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3月6日 世界一周記念日
『世界一周をしたい!』
それが僕の子供からの夢だった。
居酒屋によく貼ってあるピースボードに乗ってではなく直接世界を見る。
見識を広めたいとか、あらゆる経験をしてみたいとかそんな理由ではなく、私の脳みその奥に眠っている理想の風景がこの世界にあると信じているからだ。
私はよく見る夢がある。
一面にきれいな花畑が広がっている風景。
なぜかそこで私は裸足で腐葉土のような心地の良い感触が足の裏に伝わっている。
どこかに滝でも流れているのか水の心地いいにおいがする。
そこで何をするわけではなくただ佇んでいる。
そのまま幸せな気持ちのまま夢は終わっていく。
その風景を探し求めたいのだ。
そう思いながら必死に働いた。働きに働いて50年。
人から見たら幸せだと思われる境涯になったが、それでも私はそこを探していた。
80になり十分な金が溜まり私は旅に出た。
その素敵な場所を探しに行くためにだ。
船でひと眠りしたところ私はその場所にたどり着いた。
夢だと思ったが覚める気配はなかった。




