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「1マナ:【堅牢剣者ァ!】アタック+1、防御力2の加護を与えるぅ!そうしてこのまま負けた者はカードを一枚奪われるぞ、これは遊びではない………。死ぬ事もある戦場、一枚奪われるのは死んでからだ、そうして何よりも生きている者もナ、カードという名のスポッターになれるんだヨ」ヒヒ、イヒヒヒヒ!
スポッター――それは命の7理を破棄した者で【概略理論者】という、それには前提条件があり――。
流れるその言葉と共にヤツに見せられるのは加島が、そうして雫までもがカードにされてしまう姿で。もしソレを奪われれば自由は無く「ぐぅうう!? 勇……、勇 さ――」「あぁヤダ……!? 勇、ユウぅぅうう――!?」
ソレを俺が持っていると「加島、雫ぅウウウ!? ハァ……ハァ……、お前、まさかコレが」「いやいやお前は……、何せむしろ1枚、きっとマズイのを隠しておるな――?」
その言葉に大粒の汗が流れる。
動揺を隠せない、とりあえず加島を助けるべく、だがしかしその肩を掴む手は強くて。
「待てよ若造……、わしをココで討てばナ、全てが終わりじゃぞう――?」
不気味な程の笑顔。リーダーを処分できれば勝ちだ、むしろ下っ端のモンスターなど何体倒しても意味がないと言う。例え千の軍勢を率いていようがそれが潰えたなら、そのたった1つの意志が消えたならば無に帰す召喚。
「そうしてワシは色んなカードを持っておるナ……、色んなナぁ………。例えばお主が今一番必要とするものや、あと、何より売ればあの幼馴染の娘を必ず買い戻せるものまでも」
驚愕する俺に何枚もの、何千枚ものカードが上から、ふと。眼に止まるんだ。そうだ止まってしまうんだよ。するとソレを見せてくる手、その瞬間にホワイト・アウト。
―――あの時の記憶がよみがえる―――。
教室が、見えた。光か……、光。
だがその瞬間ヤミが覆ったから。
「あぁ……アァ。なんだ……、この光景は。まさか召喚の――」
あの眼は、あの数は狂うんだよ。ヤメロヤメロォ!? 逃げている、逃げ惑って、駄目だ、また死ぬぞっ……このままじゃ、勇、いやぁあ!? 駄目、それは運命の……星。だからそれはまた繰り返すゾ、その輪廻を変えるには犠牲が
ハァ……ハァ……、ヤツは、まさか。じゃあこれは―――
だがその時、手に残った感触は。その俺が拾った物を掲げて
俺は
「クヒヒヒ、どうだ、欲しいだろうナ~。奴がした事――。貴様の力と宿命を。それを知るチャンスは今ここにあるのだ若造ヨぉ」
もう少しだった、荒い息を吐く、でも戻って来てしまい唇を噛みしめ。この男は底知れぬ力を持っている、だから勝てばもしかしたら今からでも覆せるかもしれない、やはり今は……、そうだ今すべきは。
「ぐぅ!? うぅぅ――、勇……、さん、勝って……、勝って下さい! 構わないで、今なら勝てます、そいつはまだ本気のカードを出せないから――ッ」
びしし、びぎぢ――ッ。グゥゥ!?
少女があえいだ。糸で締め上げられ血があふれ出す、だが確信の目をしている少女にあのジジィが舌打ちするから「加島……」それで俺は……、やはり助けに入るんだ、そのモンスターの糸の触手を斬りはらった。
その黒翼のヤイバで戦うのだ、少女がヨダレを垂らしえづいて、それでも加島は抱いていた剣を抜いて戦うから。ただマズイと。
「良い腕だ、良い腕……、ふひ、フヒヒ。初めて会った時から気づいておったよ、貴様のその概念をナ。だが……負けたんだよぉ、お前は。その少女を信じれんかったナ。見捨てれば良かったんだ、どうせソイツは」
なんだろ? ナァ よ、ルールじゃものなぁ。
「ハァ……ハァ……、い、いいや……、違う、まだだぞ……まだだ!」
ひしひしと嫌な予感を感じるんだろうな、だからそれをかき消すようカードを高く掲げ「じゃあ俺からも行くぞ、 を召喚っ! お前なら行けるはずだ、お前ならばこの状況でも――」
それは美しい だ。見た事ないほどに歪んで。俺の事を今もモンスターたらしめる、愛に無情で残酷で、そうして2真理でも激しい欲望が。未だ真なるではないが、それでも吹き飛ばして見せて。
「フフフ、ではコチラも召喚、真理4。出でよ……、思い出の現実、【立派な騎士】召喚ぅ!」
すると真理が一気に3つも消えるから、その瞬間に現れたその化け物に場が変わる。
「はぁ……はぁ……!? こんな、化け物が」
でも、こんなのありふれた名前だ。だってたくさん見て来たしたくさん聞いてきた、コモン、アンコモンで自分のデッキに入った事はなかったが。せめてレジェンドだとか暴格だとか全てを破壊するとか、そんな気の利いた言葉がなければ……。
「召喚術とは正にな、この小さきカードに如何にして凶キを詰め込めるかだ。お前……どこかで召喚を知ってはいるなァ?」
その薄っぺらい何かは面白いが――。
俺は立派な騎士の放つ剣を一度も避けれない、明らかに強いのだ、まるで狩りを行うように斬られる、切り裂かれる。加島が倒れた……、そうして俺も。
「うぐ……!? こんなに……、強い、フゥ……フゥ……」ウ――。
「じゃがしかしそれはコモンじゃよぉ、お前さんお望みのレアには程遠いわナぁ」その笑いにも返せない。だから腕が斬り飛ばされたんだ、強い……強すぎる。立派なんだ、立派な騎士なんだよ。
「おぃ……、その呪いの方は面倒だ、ヤメロ。幾らワシとてその羽は治せないナ。そうしてこれも、もう一つの試練となるぞ、その一つの腕はもらい受けるよ若造。あとで返してやるがなぁ……」
それでだよ?
わしの名はクモツヒゥラー。
その言葉に唇を噛んで泣き叫ぶ加島、必死に止める、その人形を弾いたが。
ただ俺の目の前で縦に彷徨っていた両目が一つになるんだ、見られてはいけない相手に。
時が、止まって。
ただその時だった、その動かない呪いの手にきたのはカードで「はぁ……はぁ……!? まさか、これはオマエ――」
その時カードが来るのだ。それは、それは絶対に覆す「ウォオオオオオオ!?」
力が膨れ上がる、無限に、たった一枚のカードで決まるキメる。カードと自分、そうして他の事象すらも、この世界の天地さえも切り裂き、それは巻き込むコンボとしての――。
そうだ切り開けよ。
「そう、これがお前との差だ、ワシらは――」
ヴツ―――「まだ戦うに値しない」
その言葉と共に放心。
なんとなく外を見やる。
光の差すセカイ、何も起こっていない、彼女は一切傷などなかった。左腕はまだあるし。だが……大汗が噴き出すから……。
時は戻しておいたナ、召喚術師のイクサを舐めるな――。
その眼にうなずく。きっと……、可能性のたくさんを纏めてもコレなんだよ、今のオレでは。
「どんな……、カードがあるんだ」
「世界はすごいぞ……。正に轟轟たるかな魑魅魍魎ヨぉ~。これを解き明かす事こそが使命だとナ。天、地、冥、火、風、水、共に駆け抜け、己が命は常に賭けられカードと歩き、カードと共に均質となるナ。お前の重さは常にカミとなるから――」
だが逃れ得ぬ、お前はイヤが応でもモンスターと進まねばならないナ、今一度言うゾ、孤独になるぞ――。
まるでそれはおとぎ話を愛した少年のようで、命の輝きを信じ抜き、それでいてもう彼の眼には命は映っていなくて。
手に入れたカードのデッキを握る俺は。
「でも力にはなるんだろ……、はぁ……、はぁ……、このモンスター召喚は。あの剣聖を倒せるほどにな」「うむ。だからこそナ、そればかりは他人のは使わん方がいいんだナ。モンスターだ、それはお前がイメージする獣なのだから」
愉快そうにその上下の目を揺らしていて。
そうして爺さんへと俺はその、唯一入っていた、くれる予定だったモンスターカードも返すのだ。ただただ、その手を伸ばし強く「そして……ワシはもう駄目だ……、ハァ……ハァ……、頼む、だからあのカードを最後に―――」
強い視線にうなずいた。崩れゆく老体を、彼はもう望みを託すしかない体。例え自らで希望をドローしてもだ。そうして礼儀などを教えて貰えてそのまま二人で出て行くが……。
また来い……――。
――――――――――――。
うなずいた。
あぁ……、神のいたずらか……、まさかな、まさかだよ。ふっ……ふふフッ――。あの世界にもまさか奴がいたとは。
だがそうなると、あの少女は……―――――ぁ。




