じじいの魔獣狩り
一狩り行くのじゃ
ってやかましい
飛び出してきた子分狼をアカが大剣で薙ぎ倒す
吹き飛び木に激突するも立ち上がる
「また砕けねぇ奴か?なんで生きてんだよ」
アカにスイッチが入る
古代人が大昔に作り出した戦闘用の合成種族オニ…
彼らは戦場では豹変するのじゃ
「めんどくせえ、全部粉々にしてやるからかかって来いやオラっ」アカが吠える
ガラが悪いのぅ
それにしても…
直接戦った者として言わせて貰うとアカの戦い方はガサツな様で頭は使っておるし決して弱くはない
「今度こそ死ねイヌッコロっ」
飛び掛かってきた子分狼の頭をアカの大剣が的確に砕く
頭を失った子分狼は激しく痙攣をした後数歩歩いて倒れて動かなくなる
「頑丈すぎるでしょ…」
それを見たワシはその生命力の強さに驚く
『子分狼と命名された魔物はグレートウルフ、ランクCの魔物で普通の森ならば一帯のボス格の強さです』
ガイダンスさんが教えてくれる
「つまり王噛の強さはそれ以上という事ですか」
ワシはそう言うと目の前に迫る子分狼を斬る
手応えはあるのじゃが浅い
妖剣魂喰らいも成長を繰り返しておるお陰で以前よりは刀身も長くなりそれなりに扱える様になっとるがやはり一筋縄ではいかんのぅ
牙を向き突進してくる子分狼の口の中に軍刀をねじ込む
勢いで串刺しになった子分狼は絶命する
キリが無いのぅ
その時
間合いを詰めようとしていた子分狼の額に一本の矢が刺さる
「お兄ちゃん、カタナ様っ!!」
遠くから女の子の声がする
村でも一級の弓使い、青髪のオニでアカの妹のユキである
「ユキっ!コイツらヤベェ、近付くな
!」
アカは心配してかユキを制する
「大丈夫、近付かないから!」
ユキはそう言うと次々に矢を子分狼に命中させる
じゃが、アカの大剣でも仕留められん生命力じゃ
弓矢で倒すのは骨が折れそうじゃわい
実際、額を射たれた子分狼も元気に走り回っておる
「カタナ様、飛んでください!」
不意にアカが飛べと言いながらジャンプする
凄い高さじゃ
ワシは風の魔法…飛翔で空を飛ぶ
そのタイミングを待っていたかの様にユキの身体が青く光る
ワシらが宙に居る事でフリーになっとるユキに三匹の子分狼が迫る
「ユキさん!」
ワシは思わず声を挙げる
「大丈夫ですよカタナ様、それより見てくださいよ」
アカの目線の方に目をやると矢傷を中心に子分狼達の身体は凍りつき氷像の様になる
近付いた三匹だけではなく矢を受けた全ての子分狼が凍り付く
「ユキは俺達の中でも特別なんです、ああやって冷気を操る事が出来るんです」
アカの言葉にワシはマナの言葉を思い出す
オニの魔法はヒトのそれとは違う…
『氷属性はヒトが使う四大元素魔法とは異なるメカニズムである為、スキルを習得しても使用は出来ませんので魂喰らいの使用は推奨しません』
ガイダンスさんが何やら物騒な事を言っとる気がするのじゃが…
魂喰らいは斬った相手のスキルを奪うワシが使っとる三式軍刀風の本当の名前じゃ
流石にユキは斬らんぞ…
『承知しております』
そう言うとガイダンスさんの気配は消える
ついには冗談まで言う様になりおった
「ウオオオオオオオオオン」
その時奥で様子を見ていた王噛が咆哮を挙げる
子分がやられて怒ったかのぅ
「仲間に知らせる合図でしょうか?」
アカは周囲を警戒する
しかし、実際にはその逆で子分狼達が次々に森の奥に消えていった
王噛を残して
子分の1/3以上を失ったら軍隊では壊滅と言っても良いじゃろう、良い判断じゃ
「アカ、ユキ、アレは僕がやりますので手出し無用に願います」
ワシはそう言うと王噛に軍刀を向け吠える
「将による一騎討ちの申し出、受けて立つ!」




