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1月11日 鏡開き
「おめでとう。」「おめでとう。」「おめでとう。」「おめでとう。」「おめでとう。」
今日はやたらにお祝いの言葉が飛び交っていた。
”鏡開きの日”
屋敷の中ではこの日忌みの言葉を使うものがいなかった。
すべてが今年の成功を祈る為に全力を尽くし、どこまでも徹底されていた。
そんな日が一年で何度かある。
だからどこか慢心をしていたのだろう。
「馬鹿者!!!」
屋敷中に響く声だった。
一斉にその場に皆が集まった。
「申し訳ありません。申し訳ありません。」
「謝ってすむものか!」
現場には女中が謝り続けていた。
「謝ってすむものではないぞ。」
「申し訳ありません。」
「寄りによって、4の数字を使うとは。」
女中の手元には帳簿がおいてあった。
普通なら今日は帳簿をつけずに、翌日に済ますようにしている。
”4”という数字が使えないからだった、しかし最近の忙しさの為ぬかってしまったのだろう
「許せるものか!首を刎ねろ!」
「申し訳ありません。」
結局、その日は晴れの日というため翌日に女中の罰は執行された。
晴れの日の些細な穢れの話だ。




