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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両


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28 新たな行動

 日の出前の早朝。

 ノエルの起きる気配に合わせて俺も目覚める。

 そして、川に向かうノエルの後を追って家の外に出た。


「あっ、おはようティト」

(おはようノエル。今日も早起きだな)

「えへへ」


 挨拶した後は二人で並んでそのまま川に来た。

 付いた後、すぐに帽子を脱いだノエルが川の中に頭を突っ込む。


「ふー、気持ちいい」

「獣娘は豪快ねー」

「あっ、エステルもおはよう」


 濡れた髪を振って豪快に水滴を飛ばす姿を見ていると、エステルも起きてきたので挨拶しあう。

 俺が早朝前に起きてきたのには理由があった。

 昼間の案内中には出来なかった、自分のステータスがアップした分の確認作業だ。

 まずはその場で全力でジャンプしてみる。


「おおー。高いね。ボクも負けないよー」

(さすが獣人だな。凄い身体能力だ)


 ノエルが隣でジャンプしたノエルは軽々と家の屋くらいの高さにジャンプしていた。

 俺はそれより低く、ギリギリ屋根に届かないくらいだ。

 次は岩を動かしてみる。

 岩の大きさは直径七十センチくらいあったが、持ち上げることが出来た。

 あくまで体感でしか無いが、体積さえ増やせばもっと重いものでも余裕で上げられそうだ。


「凄い凄い。ティトは力持ちだね-」

(今度は耐久力を確かめたいな。ノエルこれを殴ってみて)

「うん。全力のほうがいい?」

(思いっきりで頼むよ)


 ノエルに頼んで自分と同じサイズの塊を殴って貰うことにした。

 粘力で固くなるように意識してみる。


「いっくよー。それ」

 

 パーン


(!?)

「いやーー! ダーリンがーー!」

「わわっ、ごめーんティトー」

(いや、俺は無事だからね)


 眼の前の俺のデコイは無惨に弾け飛んでしまった。

 飛び散った欠片にエステルが縋り付く。


(うーん。レベルマックスでもスライムの耐久力はこんなものなのかー。殴った感じはどうだった?)

「それなりに硬かったと思うよ」

(次はゆっくり殴ってみて)

「わかったー。わわっ、変な感じー。抵抗があってもっさり重たい感じがする」


 殴った手はゆっくりと中に入っていった。

 ノエルの感想から予想すると、片栗粉を流し込んだ水みたいな感じかな?

 勢いよく殴られればそのぶん固くなるみたいな。

 しかし、これだと刃物のような尖ったものは通してしまいそうだ。


「最悪、襲ってきた相手は無限に増やせる体積と力で絡めとる、底なし沼作戦かなー」

「わあー、なんか怖そうだねー」


 俺の対策を聞いてノエルがやってみてと言ったので包み込んでみたが、もがいても出れない状態になった。

 口を塞いでしまえば窒息死もさせられる。

 なかなかにスライムな攻撃手段だ。


(じゃあ、最後はスピードかな。ノエル一緒に走ろうか)

「やったー。走るぞー」


 その後は、日が出てくるまでノエルと走った。

 速さは大きさと反比例するようで、適度な大きさなら短距離走のオリンピック選手くらいは軽く出ていた。




——あれから数日が過ぎたが、ノエルのお父さんはまだ帰って来なかった。

 何時もより帰ってくるのが遅いらしく、ノエルが首を傾げている。

 

「おかしいなー。寄り道でもしてるのかなー」

「途中で山賊に襲われちゃったんじゃないの?」

(エステル、さすがにそれは縁起でもないんじゃないか?)


 そうは言ったものの、この世界の治安によってはあり得る話ではあった。

 しかし、ノエルはあっけらかんとそれを否定した。


「うーん。お父さんなら山賊くらい簡単にケチらせるしから、それは無いと思うなー」

(あっ、山賊はいるんだ⋯⋯)

「迎えにいくのー」

(どこまで帰ってきてるかわからないから、迎えに行くのは危ないんじゃないか?)

「あっ、ちょっと試してみようか」


 そう言うと、ノエルが村の端に向かったので後を追う。

 着いた場所は、山を見渡せる見晴らしのいい場所だった。

 そこに着くとノエルが大きく息を吸った。


「アウォーーーーーーン」


 ノエルが山の谷間の方に向けて遠吠えの様に叫んだ。

 しばらくすると、同じ様な遠吠えが聞こえる。

 声は男性のもので、山彦ではないようだ。


「あの辺りだね。確か川のある渓谷の道だったかな」


 指さした場所までは、かなりな距離がありそうなだが、俺も魔力探知をなるべく細長くしてその方向に伸ばしてみる。


(改めて使ってみるとレベルが上っているから、かなりの距離まで感知でるなー)


 魔力探知の範囲は、自分を中心にすれば二百メートルくらいだろうか?

 それを範囲を制限することで伸ばしていく。

 視野角を二十度くらいまで絞れば、距離は二十倍くらいまで伸びた。

 しかも、広げている影響で、小動物の魔力は感じなくなり、逆にわかりやすくなっていく。


(おっ、これじゃないか?)


 伸ばした探知をゆっくり横に振って探っていると二つの魔力を感知出来た。

 その一つはノエルの魔力によく似ている。


(魔力が二つ感じられたけど、ノエルのお父さんは誰かと一緒に街まで行ったの?)

「ううん。村を出る時は一人だったよ」


 感知した、もう一つの魔力もそれなりに大きい。

 幸い、二つの魔力は激しく動いてはいないので、少なくとも争ってはいなさそうだ。

 反応があった場所は魔力探知の範囲の中でも近かった為、詳細を見れないか状況把握と合わせて集中的に魔力探知を使った。

 かなり無理したためか一瞬だけだったが、魔力のある周辺を視覚として見ることが出来た。


(あっ、崖沿いの細い道が崩れて塞がってる)

「すごい! この距離から見えるの?」

「ダーリンならこれくらい簡単よぉ」

「すごいのー」


 千里眼とも言える能力に自分でもびっくりする。

 エステルは当然だと言いながらも嬉しいのか、しなだれかかってくる。


「どうするの? 向かうのかしら?」

「助けるのー」

「そうだね。ティトにも手伝ってもらえば崩れた土砂を早くどかせるかも」


 やっぱり少し心配だったのか、ノエルの目には期待が混ざっている。


(うーん。そんな目で見られると駄目とは言えないなー。道はわかるんだよね)

「大丈夫だよ。あそこならすぐ近くだし」

「ティト。イリナはだめかも知れないの⋯⋯」

「大丈夫だってばー」


 ノエルの『すぐ近く』の発言に、相変わらず渋い顔をするイリナに俺達は笑いあった。

読んでいただきありがとうございます。

評価してくださった方も本当に感謝です。


引き続き、面白いと思っていただけたら、気軽に評価の方をお願いします。

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