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タイトル未定2026/04/12 02:47

 地下鉄の電車を降りると、見慣れた背中があった。

 背が高く、なかなかのイケメンで大きなリュックを背負っていた大学生の佐野は、目の前を歩いていた同じ大学に通う速水渚はやみなぎさを見つけた。

 渚は女性にしては背が高く、セミロングの髪の毛をしていた。

「なぎちゃん、おはよう」

 佐野に声をかけられ、渚は立ち止まって振り返った。

「あっ、佐野君おはよう」 

 渚と佐野は、肩を並べて歩いた。

 佐野と一緒に歩いていた渚は、切り出した。

「最近、よく会うね」

「同じ電車に乗っているんだな」

 地下鉄を降り階段を上がると、青空が広がっていた。

 バス停に向かって歩いている途中、コンビニがあった。

「コンビニに寄るから、つきあってくれよ」

 佐野の言葉に、渚はあきれて言った。

「お昼、またコンビニ?」

「一人暮らしだと、作るのめんどうで」

「コンビニばっかりじゃ、身体によくないよ」

「なぎちゃん、いつも弁当を作るだろ。ついでに、俺の弁当も作ってくれよ」

「え〜っ。しょうがないなぁ。気まぐれに作ろうかな」

「マジで〜よっしゃ!」

「気まぐれだよ」

 笑いながら、二人はコンビニに入って行った。


 コンビニから出て、バス停に向かって歩きだすと、佐野が不意に渚に手渡した。

「はい」

「えっ?」

 佐野が渚に手渡したのは、コンビ二で買ったマドレーヌだった。

「もらって、いいの?」

「おう。昼ご飯のデザートに食えよ」

「ありがとう」

 渚はマドレーヌを大きなカバンの中にしまった。

「マドレーヌもらったから、これじゃ本当に、お弁当を作らないとだ」

「そんなつもりじゃないけど、弁当待ってるぜ」

「期待しないでよ」


 教室に入ると、一番後ろの席に流花が座っていた。

 流花は、携帯の画面をじっと眺めていた。

 マスターから送られたラインの返事を、流花は未だに送ることができなかった。

「おはよう」

 渚は言いながら、流花の隣に座った。

 佐野も流花に挨拶をしながら、渚の隣に座った。

 渚と佐野の声で、我に返った流花は携帯の画面から顔を上げ、携帯を机の上に置いて言った。

「おはよう。なぎちゃん、今日も佐野君と一緒なんだ」

「同じ電車に、乗っているの。流花ちゃん、いつも早いね」

「大学まで遠いし、混んだ電車に乗るの嫌だし」

 佐野は流花が置いた、机の上の携帯を見ながら言った。

「なんだよ朝から、彼氏とラインか?」

「彼氏なんて、いないよ」

 慌てて言った流花は、携帯をバックにしまった。

 その時背後から、田中の声が聞こえた。

「おはよう」

 田中は、佐野の隣の席に座った。

 流花、渚、佐野の三人は振り返って、田中に挨拶をした。

 流花が一番に教室に入り、一番後ろの席に座り、渚と佐野が揃って来て、一番最後に田中が来る。

 いつの間にか、そんなルーティンが決まっていた。

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