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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両
三章

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54 調合素材の薬草を求めて

 素材採取の依頼はもうギルドに出ていると言うことなので、ギルドに戻って受付のお姉さんにシャナさんの依頼を出してもらって受ける。

 イリナのランクではそれほど選べなかったが、エリス大森林に薬草採取の依頼がいくつか出ていた。

 その中でも、俺の吸収した事ない薬草を選ぶ。

 浅い麓での採取だが、奇しくもあの森に戻ることになった。

 森の魔力を吸収出来れば、それだけでも今のエステルにとっては良いことだろう。


 ダレンさんに依頼の話を通して、街から外に出る。

 正直、ダレンさん達は大喜びだった。

 俺達の護衛で街の外に出られなかったダレンさん達は、実際かなり暇だったのだろう。


 ダレンさんが、ちょうど依頼で示された場所の近くを通る荷馬車を見つけてくれたので、乗せてもらう事になった。

 馬車に比べてゆっくりだったが、エステルの事で落ち込んでいたので、皆にも丁度いい気分転換になった。


『私が言わなかっただけなんだから、ダーリンは気にしなくてもいいのよ?』


 エステルはそう言うが、最近のエステルはあまり擬似枝から出てきていなかった。

 たまに出て来ても、つねに眠そうにしている事が多かったのだ。


 異変に気づくチャンスはあった。

 気にしなくて良いと言われても、俺には魔力探知で相手の状態を感じとる能力もあったのだ。

 それなのに仲間の異変に気が付かなかった事は、正直言って結構ヘコむ。

 新しい街や依頼で浮かれていたのは確かだし、少し戒めるくらいは許して欲しい。


『叱ってくれればいいのに、ダーリンのその気持ちが一番私には効くわ⋯⋯』


 そう伝えてきたエステルの声は、申し訳なさそうで、それでいて穏やかだった。


「すまんなー。ここでお別れじゃ」

「おう。爺さんありがとうよ。気をつけてな」

「ありがとなのー」


 森と別の場所に続く分かれ道で、荷馬車から降りておじいさんに手を振って別れた。

 森に向かって歩き出すと、イリナの背中のリュックが揺れる。

 街では使う事が無く、ずっと館に置きっぱなしになっていた、あの大き目のリュックだ。


「採取なの~! キャンプでご飯なの~!」


 上機嫌で歌うイリナは、もうご飯の事を考えているようで、皆から笑いがこぼれる。

 実は、テントやランタンはダレンさんのパーティーが用意して持っているので、イリナのリュックには干し肉と鍋くらいしか入っていない。

 行きよりもむしろ帰る時に、採取した薬草類を入れる時に役立つだろう。


「イリナ、ノエル、はい、お水。あとダレンさん達にも」

「おお、すまねぇ⋯⋯って言うか、マジでティトは便利だな。これだけで旅がめちゃくちゃ楽になるぞ」


 俺はおじいさんと別れたので、生産でグラシーの実を出して皆に配る。

 中身の水は、ちょうど一人分くらいの量に調節してあるので、飲んだら捨ててしまってOKだ。

 元が植物なのでそのうち自然に返るから森を汚さない。

 現代の日本にも欲しい実だ。


「それだけじゃないよ。ティトが生産しているからか、飲んだだけで少し魔力も回復したみたいなんだ」

「うおっ、やべぇなそれ!」

「ティトは渡さないの!」


 魔道士のシャクさんも驚いている。

 するとイリナが俺を抱き上げる。

 ダレンさんから隠す様にするイリナに、ダレンさん達は顔を見合わせて肩をすくめて笑った。


 しばらく和気あいあいに歩いていると、薬草の生息域に着いた。

 さっそく皆で手分けして採取を始める。


「⋯⋯って、全然ねぇーじゃねぇーか」

「ないのー!」

「可怪しいな。そこまで珍しい植物でもないんだが。ギルドの生息地の情報が間違っている可能性は低いはずだしなー」


 ダレンさんが頭を掻きながらそんな事を言っていた。

 しばらく手分けして探してみたが、一向に見つかる気配は無い。

 取り尽くされてしまったのだろうか?


(本当に全然ない。現物が在れば魔力探知でもっと正確に探せるだろうけど、今の段階では厳しいな)

「って、言うか私の感覚ではまったく無いわね」


 森に入ったことで外に出ているエステルも無いと断言した。

 そこで俺は何か無いかと魔力探知を広域に広げてみる。

 すると、近くに村があることに気が付いた。


(村があるみたいだ。そこで一度話を聞いてみよう)

—変更点—


 エピソード49のギルドカードの設定の色の説明を少し変更しました。

  1.失敗や違反で黒の評価を受ける。


  2.カードの紋章の周りには輪が描かれていて、受けた依頼内容の色で、その輪が端から染まっていき、一周すると昇格の試験と審査が受けられる。

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