10 停滞と決断
(くそー! 効率が悪すぎる)
あれから2日が経ったが、それらしい薬草は見つけられていない。
少女の意識も戻らず、熱もいまだに下がる気配がない。
はっきり言って、少女を抱えて移動しながらの探索は上手くはいっていない。
理由は遅いの一言に尽きる。
(レベルばっかり上がって⋯⋯。これで少女を助けられなかったらただの寄生だよ。何か別の方法を考えるしかないのか?)
スキルの使用で吸収した魔力でかなりレベルが上がってしまっている。
無駄遣いしているわけではないが、体の負担になっていることは明らかだ。
今の現状に限界を感じてきている中、何か打開策はないかと、ステータスを開いて眺める。
種族: 森スライム【甘露】
レベル 36
体内魔力量 1780
スキル
生産 E
スライム蜜生成 E
吸収 E
消化 H
貯蔵 D
粘力 D
魔力探知 D
スキルポイント 0
ユニークスキル
現状把握 A
限定スキル
自然物鑑定吸収 A
(レベルは上がってるけど、スキルポイントはまだ得られてないな。正直、手詰まりだわ。⋯⋯やっぱりコレでも飲ませてみるか?)
俺は体の中に留めてあった、瓶から取り出していた僅かに残っていたポーションを見る。
入っていた成分が熱に効きそうな事はわかっているが、瓶に残っていた量は数滴。
効き目が出るかは賭けでしかない。
(効果あるかなー? 時間稼ぎくらいはできるかもだけど、根本的な解決にはならないよな。だとすると、後はコレを使って俺が進化する⋯⋯かー)
再度、限定スキルを使い、ポーションの鑑定結果の中の忘れられし太古の葉の項目を見る。
鑑定の説明通りなら、太古の葉には自己治癒能力を高める効果があるはずだ。
【甘露】になってスライム密が作れるようになったのなら、【名前募集中】に進化すれば、その能力を持ったスライム液が生成出来るはずだ。
(自然スライムかー)
少女を助けたい気持ちはあるが、踏ん切りがつかないでいるのも事実だ。
自然スライムに進化してしまえば、最終的には自然と同化していく。
それは死ではないのか?
なってみなければ想像もできない未来に踏み込めないでいるのが現状だ。
進化をキャンセルした時点から、なるだろうとは思っていても、まさかこんなに早く決断を迫られるとは思ってもいなかったのだ。
(ああー。もう! 悩んでる場合かー! 少女を見捨ててスライムとして生きるなんて、いまさら出来るわけ無いってわかってるだろ! 俺!)
少女を川から引っ張った後に、助けられた喜びとは別で気持ちが高まった事に気が付いていた。
それは人と会話できるかもしれないという喜びに他ならない。
結局、スライムになっていても俺は一人が寂しかったのだ。
(⋯⋯考えるまでもないか。出来る事をしないでまた一人になるくらいなら、全力で助けて立派な木になる方が良いに決まってるよな!)
覚悟が決まった。
(少女を助ける、甘くて美味しい最高の良薬を作ってやろうじゃないか!)
念のために少女を体から出して距離を取る。
そして、俺は自然スライム【名前募集中】への進化にYESを送った。
読んでいただきありがとうございます。
毎回、短めで申し訳ありません。
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