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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両


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8 スキルが低いから出来ること

 魔力探知で発見した場所までは距離がある。

 相手が生物だったとしても、向こうに気づかれる可能性は低い。

⋯⋯と信じたい。


(大丈夫。こっちに気づいてる感じはしないし、このまま離れて様子見していれば⋯⋯ってあれ? なんだか弱っていってる?)


 遠すぎて魔力探知で伝わってくる感覚は鈍いが、少しずつ弱っている感覚がする。


(捕食されてるとかじゃないよな?)


 嫌な考えが一瞬浮かんだが、魔力の反応は一つなのでその可能性はないだろう。


(うーん、なんだろう異様に気になる。近づけばもう少し詳細がわかるだろうけど⋯⋯)


 放置するのは見捨てた様な気がして後味悪い。

 なぜか、そう思えて自分の中のスライムの直感に困惑する。

 判断は迷うが、発見した場所までは距離がある。

 向かうなら早くしないと駄目だ。


(気づかれないように近づいて、様子だけでも見てみるか)


 手頃な毒キノコを忘れずに被ると、魔力探知で感じた場所に向かう事にした。


(おっ、結構早く移動できるようになったんじゃないか? あの大自然スライムでレベルもかなり上がったみたいだし、これなら相手によっては逃げる事も出来そうかな? いや、やっぱり無理か)


 速度としては人の歩くスピードくらいにはなったが、普通に遅い。

 元が遅すぎたせいで早くなったと勘違いしてしまいそうになった。

 このペースだと到着には時間がかかりそうだ。

 移動中に、近づいては探知で確認する、を繰り返していると少しずつ精度が上がっていく。


(あれ。思ってた以上に反応の主は小さい? 猫よりは大きいけど⋯⋯鹿くらいかな?)


 魔力の大きさから巨大生物だと予想していたが、実際はかなり小さいそうだ。


(あと少し! あと少し!)


 近づくにつれて、なぜか焦りが募る。

 助けるつもり満々で移動しているのに間に合わなかったどうしよう。

 そんなもどかしさがを感じながら、この距離なら精度を落とさずに確認できる位置まで近づいた。

 すぐに魔力探知でその姿を確認したが、予想外の姿に俺は驚く。


(えっ、女の子? うわぁ、思ってたよりだいぶ危ない状況じゃないか!)


 女の子は流れの早い川の縁にギリギリ引っかかっている状態だ。


(ヤバい!いつ流されてもおかしくないぞ!)


 魔力探知で先に確認していた為、俺と少女との距離はまだある。

 もし、いま流されてしまってはどうしようもない。

 被っていたキノコを捨てると、素早くステータスを開いてスキルの粘力にスキルポイントを振る。

 歩きから早足に上がったスピードで少女の元へ急ぐ。

 まさに流されるギリギリのところで、俺は少女の袖を掴む事に成功した。


(ぬおぉぉぉぉ! 重いーー!)


 ポイントを振ったところで所詮は弱々なスライム。

 すぐに引き上げることも出来ずに、悪戦苦闘しながら時間を掛けてなんとか少女を川から引き離す。


(ポイント使うの忘れててよかったー。粘力に振れなかったら持ち上げられなかったし、そもそも間に合わなかったよ)


 改めて確認すると少女はかなり幼いように見えた。

 そして、二つに結ばれた輝く様な緑色の髪と、しっかりと主張する尖った耳。


(エルフだ! うわぁー、ファンタジーって感じだな⋯⋯って、そんな事より容態を確認しなきゃ。もしもーし)


 骨折などの怪我をしていた場合、下手に揺するのは危険だ。

 魔力探知を強めて容態を探りながら声をかけてみるが、少女は意識を取り戻さない。


(くぅー。この娘の魔力が強すぎるせい魔力探知を強めると眩しい。幸い怪我はしてないっぽいけど、熱があるみたいだな)


 少女は小刻みに震えていて、顔も赤くなっていた。


(とにかく濡れた体を乾かしたほうが良いよね。ちょっとゴメンね)


 そう思って少女を包み込もうとして一瞬止まる。


(もしもしポリスメン! 案件かー)


 そんな風にフザケてみたが、スライムになった影響からか、少女を包み込む事にやましさも抵抗もなかった。

 しかし、逆にその事が俺の中の前世のスライムのイメージを刺激した。


(勝手に消化とかしないよな?)


 ステータスを開いて消化力を見る。

 消化力は、まだお肌に優しい弱酸性だった。


(弱さがこんな所で役に立つなんてなー)


 弱さも捨てたもんじゃない。

 そう思いながら俺は慎重に女の子を包み込んだ。

読んでいただきありがとうございます。

それだけで嬉しさ爆発です。

よかったら、評価もしていってください。


さらに爆発します。

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