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じじいとじいさん再び

その後の馬車の空気は重たい物じゃった

魔物はちらほら出て来た物のレバニラくんが馬車の中から出てくる事は無かった

「レバニラくーん、もう戦わないの?」

ワシは塞ぎ込むレバニラくんの顔をぷりちーな顔で覗き込む

「僕はいい…」

レバニラくんは完全に拗ねている様じゃ

「切っ掛けが見付かるまで放って置くしか無いでしょうね」

アッシェは完全に匙を投げておる

難しいお年頃じゃのぅ

そんな感じでラゴウ村に辿り着く

「おお、お久しぶりです若様」

一月ぶりじゃろうか、ソンが出迎える

「お久しぶりです村長、その後村はどうですか?」

ワシはソンに状況を聞く

「建築は進んでおります、池の基本的な掘削も順調ではありますが…」

ソンは奥歯に物が挟まったかの様な言い方をする

「おう、小僧待ちくたびれたぞ」

聞き覚えのある爺さんがワシに声を掛ける

「だだだ…」

マナ・ライじゃな、彼を見たレバニラくんとアッシェが言葉にならない声を発する

生ける伝説みたいな爺さんじゃからのぅ、気持ちは解らんではない

「大賢人マナ・ライ様、お久しぶりです」

現れたのは国王ジョンや父パーパスらと共に辺境の魔王と呼ばれた最上位の魔族の軍勢を滅ぼした勇者パーティのメンバーの一人、大魔法使いで大賢人の称号を持つ暇人じゃった

「本日はどの様なご用向きですか?」

ワシは改めて問う

彼が幾ら暇人だと言ってもそれなりの立場の人物じゃからのぅ

意味もなくこんなところには来るまい

「おう、オニの魔法体系は古代文明系でワシらのとはちがうからな、オニの大きな村が出来たってんで見せて貰いに来たぜ」

ケラケラと楽しそうに笑いながら言う

「ほら、俺様天才だろ?ヒトの魔法なんて大体覚えちゃったんだよ」

蓄えた立派な白い髭を撫でながら言う

マナ・ライとはこういう男じゃ

何百年も生きておるのに全く落ち着きが無い

「しかしこの村にはその様な魔法を使う者は居ましたでしょうか?」

少なくともワシには記憶がないのじゃが

「ん?知らんのか、まあ無理もないが」

マナが言うにはオニの使う魔法はワシらの使う物とは違い身体に刻まれた物で魔法として意識して用いる物では無いのだそうな

だから日常的に魔法は使っているがオニもワシらもそれを魔法としては認識していない

という事じゃ

「成る程、お話は理解しました」

ワシはマナの説明に一応の納得をした

「で、本当の用事は何ですか?」

ワシはマナに近付き耳打ちをする

「決まってるだろ、お前が連れて来たガキ、噂のライバだろ?ちょっと見に来ただけだよ」

マナも耳打ちで返す

レバニラくんは四大元素…火風土水の全ての属性に高い適正があり大賢人マナ・ライの再来と言われとるからのぅ

マナ本人が興味を持つのは自然の成り行きじゃが…

今のレバニラくんは絶賛挫折中じゃからのぅ

「それがですね…」

ワシはここまでの道中の事を説明する

「成る程な…解った、そのガキ俺様に任せろ」

マナはそう言うとニカっと笑って親指を立てる

本当に大丈夫なのじゃろうか?

このマナという男、魔法使いとしてはかなりいい加減な性格しとるからのぅ

「小僧、この大賢人マナ・ライ様が直々に物を教えてやる、王公貴族でも叶わぬ願いだから光栄に思えよ」

そう言うとマナは強引にレバニラくんの腕を引き何処かへ行ってしまった

「レバニラくんも貴族なのですが…」

ワシのツッコミが虚しく響く

心配じゃ

とても心配じゃ…

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