じじいと王噛(おおかみ)
アッシェを上手く垂らしこ…いや、仲間に加えた事で村の問題が一つ消えた
後は池作って魔獣駆除して新しい村民の態度何とかして…
ワシ、泣いていいかのぅ…
「カタナ様、お荷物届いてますよ」
若いオニがワシに声を掛けてくる
自称ワシの舎弟のアカじゃな
「檻届きましたか、では持って着いてきてください」
ワシはアカに指示を出す
抜き「こんなんで何を捕まえるんです?オニでも内側からはちょっと破れなさそうですが」
かなりの重力があるであろうそれをアカは軽々と持ち上げて片手で担いで着いてくる
「噂の狼型の魔獣を捕まえます」
ワシはアカの質問に淡々と答える
「でも俺が目撃した奴はもっと大きかったと思うんですけど?」
そんなに大きいのか
じゃがまあ、ヌシをこの中に入れたい訳じゃ無いから問題無いかのぅ
「問題ありません、色々と作戦があるんですよ」
ワシはウインクして笑う
「よく目撃されるのはこの辺りですね」
ワシらは森の奥の比較的開けた場所に来る
ワシらにとっても奴らにとっても狩り場が被っておる一帯じゃ
「では…」
ワシはそう言うと隠れていた魔獣を目ざとく見付け一太刀で切り伏せる
やや小振りなヘビーボアじゃな
丁度いい
「そんなもん捕まえてどうすんですか?」
アカはもう何度もワシの戦いを見ているのでもう驚きもせん
「狼捕まえるんですよ」
ワシはそう言うと新鮮なヘビーボアを血抜きしないまま檻に放り込み仕掛けを作る
「器用なもんスね」
ただの檻が持ってきたロープとそこらの棒でちょっとした罠になって行くのをアカはどこか他人事の様に見ながら言う
「他人事みたいに言ってると後で苦労させますよ」
この罠は狼を捕まえてからが本番じゃからのぅ
「取り敢えず狼が捕まるまで少し様子を見る事にしましょう」
ワシはそう言うと村へと帰るのじゃった
数日後、ヌシではない別の狼型の魔獣が見事に檻の中に入っておった
「想定通りですね」
ワシは怒りで唸り声を挙げる魔獣を見ながら言う
「でもこいつボスじゃないですよ?」
アカが言う
そうじゃな
「良いんですよ、コイツはそのボスを誘き寄せる餌ですから」
名付けて狼王ロボ捕獲作戦を堂々とパクる大作戦じゃ
狼王ロボと言うのはじゃな、ヤフーでググるのじゃ!
「これじゃどっちが悪役か解らないっスね」
そう言うとアカはヘラヘラと笑う
その刹那、アカの笑顔が消え持っていた巨大な鉄の塊の様な大剣を抜く
「カタナ様ぁ、ありゃそうとうキレてますよ…」
強烈な殺気に警戒しながらアカはワシに言う
「想定内です」
ワシも腰のキーホルダー状の軍刀を実体化させ構える
十数頭の狼型の魔獣を引き連れたそれは、白く大きく美しい、正に狼王の名を冠するに相応しい風体をしていた
「ここらじゃ王噛って呼ばれてるらしいっスよ」
子分の狼達が徐々に距離を詰める中、アカが教えてくれる
「王噛ですか、成る程、言い得て妙ですね」
王噛の大きな口はワシなど一飲みにしそうじゃからのぅ
『解説:王噛と呼称される固体はベビーフェンリルと呼ばれるランクB級の魔物です』
この前レベルアップしたからかガイダンスさんが親切に教えてくれる
ランクBの強さが解らないのじゃがのぅ
『以前戦ったフェイクランドドラゴンのランクがCです』
ガイダンスさんが教えてくれる
成る程のぅ
『この機能はお役に立てましたか?』
ガイダンスさんが何時ものを聞いてくる
お役立ち過ぎるのじゃがズルしとるみたいじゃから人間相手の時は無しにして欲しいのぅ
『了解しました、対人戦においては機能を停止します』
そう言うとガイダンスさんの気配は消える
と同時に子分狼が唸りを挙げて飛び掛かって来るのじゃった




