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あぁ鳥の声って異世界でも同じなんだな~とか、あとトンボもいるんだな。空は良い天気で非常に気持ち良いし、ここも紫外線ってあるのか?って言うと加島が笑うから。
彼女は剣を抱いてて俺は一応腰へと差して、ほぼほぼ原野風景を歩いていく。中世っぽくて牧歌的だ、でもやっぱりサッと黒が引かれる空は驚く物だがな。
ひとまず周辺の町に入る、ただ全然予想外の魔法世界を……。
「うひぃぃ―――。マジかよ、本当にこれがそうなのか?」「これ……、これは明らかにまずいのではないでしょうか、私たちではあまりにも格がですねぇ――」
目の前にあるのはそう、本当に一流の建物だったんだ。
科学力なら日本とは比べものにならないが、ただすぐに分かる、それは明らかに別格。でもだけども一応俺は召喚術師であり手札を増やさねばならないんだ。
ガランガラン!「いらっしゃいま……。 あの、 どちら様の紹介状を?」
そういうのでないと答えるとあからさまに嫌な顔をするから。カードショップと言ってもこれは全くの別物、別世界で。カードなんて全く見えないし高級な絨毯を敷いてて絢爛たるテーブルソファー。必要な物は厳重に保管されている形式だろうか、全く飾ってなどないな、ワクワクがないけど。本日の眼玉だけは羊皮紙にかかれているがエレガントで専用のスペースと執事とメイドが。
ただ唯一の類似点は風呂入ってないかとはまぁ、アレだが……「それで、カードを見せてくれないだろうか」「わたくし共は紹介制でありますので、少し……」えぇ。
「でも召喚術師なんだよ、そうなる予定なんで。あと何より基本を教えて欲しいから、頼むんだ、頼みます――」
ただその言葉にピクリともせずに首を振る姿、服装もだいぶ違うだろうし警戒されてるな。このままカードを手に入れる方法も知らず、ルールすらも分からずでは……。
「本当なんです……、きちんとカードに目覚めたんだよ。俺はそのスキルしか持ってないし、しかも人間が変異してしまったんだ、そんな事があるのかって事も知りたいっ!」
するとかざしたカードとその言葉に顔色を替えた、珍しがるから。枠が少し――。
「へぇェ――」そのカードをもらい取ればぴらっと手放してしまうのだ、馬鹿にしたような顔で。足で思いっきり「邪魔だぞ貧乏人――」
ぐじィ!「ぐぅう!? テメぇ――」「勇さん!? アナタ……何してっ、早く足をどけてッ!」
「あぁ……フフフ。汚いのでなぁ、間違って踏んでしまいましたわ、悪いなぁ~?」
踏みにじり舌を出す顔は完全に俺たちを舐めているだろう、髭でポマードが、痛む右手を、だがしかしヤツは屈強でありそのお目当てを悠々と「あぁ……、ふふふ。でもキミはどうだろうかぁ……? 良い奉公先を紹介しますが、どうだろう? そうすれば金にもなるしなぁ……、あとこの小汚い男に売ってやっても良いんだよ」
俺がその踏まれる右手の痛みをコントロール(やせ我慢)し外そうとするが、ヤツは足さばきで対応するんだ、傷めつける方法を知っている「その服……、特に良いな素晴らしい。何着あるか、それ……汚れても良いだろうか、美し過ぎる髪の毛と何よりその膨らんだ感じ、すごくすごく気に入られるぞぉ~」
目の奥で既にそれは始まっているから悪寒を覚えて剣を抱くんだ、しかし彼女はその踏まれた腕を見れば「おぉっとぉ」更にメり込むような――。
「ゆ、勇さん!? アナタ――それは天才なのよ、早くどきなさい、どいて!? 光輝く才能なのに」「ひ、光輝くぅ――。そ、それはあり得ないなぁ、この程度ではぁ……」
あまりに驚き今度は下げたオレの頭へと馬鹿にするよう指で煽って煽って、それで踏みつけるから、加島は助けを呼ぶが他のも知らんぷりで「ほーら、じゃあ言う事をしっかりと聞けば良いんだ、さもないとまた」
「……」その瞬間を見逃さず踏み込んでない足を払った俺は。
「お、オ!?」そうしてその加島に近づく手をすぐに払いのけ、大事なカードから足をどかすんだ。だがそうすると更に入れ替わるように屈強なのが動き――。
「あ、あのカードを売ってくれぇ……っ、どこだ、どこにいるんだい!? さもないとワシは死んでしまうんだ、早くしてくれぇえ!」
動いた屈強どもが俺らの前を通っていく、それはどう見ても浮浪者だったんだよ、挙動不審で薄汚くヒョロヒョロで、しかして物を壊してでも「あぁァ……、分かってる、聞こえておる、なんとしてでもアレを手に入れねばならないんだ、頼む……頼むよぉオオ!?」「カードの声か。オマエ……、また来たのか。もう来るなと言ったろうに、金もないんだろうがよぉっ!」
コブシを一撃、「しつこいなゴミが――。大体あれは先約があるんだよ、貴様には売らんと言ったろうに! この臭い虫けらめがっ!」
また殴りつける、だがそれでも求める眼はもう「だが、はぁ……はぁ……、もうワシには分からないんだ、嫌だ……、イヤだぁあ!? あれは魂でつなぎとめたカード、動けない……アレから離れる事はないんだぞっ、ワ、ワシは手に入れる……、いつか必ずアレを手にする夢を見たんだよ!」
さもないと――「ふふン、見たか? 馬鹿が……、あれと同じだ、貧乏人がカードなんぞできるかよ」
俺はソレに動悸がしていて。そのたった一枚を求めた男が吐き捨てられてくのを見せる店員は、何人も何人もを「オマエもああなれば良い……、ナァ、だからさっさと売った方が良いぞ~? ふひひヒ。じゃないとどうにもならないんだよ、手始めに俺が緊張を解きほぐそうじゃないか。優しくしてやるぞ~?」
加島の体をいやらしく撫でるから、そしてその胸へと「クソが、触るな! 願い下げだ――」
振り払って、そうして目をつぶって震えてる加島を引き寄せるから、出て行こうとするが。だがしかしそのカードショップの店員の目は「フヒヒ、構わんさ、早くしろよ。何せたった1枚のカードにしがみついて、それで貧乏人は死ぬんだよ――」
あ~~アレは何を見たんだろうなぁ、何を守れなかったんだろうなぁ。無様だよな~、全くぅ。
見下しながらも、その暴れる浮浪者をギッタンギッタンにしていく姿。
この世界の召喚術とは高貴なる魔術であってそれはたった1枚のカードが国家をも狂わせるから。1つの秘法が町を焼いて1000もの人を飲み込む、カード一枚を召喚する為に己が兄弟をも贄に捧げて。毎日のパンも服もその血をも捧げ。
それでもその門をくぐれるのは一部の選ばれた者たちのみ。
俺は……でも、幼馴染の為になんとかその門をこじ開けねばならないんだ――。
ガランガラン……、ばたン「あぁ……、クソっ。これじゃまともにカードも買えないのか、この1枚しかないのに俺は……」
「あの……、勇さん大丈夫ですか、すみませんでした。アナタの腕が私のリンの為に」「良いんだよ、こんな位べつにな」
覚悟はあった。そのままゴミどもは吐き出されてしまってて、もしかしたらこのショップが異常なのかもしれないが、ただ気がかりなのは――。
「あの、だけどでも本当に必要なら……私。ハァ……ハァ……、だってお金は大事ですよ、あの書いてあったのでも100万円とかが――」
「馬鹿ヤロウ加島――ッ。オマエ、そうだと思ったよ。だがそんなのいらないんだぞ、良いか……、俺は自分でなんとかするんだよ、お前はお前が助かる道を選べよっ!」
その言葉に首を振る少女。怒りたいが、ただ……、俺の腕は使い物にならず完全に無一文の今ではどうする事もできないとも。その胸で剣を抱き。
「多分ですけど……、それではどうにもできません。だって最初のスキルは流用が効かない部分があると……そう聞きましたよ、アナタはもう魔法にも転用しずらいんじゃって私」
「それは――」「剣も使えません、その呪いのツバサもまともでは決して。このまま行けばどうする事も」
唇を噛む。カードゲームとしゃれ込む響きでは決してないんだよな、この世界は全てが「そうじゃナ、そうじゃよぉ……。お前さんまさか召喚術師かぃ……? じゃあ、カードはあるのか~い?」「あぁ――いや? アンタはさっきの……」
俺の言葉にそのボロボロなのがうなずく。歯も抜けて汚くて頭もその……、それで少し異様な雰囲気だった。答えに迷っていると、じゃあついて来いと言うから。2人は見合うが……。
それでも俺の方が歩き出すんだ、ここで行かないと。そうして無言で町を歩き、そのまま町の外へ行く様子で「アイツ……、本気か。カードを知らないんだねぇ……」
ヤレヤレよな。
引き締まった筋肉、それの姿に目を細める。まぁ、関係ないかしらね……。




