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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両
四章

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99/120

99 町までの早駆け

「レゴラ! おい。大丈夫なのか」

「あ、あれ? イリナも痛いの」

「いたたたたっ! ボクも痛くなってきた」

(あっ、これって、もしかしてミルベラ食べたからじゃないか?)


 レゴラとイリナ達は幼虫を誘因するためにミルベラを一緒になって食べていた。


(どうしよう。生産の時の項目に毒とは書いてなかったよな?)

「落ち着くのよダーリン。ビースナス、ダーリンはどうやらミルベラを食べた事が原因なんじゃないかって言ってるわ」

「なるほど、それはあるかもしれません。ティト様に腹痛に聞く薬草を出してもらいましょう。ただ、応急処置なのですぐに町に向かった方がいいと思われます」


 ビースナスの提案はすぐに受け入れられた。

 元々、荷物がほとんど無かった事もあり、レゴラもジュラもすぐに馬車に乗る。


「では出発します。おじいさんとブリゼは本当に残るのですか?」

「ワシは、この村の最後として、やる事があるのじゃ」

「オラはおじいさんを見届けてから行くだよ。行先はコムトの町でいんだな?」

「はい。コムトの町で見てもらうつもりです」


 それだけを言って馬車は走り出す。

 馬車でスピードを出すので、衝撃を押さえるために俺はスライムベットになる。

 一日経過した頃、イリナとノエルの体調が回復し始めた。

 しかし、レゴラの体調は悪いままで、少し熱もあった。


「すみません。三時間だけ休憩します」


 馬車を動かせるのはビースナスだけなので、どうしても止まらなければいけない瞬間がある。

 食事は取っている時間を省きたいのと、腹痛が原因のために、久しぶりのスライム蜜だ。

 最初は警戒していたジュラも一口で虜にした。

 さすが【甘露】やはり最強だ。


 走り始めて三日、町に入ると診療所に行く。

 イリナとノエルはほとんど回復していたが、念のために見てもらった。


「ミルベラを食べたのですね……念のためにこちらの薬を飲んでください」

「わかったの。――っ! 苦いの!」

「本当だねー。これは苦いよ」


 診療所に着いて処置を終えると、レゴラも意識を取り戻したので、もう大丈夫そうだ。

 三人が診察を受けている間に、俺はビースナスを労いに行く。


(お疲れ様。無理させてごめんなー)

「ダーリンがお礼を言っているわ」

「いいえ。間に合ってよかったです。ですが、さすがに疲れました」

(ならビースナスもしっかり休まないとな!)

「なっ、ティト様? これは……ティト様は意外と強引なのですね」


 俺は来る時と同じように馬車の荷台でスライムベットになり、ビースナスを包んでやる。

 疲れているのは本当だったようで、ベットの柔らかさもあり、ビースナスはすぐに眠ってしまった。


(念のために周囲の安全は見ておかないとなー)


 そのまま、診療所に一泊する。

 次の日、イリナとノエルは晴れて退院した。


「レゴラも明日には退院できるね。今日はどうしようか」

「お肉なの!」

「俺はレゴラの様子を見てるよ」

「私は宿の手配をいたします」

「熊男は歩きでしょ? この町まで来るには五日以上は掛かりそうよねー」

「久しぶりに冒険者の仕事でもしようか?」

(良いかもしれないな。あとでギルドを覗いてみよう)


 一日待って、レゴラの退院後にギルドに顔を出す。

 レゴラもジュラも冒険者の登録していないが、宿で待っているかと聞いたところ、暇なので一緒に来た。


「ジュラとレゴラは冒険者になっておきますか?」

「わかんねぇ。じいちゃんが来てからゆっくり決めたいけど、ブリゼが嫌じゃなければ俺は商人の手伝いをしたい」

「私はヘケ様の様子が見たいな」

(幼虫はブリゼに預けてるんだっけな)


 ギルドに来た俺たちは、受付で登録を更新する。

 冒険者ギルドは領ごと派閥、と言うか支部が違うので移動した場合に登録を更新する義務がある。

 ビースナスもそうだが、毎回カードを見た受付嬢がビースナスの顔を二度見して、謝ると言う流れが起きる。

 さすがは紫の最上級狼の紋章だけあると言うことだ。


「ビースナス様、ギルド長に会っていただけないでしょうか?」

「私はイリナ様の護衛の仕事を受けています。イリナ様達も一緒でよろしいのでしたら聞きましょう」

「しばらくお待ちください」


 受付嬢が奥に下がる。

 ビースナスは限りなく断りの意味も込めて「イリナと一緒じゃなければ聞かない」と言ったようだ。

 それでも食い下がった受付嬢に、面を食らった顔をしていた。


「お待たせしました。こちらへお越しください」


 横を見るとビースナスが面倒くさい事になったぞと言う顔をしていた。


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