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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両
三章

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49 新たな依頼

 水路掃除の依頼をこなしてから二日休みを取った。

 休みの間も相変わらずのイリナは市場で食い倒れをしていて、お店の人とはすっかり顔馴染みだ。


 そして、休みが終わるとギルドで新しい依頼を受けた。

 イリナは新人なのでギルドの証は紋章部分は空白で、その周りの白い輪が少し黄色に染まっているだけだ。

 よって、受けられる内容は殆どが雑用になる。


 冒険者の証はカードになっているが、裏に描かれた紋章の形とそれを囲む輪の色でランクがわかるようになっている。


 輪の色は貢献の種類で変わり、魔物討伐なら赤、護衛や取り締まりは青、遺跡の調査や研究が黄色、素材採取や配達が緑、賞金首や犯罪者を討つと紫になる。

 そして、失敗や違反などをすると⋯⋯黒だ。


 紋章の周りには輪は、受けた依頼内容の色で端から染まっていき、その色が一周すると昇格の試験と審査が受けられ仕組みだ。


 ヴァルタさんに聞いた話では、冒険者と行っても国の騎士も所属していて、公務員的な扱いの部分もあるのだとか。 

 やる気があっても働き口のない物を、冒険者にして仕事を斡旋し、スラムが出来てしまうのを防ぐ目的と、報酬の半分を国が持つことで、貧しい村が人を雇いやすくしつつ、騎士の維持や鍛錬にも回しているらしい。


 魔物の素材の扱いもギルドを通して国が管理することで、商人が力を持ちすぎないように牽制しながら、武器の流通もコントロールしているのだとか。

 担当している大臣は大変そうだ。


 形はランクアップの際の推薦人によって決まるらしい。

 国に推薦されると盾、遺跡の研究機関なら花びら、村の救援などの功績で教会が推薦すると女神、犯罪者の取り締まりなどの貢献で各地の領主が推薦すると狼、上位の冒険者やギルドの推薦は翼だ。


 ランクはナシ、通常、大、特大、最上の順に上がる。

 色と形が分かれていても、多く関わった機関から推薦されることが通例なので、色と形はセットが多い。

 例えば、騎士は国の所属なので殆どの物が盾だ。

 そして、色も青の輪になる。


 例えば、上位騎士なら青の三重円の大盾の紋章っと言った感じだ。


(今日の依頼も掃除なんだよね)

「お家のおかたずけなの」

「地図によると中層だよね。厳しい人じゃないと良いね」


 冒険者ギルドから門を戻って石造りの家が並ぶ区画に来る。

 いつもは素通りしているが、今日の目的地はこの区画にある。

 歩いている人も服の質も高くて、冒険者のような革鎧の人間はあまり見かけない。

 しばらく地図を見ながら歩いていると、目的の場所が見えてくる。


「ここなの!」

「ふぁー。高そうなお店だよ」

(一階が店舗になっているのか)


 その店は、ショーウィンドウ全面が大きなガラスになっている。

 飾られているものは、見ただけでは何に使うか分からない。

 家具のようにも見えるが、それなりな大きさがあり、細かな彫刻が施されていて、木製だったり、金属製だったり様々だ。


(ここだよな。どこから入ったら良いんだろう?)

「入口から堂々と入るのは勇気がいるね」

「そうなの?」


 俺達が入口でまごまごしていると、店員さんが気づき顔を出した。

 制服だからか、女性だが細いズボンにベスト姿で長い髪は後ろで結ばれている。

 なんだかバーテンダーのようだ。


「もしかして、冒険者の方ですか?」

「そうなの!」

「では、裏側からお入りください」


 そう言って店員さんが店の横の道を指さす。

 言われたように路地裏へ進むと、先回りした店員さんが扉を開けて手招いた。


「私はマケッタ。依頼を受けていただきありがとうございます。今日の依頼は古い商品の魔道具の整理になりますが⋯⋯力仕事ですが大丈夫でしょうか?」

「イリナなの! ティトがいれば余裕なの!」

「ノエルだよ。ボクも力は強い方だから大丈夫だよ」

(この店は魔道具屋だったのか)


 頼んだ仕事内容が重労働なのに小さな女の子が来た事で、マケッタさんは心配したようだ。

 案内されるまま三階に上がるって部屋に入ると思わず目が丸くなる。


(地震でもあったみたいだ)

「ぐちゃぐちゃなの!」

「ははは、そう思いますよね」


 マケッタさんが苦笑いしながら説明してくれた。


「ウチの職人が発想に行き詰まると、過去の製品から刺激を受けようと、こうしてひっくり返してしまうんです。たまに整理してやらないと酷くなる一方で⋯⋯どうかお願いします」

「やるの! がんばるの!」

「おー」

(おー)

「ではお願いします。それと、大丈夫とは思いますが盗難防止の魔道具が働いているので、部屋からは持ち出さないようにお願いします」


 そう言い残してマケッタさんは店に戻った。


(よーし、やるかー)


 毎回ティトマークⅡではイリナが鈍ってしまうので、イリナには小物をまかせて俺達は分担して魔道具の整理を始めた。

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