な刀剣技術を得るには相当な力がいるしな。



 なんとか戦える力を得てその後ギルドへと2人で向かい。

「一応初心者用の依頼を受けてみたが、ホントなんなんだろうな」「えぇそうですよねぇ、すっごく簡単でした、あとなにか……ギルドって感じしなかったんです私は」

 登録は言葉を話せればそれで良かったし余所者(よそもの)でもあんまり何も聞かれない。その代わり相当自分でリスクマネジメントしないとこれはって――。

「では、二人で頑張りましょうね、勇さんっ。ここから私達は上を目指さないとです!」

 胸で抱いた剣を鞘から出す彼女は前衛をつとめ「あぁ、そうだな。あんまり気負うなよ加島」


 そのまま本格的な戦いへと。ここの湿地帯に咲いてる医療用の草をなるべく取って来いというクエストを受注している。だが途中の森すら各種モンスターのねぐらになっているとも。

「それでやっぱり弱いと言えばゴブリン、そしてスライムかぁ……」まぁ定番だな。

 そいつらは確かに弱いが数が多い、あとスライムなんかは何考えているか分からないんだよ。生きてるってすごいって……駄菓子が突然しゃべり出したくらいの違和感だ。何があったら動けるの?って、分かるかな。日本人では全く測りしれない生物で、ゴブリンはご多聞に漏れずだし。


「ただ最も初級者用って聞いてたが、必死だな……、加島だし、そりゃそうだな」

 少女は深く息を吸いこんで唇を噛むと、剣を一心不乱に叩き落す。さもなければ悲鳴と苦しみの声で続けられないから。それは鳴き声と呼ぶべきか――そうだろうか、それだけでも十分にさいなまれる怨嗟の。


 そしてコッチはついに。

「よし……、じゃあ召喚術師としての本番だぞ、この一歩があの剣へと繋がるんだよ……、ドローッ!」

 デッキカードを掲げる、設置、領域展開。あの爺さんが教えてくれた物を現出させて「汝において宿命づけ、開けよ、その真理を。炎、水、風も土も、そは概念を超えるのか――それとも打ち砕くのか。その手に持ちしは希望なりて、飲み込まれるべからず、全てを無に帰すべく遡り」


 デッキが心象風景となり、俺の背には黒き不可視の羽が展開。


 そのうごめく細い骨はまるで蜘蛛の足のように蠢き、それが右ウデと繋がり……亀裂に入り込み制御されて。そうして同化。

 骨組みがカードを要求している。これが俺の固有心象、デッキの姿だ。


「じゃあドローだ、まずは3枚の手札をここへ」――手札3枚、真理2。

 人差し指に浮かぶ手札を見やる。モンスターカードがない今やれる事は正に後衛で、それでも戦いはできると一枚「カードは使うと墓地へ、また戻るのに時間がかかる。墓地に入ったら2分毎に一枚デッキに戻って、しかも……、あぁ」コイツは難しいな――。

 それは複数墓地に入ってるとランダム順での回復らしいのだ、つまり狙ったものを戻せるとは限らないとの事。次々消費されるはずのカード、しかもデッキへの回復を見込みたいカードと、そうでないもの……。

 手札は一応増やせれるがそれも魔力が必要で――。


「シールドとか攻撃力を上げたいが、適応時間があるんだよな。一枚目はそれでもすぐ使用するべきか――」

 目の前にはスライム2体にゴブリン1。

 戦略的な戦いを要するんだ、結構かなりキツそう。識字率も低くて勉学にも無関心なこの世界じゃキツイかもしれない。まぁ現代のカードゲーム好きにはたまらないだろうが。


 ただし、命懸け。


「じゃあまずは【ショック】無コスト:1ダメージ!」――俺が選べば黒の羽にカードが突き刺されてカラダに半透明なカードが重なって、腕へと炎、振れば大きい火の一撃が飛んでった! 

 ソレはぶつかった瞬間にゴブリンが燃えて死ぬから、人体が燃える。

「これで1ダメージ、か。大体だが手のひらサイズの石をぶつけた威力で、あと炎の延焼力だろうか。幼児くらいがバッティングセンターで最悪死ぬくらいの速度と微量の炎が走ってと」

 それで気になるのは「いま誰が打つかの選択が一瞬あったな、なるほど……。1枚ディスカードで打てるヤツが選べるのは本当か」

 カード概念にうなずく。あと何気に手札とこの背負った心象は他人に不可視らしいから。撃ち終わるとその3枚しかない手札の一画が消える、翼が作るヤミに飲み込まれる。今ので終わりだ。


 手札は少ない。なのに加島を強化召喚するカードは取りおかねばならない。残念、この序盤に必要ないがもう来てしまった。

「手札は1分ごとに回復、聞いてた通り。それで先にしょぼいのいっぱい使うとマナが必要になる重いのが来る確率が増えて――」

 初心者、悩ませるカード技術。当然だがデッキ枚数を増やせば増やすだけキーカードが来る確率は減るし、ゼロ真理の魔法は相当に魅力的だが――。



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