43 謝罪とスライムジャブ
次の日、俺達は冒険者ギルドに向かった。
セイガさんの知り合いの冒険者が俺達にあらためて謝罪をしたいと言ってきたからだ。
セイガさんもそろそろ一度は村に帰りたいと言うので、謝罪のついでにダレンさんを護衛として雇うことになった。
「こいつらはこれでも信用できる奴らだから、安心して欲しい。そうだよなダレン!」
「これでもは余計だぞセイガ! ⋯⋯まあ、口の方も硬いぜ、っと言いたいとこだったんだがなー。本当せんだってはすまねぇ。」
「気にするな、なの!」
「おっ、おう。じゃあ、あらためてメンバーを紹介するぞ」
そういって、俺達はお互いに自己紹介した。
リーダーのダレンさんは、まさに冒険者と言った服装で、皮の鎧で急所を守る身軽なスタイルだ。
戦士のピノカの服装がシスターチックだったのにも理由があって、なんとピノカさんは〝怪力〟と〝回復師〟の二種類の加護を持っていると言う。
斥候のアガラさんが〝軽業師〟、魔道士のシャクさんはそのまま〝魔術師〟の加護だ。
(へぇ~、加護なんてものがあるのか~。イリナの加護とか調べたら〝テイマー〟だったりするのかな?)
「ダレンはなんなの?」
「げっ! 俺の事はいいだろ?」
「ダレンの加護は〝農民〟よ。なんで冒険者なんてやってるのかしらねぇ~」
「ばっ、てめぇー、バラすんじゃねぇ~よ」
ダレンさんが告げ口したピノカさんを追いかけると、かわりにアガラさんが俺達に教えてくれた。
「ピノカはあんな風に言ってるけど、加護はあくまでも補助だから『ちょっと早く動けるな?』みたいな補助の部分が大きいんだよ。だから必ず加護と同じ職業に付く必要はないんだー」
「例えば魔術系の加護が無くても魔術は努力で使えるようになるしね」
シャクさんがアガラさんの意見に賛同する。
「まあ、小娘には才能ないから一生無理だけどねぇ~」
「エステルうるさいのー!」
今度はエステルをイリナが追いかけ始めた。
「うるせぇーぞ。朝から走り回ってんじゃねぇ。ガキが!」
(さすがに怒られるよな。イリナ止まって)
「ごめんなさいなの!」
「ごめんなさい」
俺が急いでイリナの元に駆け寄る。
イリナもノエルも素直に謝まった。
実際、騒いでいたのは事実だ。
しかし、文句を言った男は、さらにいやらしい笑みを浮かべ始めた。
弱者に対して優越感に浸っている顔だ。
(同じ様に騒いでるダレンさんは無視してイリナにだけに文句を言うなんて、程度がしれるよなー)
俺は、さらに何かしてくる予感がして、イリナの頭の上に乗ると、デコピンの要領で触手に力を溜めて待機する。
男がイリナに対して手を伸ばしてきた。
「へへっ、小さなその体に俺がお⋯⋯」
ピシン!
男は全てを言い終わること無く膝から崩れ落ちる。
俺の触手が正確に高速で男の顎をとらえたからだ。
意識はあるが目を回しているのがわかる。
そこにダレンさんが騒ぎに気がついて、駆け寄ってきた。
「俺の連れが悪かったなー。だが、次に文句があるんなら俺に言え。いいな!」
「ひぃー。そうしますー」
さすがはベテランというか、ダレンさんが放った殺気に男は怖気づき、悲鳴を上げて何度も頷いていた。
「さてと、せっかく来たんだ、何か依頼を受けるか?」
「やるのー」
イリナはかなりやる気になっている。
俺達はどんな依頼が出ているのか聞くべく、カウンターに確認に行った。
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