表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/365

3月1日 未来郵便の日

「郵便が過去から届くなんて素敵じゃない。」


 そう笑いながら言っていた妻の顔を今では薄ぼんやりとしか覚えらていない。

 未来郵便に手紙を託してから三日後妻は死んだ。

 不慮の事故としか言いようがないが、逆に言えばだれを憎んでいいのかわからないものだった。

 病死なら医者か病気を、事故死なら加害者を憎めばいいが俺の場合はどちらでもなかった。


 だから今日が結婚記念日十年目で九年前の妻から手紙が届くなんて思ってもみなかった。


「お互いに中を見るまでの楽しみにしたい」


 との妻の提案で封書になっている郵便をとったとき俺は心から震えた。

 その字だけで涙が零れ落ちていた。

 今日が祝日でよかった、もし平日なら仕事になっていなかっただろう。

 ゆっくりと手紙の封を開いた。

 雑に二つ折りになっている手紙を丁寧に開いていく。


『にゃあ』


 猫のイラストが吹き出しでそう言っていた。

 ああ。こういう女性だった。


 その手紙を額に入れてでも飾ろうと俺は外出することにした。

 外は冬なのにいい陽光だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ