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じじいの凱旋

『虚竜化のスキルが2に上昇しました』

『魂喰らいが威吹きレベル39を獲得しましたが威吹きの習得に失敗しました』

戦いが終わった事でガイダンスさんが何やら処理をしてくれておる

魂喰らいのスキル習得、失敗すると事も有るんじゃなぁ

『氷の属性魔法やスキルはヒトには使えません』

ガイダンスさんが教えてくれる

そう言えばそんな事も言っていたのぅ

「カタナ様ぁ」

空から地上に向かうワシをユキが手を振って迎える

「やりましたねカタナ様」

隣のアカも我が事の様に喜びはしゃいでおる

「何とか終わりました」

ワシは二人にそう言いながら合流する

子供の身体故に無理な鍛練は避けておるとは言え最近斬れない相手が増えた気がするのぅ

ゴブリン虐めていた頃が懐かしいわい

「グルルルル…」

唸り声がする

王噛を誘き寄せる為に捕えた子分狼じゃ

「こいつどうします?」

アカは殺る気満々で武器を取る

「そうですね」

ワシはそう言うと煩く吠えたり唸ったりしておる子分狼の入った檻の戒めを解く

「危ないですカタナ様」

それを見たユキが止めようとするも子分狼が檻を飛び出してワシの肩に食らい付く

「主の仇を討ちたいか、それも構いませんがお前は主の名に従って森に帰れ」

ワシは血まみれになりながら子分狼を諭す

暫くして諦めたか子分狼は森に向かって走り去る

「野郎!」

アカが追い掛けようとする

「構いません、逃がしてやりなさい」

ワシは痛む肩を押さえながら言う

「この戦いは奴らの全滅が目的ではありません、狩り場が確保出来たのなら無理に殺す必要はありません」

ワシはアカを制止する

『今逃げていった個体は子分狼と呼称されているグレートウルフではなくベビーフェンリルのメス個体です、おそらくは王噛(おおかみ)と呼称されている個体のつがいです』

ガイダンスさんが訂正する

それで奴も必死だったのか、生かして帰してやって良かったのぅ、これ以上敵将の尊厳を汚すのは本意ではない

ワシは真っ二つなって横たわる魔獣の王に目をやりながら思うのじゃった

「無理しないでください」

ユキがあたふたしながら持ってきていたポーションを傷口にかける

「いったぁっ」

噛まれとる時は気にならなかったのじゃがポーションがしみてワシは悲鳴を挙げる

「もう、噛まれてる方が絶対痛いじゃないですか」

ユキは呆れながら傷口にポーションを染み込ませた布を当てて包帯を巻く

「薬嫌いです」

ワシは文句を言う

「凄いんだか凄くないんだかよく解らないっスよね」

アカもユキの後ろで呆れている

「むぅ」

それを見たワシは文句を不満の声を漏らす

「帰りますか」

ワシは二人に笑顔で言うのじゃった


数日後

ラゴウの村ではお祭りが行われていた

Bランクの魔物の単独撃破は地域の英雄クラスの大偉業なのだとかでワシは借りてきた猫の様に椅子に座らされておる

「若様なら何時かやってくれるとは思っておりました」

ラゴウ村の村長であるソンが感慨深そうに漏らす

「にしても七歳で達成するとは飛んでもないですな」

旧村民グループのリーダーでラゴウ村の相談役であるガイも同調する

「ぼく、何かしちゃいましたかね?」

お祭り騒ぎを見ながらワシは苦笑いする

『Dランクの魔物の単独撃破はこの世界で一流の戦士の最低条件とされています、Cランクで超一流、Bランクなら英雄扱いをされます』

ガイダンスさんが教えてくれる

因みになのじゃがガイダンスさん、マナが単独で倒したとかいう暗黒のダーマとやらのランクはどのくらいなのじゃ?

『暗黒のダーマと呼称される魔人のランクはオーバーランクと呼ばれるランクの規格外の存在となります』

ランクの規格外…

上は果てしないのぅ

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