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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両


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9 まずは出来ることを

 包み込んだ俺がまず感じたのは、圧倒的な魔力の奔流だった。

 蛇口の水を手で止めようとした時のような、どうにもならない反発力。

 そして、吸収するつもりもないのに流れ込んできて上がるレベルアップに音だった。 

 スライムが弱いとはいえ、俺の最大量の何十倍以上はあると思う量が溢れ出ている。


(うっっまっ!って、そうじゃない、まずは体を温めないと! しかし、質も量もヤバすぎる。魔力が暴走している状態なのかな?)


 少女の魔力に翻弄されながらも、間違っても消化しないように慎重に、体に着いた水分のみを吸収していく。

 すると、それだけでも効果があったようで、少女の震えが収まった。


(よし! あとは⋯⋯って、どうするよ俺!)


 少女を包み込んだままでは移動は出来ない。

 かといって少女から離れるのは危険だとスライムの勘が告げている。


(困ったぞ。今なら限定スキルを使って薬草は探がせるけど、この娘から離れて悠長に探し回ってたら、この娘がもたない気がする。)


 動かずに出来ることは魔力探知くらいだ。

 まずは、まだ鑑定した事の無い草木を探してみる。


(あれはまだ鑑定してないな。届くか?)


 粘力で体の一部を伸ばして触れられる草や木を片っ端から、限定スキルで鑑定していく。

 しかし、それらしい薬草は見つから無かった。


(くそー、駄目か!⋯⋯そうだ、この娘の持ち物は? 鞄とかないか?)


 少女を助けた時は、必死だったため周りを見る余裕はなかった。

 もし鞄でもあれば、中に薬が入っている可能性もある。

 もう一度、少女が引っかかっていた周辺を調べてみる。

 すると、少し小さいがショルダーバッグが落ちていた。


(あるじゃん! ごめん、物色するよ)


 少女に謝罪をして、念力で体の先を細長く伸ばすと、鞄の中を探っていく。

 中に入っていたのは、着替えやタオル、紙に包まれた干し肉に、僅かな硬貨と宝石、そして⋯⋯。


(割れてる!)


 割れてしまったポーションらしき瓶だった。

 瓶の底に微かに残ってはいるが、そんな数滴程度の量では効果がないのはあきらかだ。


(そもそも、本当にポーションだったかもわからないし。鑑定、出来きないかな?)


 自然物ではないし、スキルで鑑定できるとは思えないが、落胆しかけた自分を奮い立たせるように、藁にも縋る思いでポーションを鑑定する。


 すると⋯⋯。



 鑑定失敗


 鑑定失敗


 鑑定成功

 結果:ユウマ草

 ポーション作成時に入れる事で素材同士の魔力的反発を抑え、馴染ませる事が出来る薬草。


 ユウマ草を吸収して、自然スライム【味覚の調停草】に進化しますか?

 YES/NO


 鑑定成功

 結果:ブース草

 ポーション作成時に入れる事で他の素材の効果を高めてくれる薬草。


 ブース草を吸収して、自然スライム【奇跡の隠し味】に進化しますか?

 YES/NO


 鑑定成功

 結果:忘れられし古代の葉

 はるか昔に存在していた、名の忘れられた古代の葉。

 今では限られた数しか存在していない貴重な調合素材。

 潜在的な力を引き上げ、自己治癒能力を上げる事ができる万能の葉。


 忘れられし太古の葉を吸収して、自然スライム【名前募集中!】に進化しますか?

 YES/NO


 鑑定失敗


 鑑定失敗



(鑑定出来た!?)


 ポーションの様に合成されたものでも、中に自然物が使われている場合は個別で鑑定出来るようだ。

 いくつか失敗していたのは、恐らく植物系統では無かったのだろう。


 しかし、スキルには感心させられたが、予想外にわかった鑑定結果は喜ばしいものではなかった。

 まさにポーションだった瓶は割れてしまっている上に、鑑定で唯一効果のあるとわかった葉は、説明を読む限りでは、この森に自生している可能性が低い。


(とりあえず、スライム蜜を飲ませよう。栄養があるらしいし体力の回復の助けにはなるはずだよね)


 ストロー上にした先を、少女の口に入れてスライム蜜をゆっくり流し込む。

 むせないか心配したが、少女は無事に密を飲んでくれた。

 それから、少女の持ち物の中に入っていたタオルを、川で濡らすと額に乗せる。


 そこでまたレベルアップの音がした。

 スキルを使うと、減った分が流れ込んで来るようで魔力の吸収量が一時的に増えてしまうようだ。


(元々が溢れ出ている魔力とはいえ、心苦しいよなー。でも今は頼るしかなさそうだし、ごめんね)


 スキルをフルで使っても賄い切れるほど少女からは魔力が溢れているが、吸収する事で少女の容態が悪化してはまずい。

 しかし、このまま何もしないという選択肢はとれない。

 使ってもグングン回復する魔力を頼りに、念力をフルに使って少女を運ぶ。


(日が暮れそうだし、まずは安全確保しないと!)


 目指すは、薬草を探すために魔力探知を広げた時に見つけた、川の近くの崖の窪みだ。

 森で生活しているから知っているが、この森には肉食獣もかなり住んでいる。

 ただのスライムには興味が無かったようで安全だったが、少女には脅威でしかない。


(まぁ、今の【甘露】の俺にとっても脅威なんだけどね!)


 少女を連れて窪みに這い入り、近くの茂みの枝を折って外から見えないようにする。


(まずはこの夜を乗り切ろう)


 俺は気合いを入れると前方に向かって魔力探知を発動した。

読んでいただきありがとうございます。

それだけで嬉しいです。



ついでに評価もしていただけると最高です(ボソ)

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