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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両
三章

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47 二日目の真実

「そっ、そうだよ。他の冒険者を襲うなんて、資格が取り消しになっちゃうよー」


 イリナの意見にベルも同意して、襲う危険性を説明する。


「大丈夫だって、わざわざ報酬があるって説明して、パーティーを組ませたのだって、それって奪い合いも想定してのことだろ? 別に本気で攻撃するわけじゃないわけじゃないんだ。一種の模擬戦だろ?」

「興味ないの! イリナの仕事はそうじなの!」

「ちっ、なんだよ腑抜けかよ。あ~あ~、こんなことなら他のパーティーが良かったぜ」

(イリナ、スグンの発言もあながち間違いじゃないよ)

「ティト、まさか襲おうと思ってるの? ボクショックだよ」

(ちっ、違うよノエル! 襲われる可能性があるかもってことだよ)


 きっと、他のパーティー内でも《《この提案》》は、されているはずだ。

 イリナ達には周囲を警戒してもらわないと。


「ティト、バレバレなの」

(えっ? なんのこと?)


 俺はギクッとしたが平静を装う。


「イリナとティト、つながっているの」

(あっ、ああ~。それでイリナはずっと冷静だったのか。ん~)

「えっ? どういう事?」

(とりあえず噴水に戻ろう。お姉さんが教えてくれるはずだよ)


 ノエルが頭にハテナマークを出しているが、きっと戻れば答え合わせがあるだろう。

 別に外れていたら恥ずかしいとかでは⋯⋯あるな。

 とにかく俺達は警戒しながら手押し車を押して噴水まで戻った。


「お疲れ様でした。では、パーティーを解散してください」


 そう職員のお姉さんがいうとスグンとベルがお姉さんのところに歩き出す。


「ふー。駄目だ! 全然翻弄できなかったよ」

「スグンの演技が下手だったんじゃないの?」

「なんだとベル!」

「えっ? えっ?」


 ノエルは相変わらず事態が飲み込めず混乱している。


(あの二人、運営側の人間なんだよ。最初に横暴な態度を取ったのも、二人が喧嘩している時も、全然怒りの感情がなかったも)

「ええー!」


 そうなのだ、魔力探知で相手の危険度がわかる俺には、スグンの態度が演技であることがすぐにわかってしまった。

 恐らく、今回の掃除は心理的なものを鍛える意味があったんだろう。

 あえて何も言わずにイリナの対処する姿を見ようと思ったのに、テイムの影響で俺が安心しきっていることが伝わってしまっていたのは誤算だった。


 ノエルが驚いているとお姉さんが説明を開始する。


「今回、パーティーを組んだ中に、こちら側が用意した人間を忍び込ませていました。気づいた者も何人かはいたようですが」

「なんでそんな事したんだ! おかげでパーティー内がめちゃくちゃになったじゃないか」


 数人の冒険者が縛られている。

 恐らく、そそのかされて他のパーティーを襲ったのだろう。


「まず、同じ依頼内での冒険者同士の闘いはご法度です。今回で学べてよかったですね」

「ぐっ」


 蔑んだ目を職員のお姉さんに向けられて縛られている男が黙る。


「今回の掃除では、冒険者をしていると起こりうる『他の冒険者と一緒に行動することになった時の対処』を考えてもらいました」

「あえって自分勝手に振る舞わせたり、揉め事を起こして対処する力を試してたってこと?」

(あとは、ベルが味方のままサボるように誘惑して来たあたり、自分の意志をしっかり持って行動するようにってとこかな?)


 お姉さんがもう一度周囲の冒険者を見回して続ける。


「他のパーティーを攻撃するように仕向けさせたのは、実際に他のパーティーから攻撃される可能性はあるということを考えてもらうためです。ただ、ストップ役が失敗して実行者が出てしまったことは、こちらの落ち度ですから、誘惑に負けた者の行動は不問にします」


 捕まっていた冒険者達があからさまに安堵した。

 恐らく俺達のパーティーではベルが良識を解いてストッパーになるはずだったんだろう。


「奪いった者の成果は全て没収ですが、守りきることも冒険者の大事な素養ですので、奪われた者にも補填はしません。これより本日の上位のパーティーを発表します」


 その後は、上位者を称えて解散になった。

 なんと、俺達は二位になった。

 商品はギルド内の食堂のお食事券だった。

 それを、今日一番の笑顔でイリナは受け取っていた。


—変更—

 エピソード37と46の水路の少し変更して、描写を細かくしました。


 混乱した方は申し訳ありません。

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