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天使な悪魔の絶対運命  作者: みきもり拾二
◆【第四章】天使の卵
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(三)チームワーク:交戦!

「『ウラアァァァァ! ドリャアアアアア! 吹き飛んでろ、クソがあああ!!』」

「『信術解! 絶対凍結!』」


 双破と矢茨の二人は、少しずつ前進しているようだ。

 戦闘が長引くと、単純に体力の消耗で疲れると思うが、二人は本当によくやっていると思う。しかも単独だ。


「副会長、そこの路地を入ってください。真っすぐ行けばオープンカフェです」

「オッケー! ハノンちゃん、周りには注意してね!」

「はいですの!」


 臨時補佐代理が元気よく返事をする。まるで飼い犬のような反応で、頭の犬耳と、お尻についた小さな尻尾がパタパタ動くのが、結構可愛い。


「臨時補佐代理は、精霊魔術使えるの?」


 俺の問いかけに、臨時補佐代理がキッと睨み返してくる。


「わたくしに馴れ馴れしく話しかけてほしくないですの!」


 そう言い捨てると、プイッとばかりにそっぽを向く。

 ああヤバイ。相手にしてほしくないんだったな。


「そういうナットくんはどうなの? 魔物を一人で撃退した超有能精霊魔術師さんでしょ?」

「えっと……まあ、コイツの気分次第なんで」


 言いつつ、俺の精霊プリズムを指差して見せる。


「あはっ、何ソレ? じゃあ今日は、気分が良い日でありますように」


 副会長が屈託のない笑みを浮かべる。結構リアクションのいい人だ。


「それより、路地を抜けた辺りに少しだけ混沌反応が伸びてきているので、気をつけてください!」

「オッケー! 慎重に行きましょ」


 頷くと、副会長は走る速度を落とした。長弓を構え、建物に沿うように身体を寄せる。

 臨時補佐代理も真剣な顔つきで副会長に習う。俺もゆっくりと二人の後を追った。


「『出てくる花の部分は凍らせてますけど、なかなか数が減りません』」

「『クッソ! ウゼエ!! 切っても切っても出てきやがる!!』」

「『矢茨、双破、指示通りに合流を優先しろ。交差点前の正面玄関付近まで移動するんだ』」

「『うっせー! 邪魔になるだけだ!』」


 矢茨と双破の方は、魔物の攻撃が熾烈さを増しているようだ。

 こちらにも現れたなら、どんな状況になるか……。できれば本体を見つけるまでは、交戦を避けたいところだ。


 そんなことを思っていると、先頭を行く副会長が足を止めた。


「あそこの地面を見て。……イーマル百貨店の方からひび割れが伸びてきてるみたい」

「たしかに、そうですね」


 路地からオープンカフェに出るあたり、地面が黒くひび割れている。

 スマホと見比べてみると、ちょうどひび割れが伸びている付近に混沌反応が出ていた。


「もしかするとあそこに魔物の一部が……」


 言いかけた時だった。ひび割れから「バキバキバキ!」と硬いものが砕けるような音が響いてきた!


「ふゃっ!?」


 俺の前を行く臨時補佐代理が妙な声を上げて一歩後退る。まるで危険を察知したかのように、大きな犬耳を後ろに引き絞っている。


「どうやらお出ましのようね! 八百万の御霊よ!」


 副会長が足を止めて弓を引き絞ったその時!


「キヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」


 ひび割れた地中から奇声をあげて黒い何かが飛び出して来た!


「破魔の炎となりて浄化の力を!」


 副会長が矢を解き放つと同時、精霊プリズムが赤色に煌めいて、放たれた矢が炎を纏う! そのまま一筋の流星となって、飛び出してきた黒い魔物に命中した!


「ゲヒャッ!!! ゲヒャヒャッ!!!」


 耳を塞ぎたくなるような気味の悪い呻き声を上げて、魔物がのたうち回る! 双破が言っていた通り、黒い靄を纏ったバラの花ような姿をしていた。


「副会長、まだいます!」


 のたうち回る魔物の向こう、すぐに次の黒いバラが姿を現していた。


「こういうことね! 確かに面倒だわ! 八百万の御霊よ!」


 さっきまでのたうち回っていた魔物はピクリとも動かなくなると、黒い靄となって霧散する。次に現れた魔物は、それを意に介する様子もなく、こちらに向かって猛然と襲い掛かって来た!


「破魔の炎となりて浄化の力を!」


 再び、一筋の流星の如く、火矢が飛ぶ。今度も狙い過たず、魔物に突き刺さる!


「ギィヤアアッ! ゲヘッ!」


 もんどり打って倒れこむ魔物の向こう、すでに次の魔物が地中から姿を現している。これはマジで、キリがなさそうだ。


 そんなことを考えていると、ヒュンと風を切って、黒い何かが飛んできた。


「うわっと!」

「遠距離攻撃!? 面倒ね!」


 どうやら魔物がトゲを飛ばしてきたらしい!




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