↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の治癒士が竜姫と出会ったら ~癒しの魔法に女性たちはメロメロ!?~  作者: さとうはるか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/86

第二十話 滅竜攻団の陰謀  1 黒仮面卿との対峙


 地面に投げ出されたプリシアを助け起こす。プリシアは強気の顔で言った。


「大丈夫ですわ、不覚をとりました」

「僕もだよ。まったく――まだまだだね、僕ら」


 僕がそう言って笑うと、プリシアも微笑む。

 すると僕の攻撃で、内部にダメージを受けてるはずの鎖男チェインが、声をあげた。


「なんだか――仲がよさそうデ……ムカつくド!」


 チェインが、鎖を数本飛ばして来る。


「竜光剣!」


 その鎖をプリシアは、全部たたっ切った。


「来るのが判ってれば、どうという事ない攻撃ですわ」

「オデの鎖が……」


 チェインが鎖が斬られたことに呆然としてる間、ミシュレイは絵札の男ディカードと交戦を続けていた。


「水は変幻自在――その形を自由に変えられる!」


 カードに吸い込まれている二匹の竜が、急に網目状になって膨らんでいく。


「な――なんだと?」

「水刃球!」


 水竜は水球へと変化し、カードの縁をはみ出る。と、その水流が、ディカードを襲った。


「ム――これほど使えるとは!」


 襲い掛かる水の網を避けるため、ディカードが飛び退る。

 ディカードの背後にカードが現れたかと思うと、ディカードはその中に消えた。


「――何処から現れる?」


 僕らが油断なく周囲を見回していると、何処からともなく声が響き渡った。


「どうやらゲームの時間はお終いのようです」

「ゲームだと? 僕らはお前たちと遊ぶつもりはない!」


 僕が怒鳴り返すと、ディカードの声が返ってきた。


「残念ですねぇ、ぼくはもう少し遊んでいたかったんですが――君たちは野放しするには、充分に危険と判断されました」


 なんだこいつ? 誰が判断をしたって?


「危ない、クィード!」


 プリシアの声がして、プリシアが竜光剣で僕の背後に迫った何かを斬った。

 僕は驚いて振り返る。――それは、影だった。


「なんだ!?」

「――奴だ!」


 ミシュレイが険しい顔で、声をあげた。

 不意に僕らの前に、一枚の巨大なカードが現れる。


 そのカードが開くと、中から――黒仮面卿が現れた。

 

「ジャルドー!」


 ミシュレイが黒仮面卿を睨む。プリシアも険しい顔で、黒仮面を見ていた。

 その黒仮面には、真っ黒な仮面に赤い吊り上がった眼だけが刻印されている

 その眼が、ぼんやりと光った。


「シュラ……よもや、お前が生きていようとは思わなんだぞ」


 黒仮面卿ジャルドーは、低い声でそう声を出した。

 ミシュレイは、ぎり、と歯噛みをする。


「その名でボクを呼ぶな……。よくもボクに偽の記憶を植え付け、母さんの思い出を汚したな。絶対に許さないぞ、ジャルドー!」

「父親代わりにお前を育ててきたというのに」


 黒仮面卿が掌を前にかざす。

 すると、伸びてきた影が立ち上がり、ミシュレイに襲いかかった。


「クッ!」


 ミシュレイが薙刀を振る。しかしその薙刀の刃は、向かって来た影を通過してしまった。

 逆に向かって来た影はそのままミシュレイの首を掴み、地面から掲げるように締め上げた。


「ミシュレイ!」

「ぐぅ……う――」


 ミシュレイが苦しんでいる。僕は動こうとしたが、それより早くそこに光線が走った。


「竜閃光!」


 プリシアの放った光線が、ミシュレイの首を掴む影の腕を分断した。

 さらにプリシアはそこに突っ込み、光の剣で影を斬る。


 どさり、とミシュレイが地面に降りる。

 首を押さえながら、ミシュレイが言った。


「すまない、プリシア」

「どうやら、わたしの方が相性がいいようですわ」


 プリシアはさらに光の剣を、槍の形に変える。

 光の槍を構えて、プリシアは声をあげた。


「竜光槍! ……黒仮面卿、お父様が何処にいるのか言いなさい!」


 黒仮面卿は黙っている。

 プリシアは黒仮面卿ジャルドーに襲いかかった。


「よくも村を襲い――わたしを傷つけましたね! 許しませんわ!」

「お前たち竜は害獣だ。害獣を駆除するのは、当然のことだ」


 プリシアの光の槍の攻撃を、ジャルドーは影の剣で受ける。

 と、その足元から影が伸びて、プリシアに掴みかかった。


 影はプリシアの両腕を掴むと、その背後にまとわりつくようにまわりこむ。

 腕を取られ、プリシアが動けなくなっている。


「プリシア!」


 僕がそこに行こうとした瞬間、頭上から振って来る気配を感じ僕はかわした。

 地面に轟音をたてて、極太の鎖が叩きつけられる。


「オデの鎖で……シバるぅウウウウッ!」


 鎖の間から見える口を開け、チェインが大声をあげた。

 鎖がさらにチェインの背後から飛んできて、僕に襲いかかる。


「小気旋!」


 気流渦をつくってその攻撃を凌ぐが、影に捉えられて動けなくなったプリシアに、ジャルドーが迫っていた。

 ジャルドーが影の剣を振り上げた時、その身体に水竜が襲い掛かる。


「水竜突閃破!」

「ムッ!」


 ジャルドーがプリシアから影を戻し、水竜への防御へと使った。

 影は両腕をクロスさせ、水竜の攻撃に耐えている。


「――なかなか状況が拮抗してますねぇ」


 余裕ありげな声を出したのは、ディカードだ。

 ディカードはブレッカーの柄による突きをかわす。と、ブレッカーはさらに後ろ回し蹴りを放った。


 しかしその蹴りが当たった、と思った瞬間、ディカードの姿はない。

 代わりにバラバラと数枚のカードが地面に落ちた。


「変わり身か!?」

「カードは、トリックが信条でしてね」


 既に離れた場所に立つディカードが、カードを一枚投げる。

 と、それはブレッカーが鞘から抜き切らない剣で防御する手前で、爆発を起こした。


「うわぁっ!」

「ククク……いかがです? カード爆弾の味は」


 ディカードはカードの束を折り曲げると、そこから弾丸のようにカードを連射してきた。


「まずい!」


 あれが全部爆発したら、ブレッカーが大変なことになる。

 僕は駆け出して、両腕で∞の形に気流渦を作る。


「気流渦、無限の型!」


 飛んできたカードが気流渦に巻き込まれ、その全てがディカードへと流し戻された。


「なんですって……?」


 ディカードの目の前で、カードが連続爆発を起こす。

 僕は爆発のダメージを負ったブレッカー訊いた。


「大丈夫ですか、ブレッカーさん!?」

「くそ……面目ねえな――」


 見るとブレッカーの左の拳まで血まみれになってる。爆発を庇った時に、負傷したのだと悟った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。