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じじい級狩猟者

まだそれやるのか

くどいのぅ


「グオオッ」

王噛(おうかみ)が咆哮を挙げると奴の周囲に四本の尖った氷の柱が生まれる

これも魔法の類いなのかのぅ

『魔物は魔法のエネルギー源と同質のエネルギーである魔素の塊なので、本来魔物の方が魔法に対する適性はヒトよりも高いです』

ガイダンスさんが教えてくれる

巨大な氷の柱がワシを目掛けて一斉に飛んでくる

「流石に地球人の身体能力じゃ勝てないか」

ワシはそう言うと全身に風をまとい飛んで避けそのままの勢いで王噛に突撃する

「抜刀突撃は意地と度胸!」

確実に奴の胴を捕えた…ハズなのじゃが全く斬れとらん

良く見ると体毛が硬い氷の様なもんで出来ておる

「美しい…」

ワシは改めて近くで見る敵将の美しさに目を奪われる

薄く透明な体毛が光を受け鮮やかに光る姿はまさに神話の獣の名に相応しい

「ガウッ」

ダメージこそ無かった物の攻撃が当てられた事に驚いたのか王噛が一瞬怯んで距離を取る

ワシはその動きに違和感を覚える

…こいつ、強いだけで戦いに馴れて居ないのでは無かろうか?

「まあ、その強いと言うのが一番の問題なのですけどね…」

ワシは空を飛んだまま軍刀を構え直す

おそらく奴は空中戦も不慣れなハズじゃ

その読みは正しく王噛の攻撃は氷の柱を飛ばすだけの単調な物じゃった

「とは言えこちらも決定打不足なのは否めませんね…」

何度と無く斬ってはいるものの氷の毛を斬る事も敵わない

ただ王噛が嫌がっとるだけじゃ

その時王噛が大きく息を吸い込む

「カタナ様、危ねえ!」

アカもそう警告すると大きく息を吸い込んで腹を風船のように大きく膨らませる

その刹那、王噛が吹雪の様な物を吐き出す

『緊急回避の為、風まといレベル99を発動します』

ガイダンスさんの声と共にワシの身体は緑色に光輝く風に包まれる

その読みは周囲を空気ごと凍らせる王の息を弾き返す

ダイヤモンドダスト

確かそんなのがあったかのぅ

おそらくは尋常ではない冷気じゃろう

『チュートリアル:ブレス攻撃 特定の魔物は息の中に属性攻撃を付与する事が可能です』

『チュートリアル:緊急回避 初心者救済プログラムとして一定回数の不慮の事故を回避します(98/99)』 

『このガイダンスは役に立ちましたか?』

便利じゃのぅ、もちろんイエスじゃありがとうガイダンスさん

『お役に立ててなによりです』

そう言うとガイダンスさんの気配は消える

「アカっ!」

そこでワシは我に返りアカの安否を確認する

アカは口から炎を吐いて冷気の息をはね退けていた

あれも魔法なのじゃろうな

元々よく解らんが益々魔法が解らなくなったわい

『魔法についての説明をしますか?』

今日はやたら積極的じゃのぅ

じゃが流石に今はそれどころじゃ無いから今度聞かせて貰おうかのぅ

『』

ガイダンスさんは何か言いたそうな気配を残して消えていく

すまんのぅ

「グオオッ」

奴にとっての切り札だったのか、通じぬと解ると怒り狂ったかの様な咆哮を挙げる

「王噛よ、お前は強かった…」

ワシは天高くからその魔獣を見下ろす

「お前がもう少し実戦を経験していたらワシはお前に勝てなかったじゃろう…」

ワシは軍刀を魔獣の王に向ける

「正々堂々とは行かぬ事、赦せよ…」

ガイダンスさん、虚竜化のスキルを使うので宜しく頼むのじゃ

『スキル虚竜化Lv1を発動します』

ワシの呼び掛けにガイダンスさんが応える

するとワシの軍刀はあっという間に10mの長さになり不意を突かれた王噛の身体を真っ二つに寸断する

「せめて安良かに眠れ、魔獣の王よ…」

王噛と呼ばれた魔物は轟音を立て崩れ落ちるのじゃった

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