タイトル未定2026/04/12 02:48
午前の講義が終わり、青空の下キャンパスで流花たち四人はお昼ご飯を食べた。
お弁当組は、流花と渚と田中の三人で、コンビニで買ってきたのは佐野だけだった。
お弁当を食べながら、渚が田中に聞いてきた。
「お弁当、自分で作るの?」
「うん」
普段から寡黙な田中は、短く答えただけだった。
「田中は実家暮らしなのに、お前本当豆だなぁ」
からかいながらも、佐野は田中を褒めた。
「佐野も、少しは自分で弁当を作れよ」
「料理は、苦手だよ」
佐野が言うと、笑いが上がった。
お弁当を食べ終えた渚は、今朝佐野からもらったマドレーヌを、食べめ始めた。
「なぎちゃん、食後のデザートなんて珍しい」
流花の言葉に、渚は答えた。
「佐野君から、もらったの」
「佐野君、優しいぃ〜」
「俺は、優しいんだぞ」
佐野の言葉に、笑いが上がった。
笑いが収まった後、渚が言った。
「言おうと思っていたんだけど、流花ちゃん珍しくアクセサリーつけているね」
流花の胸元には、シルバーのネックレスにつながれた指輪があった。
「そうそう、俺も朝から気になってた!」
佐野が、声を上げた。
「これ?ちょっと、気に入って付けているんだ」
流花は、笑顔で答えた。
お弁当を食べ終えた流花は、バックから携帯を取り出しラインを眺めた。
そんな姿を見た佐野が、からかうように言った。
「朝から、よく携帯を見ているなぁ。やっぱ、彼氏だろ。それにその指輪、やっぱ気になるなぁ」
「だから、違うって!」
流花は、携帯を隠すようにして言った。
「入学式の後、彼が迎えに来たじゃない。隠すことないでしょ」
渚は佐野と田中に、大学の入学式後の話をした。
「マジかぁ!どんな男?」
佐野が声を上げ、興味津々に聞いてきた。
「背が高くて、とても優しそうな人だった。私たちより、年上な感じだった。その彼はbarのマスターで、流花ちゃんそこのbarでバイトをしているんだって」
「流花ちゃん、barでバイト?そのbarのマスターが、流花ちゃんを迎えに来たのか」
「もぉ、やめてよぉ」
流花は、照れながら言った。
照れる流花に、渚が言った。
「その指輪、マスターとおそろだったりして」
湧き上がる歓声の中、肯定も否定もせず流花は笑い、ただ一人田中だけ黙っていた。
それまで黙っていた田中が、口を開いた。
「流花ちゃん、barでバイトをしているんだ」
「うん。週末だけやっているお店だし、学業に支障がないようにバイトをするように言われたから、のんびりやっている」
「彼氏じゃないって言っておきながら、楽しそうじゃん!」
佐野がそう言うと、渚が聞いてきた。
「流花ちゃんを迎えに来たマスターって、やっぱ流花ちゃんの彼氏でしょ?」
「だよな。彼氏じゃなかったら、迎えになんて行かないよな」
渚の言葉に、佐野も言った。
「マスターは、私の入学式のスーツ姿を見に来ただけよ。マスター、そう言っていたし」
流花の言葉に、その場が氷ついたように静まり返った。
空気のかわりように、「変なこと言った?」と言いたげに流花は、渚たちを見渡した。
佐野が、沈黙を破った。
「……流花ちゃん。マスターが言った言葉、本気にしている?」
「だって……マスターそう言っていたし」
再び沈黙が流れ、田中が言った。
「そんなの口実だよ」
「口実?」
佐野は、あきれながら言った。
「スーツ姿を見たいって言うのは照れ隠しで、本音はに会いたいに決まっているじゃん!」
「そ……そうなの?でも……」
「もぉ、勉強はできるのに。異性のことになると、うといんだからぁ!」
渚は流花をハグしながら言い、明るい笑い声が上がった。




