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のんびりスライム道中 ~エルフの少女とのんびり世界を旅します~  作者: 千両


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22/27

22 吸収で得たもの

 下に降りた後ステータスを確認したら、吸収した量が多かったのかスキルが統合されて、スライム果実生成という名前になっていた。

 意識を向けることでスキルの中身を更に細かく見ることも出来たが、名前だけがズラッと並んでいて、どういう味だったのか思い出せない。

 毎回、一つ一つ説明を読むのは勘弁願いたいので、グラシ-の実のように中身が液体の実や、実用性が高いものは今のうちにしっかり覚えておいた方がいいかもしれない。


「わぁー、イリナちゃんすごいお腹ー」

「悔いはなし⋯⋯なの」

「食いは、過ぎでしょ。まったくあんたは」

「いいなぁーボクも食べたい」

(ああ、ごめん。何か出すよ。何がいい?」

「ダーリンが果物出すから好きなもの言いなさいって言ってるわ」

「本当ー? じゃあねーじゃあねー。エクラとルーリの実が良いなー。ドルンやミーザは苦手なんだー」


 俺は言われた果実を生成する。

 確か、エクラはバナナ、ルーリは梨の味だったと思う。

 そして、ドルンが柚子で、ミーザはオレンジだったかな?

 どうやらノエルは柑橘系が苦手なようだ。


(もしかして、ノエルはここの植物を全て把握してたりするのかな?)


 俺の言葉をエステルが伝えると少し恥ずかしそうに頬をかきながらノエルが言った。


「全部じゃないかなー。名前のわからないものも多いし⋯⋯ただ、食べられるものはだいたい分かるよ」


 そして、出した果物を食べたノエルが目を丸くする。


「うわぁー、なにこれ美味しいー。ボクの知ってるエクラじゃないよこれ!」

(喜んでもらえてよかったよ)


 しかし、食べ物系をノエルが把握しているのは素直に驚いた。

 正直、旅に付いてきてくれないかとすら思ってしまう。

 ノエルにも果実を出したし時間はまだ有るなので、次の枝に行くことにする。


(よし、次行くかー!)

「イリナもいくのー」

(次のところはキノコ系っぽいからイリナは駄目だよ。毒のキノコもあるかもしれないし)

「イリナもいくの! キノコ食べるの!」

「小娘、言っておくけど、キノコは生では食べられないのよ?」

「イリナはここでボクの話し相手になってくれないかな」


 イリナは皆に説得されるがまだ納得していない様子だ。

 そこで俺はある提案をする。


(イリナ、村に戻ったら好きなだけキノコを出すよ。お鍋にしよう。食べ放題だよ)

「食べ放題なの! ティト、いってくるのー」


 すでにお鍋で頭がいっぱいになったのか、頬に手を当ててうっとり気味に手を振って俺は送り出された。


(イリナ、ちょろい)


 一人なのでグングン上がっていくと、すぐにキノコのエリアに着いた。

 上を見上げると、まだまだ色とりどりの野菜が実り豊かに生い茂っている。

 スキルを使ってみてわかったが、本当に進化の確認画面は出てこなかった。

 レベルもガンガン上がるので、エステルが言う通りに、吸収が終わる頃にはスライムの中では最強になるかもしれない。


(ん? あれは!)


 キノコエリアを見ていると一つのキノコが目に止まる。

 中央にそびえる純白の体。

 鑑定してみれば、それは間違いなくウマトメ茸だった。

 倒木と融合していないが、あの時のキノコだ。


(吸収出来なかったこと、密かに後悔してたんだ。嬉しいー)


 思わぬ再開にテンションが上る。

 しかし、勢いあまって隣のものまで食べてしまった。

 よりにもよって、それは毒キノコでダメージを受けてしまう。


(ぐわー。しかも不味いし。キノコエリアは危険だわ。限定スキルを使ってちゃっちゃと吸収しちゃおう)


 毒でテンションも下がってしまった。

 食べられるキノコはあとでノエルに聞くとして、スキルを使ってどんどん吸収していく。


(ただいまー)

「おかえりなの。おかえるなのー」

「あはは、そうだね。暗くなる前に村に帰ろうか」


 下に戻ってみると、イリナはキノコ鍋が待ちきれないのか、村に帰る気満々になっていた。

 実際、村までの距離と鍋の準備を考慮すれば早めに村に戻った方が良いので帰ることになった。

 帰り道でもイリナが上機嫌で歩いていた。

 キノコ鍋が相当楽しみらしい。


「あのさ、ティトが嫌じゃなかったらさ、村の皆も呼んで良いかな?」

(そうだね。お世話になったし、お礼も兼ねて皆にご馳走するよ)


 ノエルが申し訳無さそうにお願いしてきたが、こっちとしては大歓迎だ。

 ノエルのお母さんもそうだが、面倒をかける手前、村の皆にも今のうちにお礼はしておきたい。


「それじゃあ、皆にお鍋会のこと伝えてくるねー」


 村に着くとノエルはすぐに走っていった。

 俺はステータスを開いて、統合されたキノコ類生成をもう一度確認する。

 説明を見れば毒かどうか、美味いかどうかも確認できる。

 そして、待っている間に俺には一つ試してみたいことがあった。


 それは毒キノコの毒抜きだ。

 なぜなら、説明の中に『毒は致死性が高いが、その味はとにかく美味』っと言った事を書いてあるキノコが思ったより多かったからだ。


 美味いのに食べられないのは勿体ない。

 スキルで生産するなら、もしかしたら毒を抜いた状態のキノコが作れるかもしれないのだ。

 色々と試行錯誤をして、満足のいくキノコが出来た。

 出して鑑定するといかのような文章がでた。



 鑑定成功

 結果:自然スライム産【プワズ茸・ティトオリジナか】

 ティトの改良生産に寄って毒を反転させたキノコ。

 痺れる成分が神経を活性化させる効果に反転し、更に忘れられた葉が交じることで、食べたものの身体能力を底上げする効果を持つ。



(なんか⋯⋯思ってたよりヤバイの出来たな。やっぱり普通に食べれるキノコだけ作ろう)


 変な効果が有るものはむやみの人に食べさせるものじゃない、俺は出したキノコを自分で処理する事にした。

 毒を変化させたからか、味の方も変化していて最初の説明ほど美味しくはなかった。

 完全な失敗である。


 試行錯誤している間にお鍋会の準備は終わっていて、村の人達が村で採れた野菜をたくさん持ってきてくれていた。

 俺が美味しいキノコを厳選して出すとすぐにキノコ鍋会は開始された。

 キノコのお鍋会は見事に成功で、野菜も入った鍋をイリナは実に満足そうに食べていた。

読んでいただきありがとうございます。

評価してくださった方も本当に感謝です。


引き続き、面白いと思っていただけたら、気軽に評価の方をお願いします。

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