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辺境の治癒士が竜姫と出会ったら ~癒しの魔法に女性たちはメロメロ!?~  作者: さとうはるか


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第二十四話  レイミアーズの戦い  1 ヒュドラ討伐


 僕の治癒の光に顔を赤らめたライラが、荷馬車の中で横になる。

 ライラは小さく声をあげた。


「あぅ……」


 喘ぎ声を抑えるかのように、自分の唇に手の甲をあてている。


「大丈夫、声を出してもいいようにドームで囲ってるから」

「そんなこと……言われても…だぞ――」


 ビクン、とライラが身体を震わせた。


「あンっ――」


 ライラが吐息を洩らす。その目にうっすらと涙がたまっている。


「大丈夫? 痛むかな?」

「痛くない……むしろ――」

「むしろ?」


 ライラが僕を小さく睨む。


「そんなこと言わせるなんて……ひどいんだぞ……」

「そんなひどい状況なの?」

「あぅン、くン――」


 何か言おうとして、ライラが首をのけぞらせる。


「あン……あふっ、うぅん……ふぅンっ――」


 子供がいやいやをするように、ライラは身をよじる。


「クィード……あン、あたし――おかしくなりそうだぞ……」

「大丈夫、心配しないで」

「あぁン、うン、んん――あ、はぁッん!」


 ライラが一際、大きな声をあげた。


「あっ――はっ、はっっ……あぁン――」

「もうすぐ終わるからね」

「……こんなに気持ちよくなるなんて……クィードは――やっぱりズルいんだぞ――」

「ごめんね」


 僕は苦笑して、赤くなってるライラに最後の治癒の光を浴びせた。


「ああぁぁンっっっ、んんッ、ン、んんぅんッ!」


 ライラが全身を弾ませると、その豊かな胸が服の中で大きく揺れる。

 そしてライラは身を横たえると、荒い息を吐き続けた。



△  △   △   △   △   △   △   △



 クィードがライラを連れて荷馬車に入ると、残されたプリシアとミシュレイはその後を眼で追った。


「ライラも――少しは反省したかな」

「いいんじゃないですか、元気があって」


 ミシュレイの言葉に、プリシアは笑って答える。

 ミシュレイは肩をすくめてみせた。と、笑顔でいたプリシアが、ミシュレイにそっと近づく。


「ところで、ミシュレイ」

「ん?」

「――昨夜、クィードと同じベッドで寝たんですね」


 バッ、と身を離すミシュレイ。その顔が赤くなっている。


「あ、あれは――ライラの寝相が悪かったから……」

「いいんですのよ、別に。……クィードとは、何もなかったんでしょう?」


 さらに顔を赤くして、手をおかしな方向に振り上げるミシュレイ。それを見て、プリシアはくすくすと笑った。


「やっぱり、ですか?」

「た……確かに――そうだが……」


 冷静さを保とうと、ミシュレイが眼鏡を押さえながら口を開く。


「クィードはねぇ……自制心の塊みたいな人なんですよね~。わたしがなんとなく、そんな感じにもっていっても、全然、その気にならないんですよお」

「き、君、天然じゃなくて、わざとか!?」

「最初は、人間界の慣習がホントによく判ってなかったんですけどね。けど、途中から、本当にクィードがその気になってくれないかな~って」


 プリシアはいたずらっぽい顔で微笑んだ。


「けど、ダメですね。クィードは、今は使命感が強くて、この使命が達成できるまでは、そんな気持ちにならないかも――です」

「君は……そんな気持ちなのか?」


 ミシュレイな、真面目な面持ちでプリシアに訊ねる。

 プリシアはうつむくと、小さく頷いた。


「多分……出会った時からですわ――」


 ミシュレイの瞳が――驚きに見開かれた。

 と、プリシアがにっこりと笑う。


「あ、けどミシュレイのことを邪険にしたりしませんの。わたし……クィードには龍王になってもらいたいと思ってます」

「り…龍王!?」


 ミシュレイが驚く。が、プリシアは笑顔で頷いた。


「はい! わたしが次期龍王かと思ってたんですが、クィードに引き継いでもらえばいいんだと最近、気付きました」

「そんなことが可能なのか? クィードは人間なんだぞ?」


 ミシュレイの言葉に、プリシアは少し歩きながら話す。


「可能なんです。過去にもそういう例があったって話を昔、お母様から聴かされたことがあって――素敵だなって、その時思ったんです。それを想い出しました」

「そんな例があったのか――」

「はい。龍王の娘を娶った人間の婿が、龍王から龍王核を授与されて龍王になったんです。実はこの例の方が、龍王が人間の嫁をめとるより、生まれた子供が竜の姿を持てる率が高いらしいです」


 プリシアの説明に、ミシュレイはただ驚いていた。

 と、プリシアは指をたてる。


「それでですね。龍王は特に王妃だけと結婚してるわけではなく、別妻と呼ばれる存在が他にいることも珍しくありません。先の人間なのに龍王になった方も、竜の本妻と人間の別妻がいたようですよ」


 プリシアの言葉に、ミシュレイははっとなって顔を赤らめる。


「な、何を言い出してるんだ、君は!」

「だからですね、わたしは龍王クィードに嫁ぐつもりですが、その傍にミシュレイがいても全然、構わないんですのよ」


 プリシアの言葉に、ミシュレイが顔を赤らめて絶句する。


「そ……そんなこと――ボクは考えてない! ……し」

「そうですか? わたしは……それが楽しそうだな、って今、思ってるんですけど?」


 プリシアは手を後ろで組むと、首を傾けて微笑を浮かべた。


「君って――天然に見えて、意外にそうじゃないな……」

「もしかしたら……ライラも仲間になるかも――ですねぇ」


 プリシアはミシュレイの言葉に答える代わりに、そう言って荷馬車を見つめる。

 ミシュレイは、なかでライラの治癒が行われている様子を思い浮かべながら、一人顔を赤らめた。


 すると、荷馬車からクィードが姿を現す。

 ミシュレイは思わず、その姿から眼を逸らした。


「ライラの治癒終わったよ。紋章の呪いより、ダメージはやっぱり軽いみたい」

「そうですか。ライラはどうしてるんです?」

「今は中で寝てる。それじゃあ、ギルドに戻ってパーティー名登録して、クエストを正式に受注してこよう。ミシュレイも、荷馬車に乗って」

「あ、あぁ……」


 ミシュレイは赤くなりながら、口数少なに荷馬車に乗り込んだ。



○  ○   ○   ○   ○   ○   ○   ○



 ライラの治癒を終えた僕らは、再びギルドへと戻ってきた。


「ライラ、起きてください。ギルドですよ」

「あ……うん? 寝てたんだ? あたし」


 寝ぼけ眼のライラにプリシアが微笑む。


「そうですよ、パーティー登録をしないと、です」

「あ~、そうか!」


 そう言うと、ライラはにっかりと笑った。


「仲間の証だもんな! 早くパーティー登録するんだぞ!」


 ライラはそう言うと、真っ先に荷馬車を降りた。


「やれやれ……さっきまでの静かな様子が嘘のようだ」


 ミシュレイがそうぼやくと、プリシアが笑う。

 僕も笑ってみせると、皆でギルドに入った。


「ところでパーティー名だけど……案はあるかな?」


 僕は皆に訊いた。僕は実は――一つ案があった。


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