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じじいと父の剣

父の剣というのはいいもんじゃのぅ

ワシもパーパスの剣は今も練習用としては使っとる

初めて手にしたと思われるレバニラくんは今何を思うのかのぅ

「はぁ~」

レバニラくんの何とも言えないタメ息、これで何度目じゃろうかのぅ

有頂天と言ったところかのぅ

「ライバの坊っちゃん大丈夫なんですかねえ…」

アッシェもレバニラくんの状況を見て心配しておる

「武器に使われなければ良いんですけどね…」

心の鍛練が出来ていない者が武器を持つと気が大きくなったり万能感で無茶をするからのぅ

ちゃんと指導者が見てやらんとならんのじゃがのぅ

「…旦那、本当に七歳児なんですかい?」

アッシェがワシの方を見てやっぱり呆れた様な顔をして言う

大っぴらにしないだけで隠す気は無いからのぅ

「だって使いたくなっちゃうじゃないですか?」

ワシはぷりちーに笑って言う

「まあ、俺も経験ありますがねえ…」

ワシとアッシェは剣に頬擦りする気持ち悪いレバニラくんを眺めつつ一抹の不安に教われるのじゃった

その日はガーディアスで一泊して翌朝ラゴウ村へ出発する

「本当に俺も同行しなきゃダメですかねえ…」

諦めの悪いアッシェの愚痴が聞こえる

そうは言ってもなんやかんや逃げずにやって来る

そういう男ではあるのじゃが

「はい、お願いしたい事もありますので」

ワシはそんなアッシェに返す

馬車に揺られる事数時間、昼を過ぎた辺りで事は起きた

魔物が出たのじゃ

角ウサギ…

この辺りじゃそう呼ばれとる

名前の通りの魔物じゃが大きさは2メートルくらいある比較的大型な魔物じゃ

「カタナ、僕がやるよ!」

馬車を降りてレバニラくんは抜刀する

…アレ、見た目よりずっと強いのじゃがのぅ

少なくともホブゴブリンを頭の角で一突きにするヤツじゃからのぅ

「どうしやす旦那?」

対応に困ったアッシェもワシに声を掛けてくる

「初戦がアレは流石に厳しいと思いますが…」

プライドが高いレバニラくんの事じゃ、口で言っても聞くまい

「取り敢えずポーション何時でも使える様にして待機ですかね」

ワシらの中で回復魔法使えるもんは居ない

無茶をされると困るのじゃがのぅ

「魔物め、覚悟っ」

勢い良くレバニラくんは 剣を振る

が、剣は虚しく空を切る

レバニラくんの行動に怒ったのか角ウサギが奇声を上げ角をレバニラくんに向ける

「ヒッ」

レバニラくんはそれに怯えて無防備になる

「全く…」

ワシの投げた石つぶてが角ウサギの眉間に当たり角ウサギは怯む

「大丈夫ですかい坊っちゃん?」

間髪入れずアッシェがレバニラくんの前に立つ

「…その、僕は…」

レバニラくんは理想と現実の差の大きさに言葉を失う

「アレは別格ですよ、恥じる事はありません」

ワシはそう言うとキーホルダーの軍刀を実体化させて角ウサギに切り掛かる

怒りがピークに達したか角ウサギは後ろ足をダンダンと踏み鳴らす

「それなりに修行した僕でもい一撃とは行きませんからね」

ワシはそう言うと角ウサギの横に周り腹を突く

「角ウサギは頭が頑丈な上に角が強力なんで正面で殴り合うのは俺もゴメンですぜ」

アッシェがレバニラくんにレクチャーする

そう、兎に角回り込んでは攻撃を繰り返して動きを止めるのが定石なのじゃ

数合打ち合うと失血で遂に角ウサギは倒れる

「ふぅ」

ようやっと倒れた角ウサギを見てワシは一息入れる

「お見事です」

アッシェが遠くから賛辞の言葉を贈ってくる

「手伝ってくださいよ、アッシェさん…」

ワシはアッシェをぷりちーに睨みながら文句を言う

まあ、苦戦する相手でも無いのじゃが兎に角タフで面倒臭いのじゃ

「やっぱり僕には才能が無いんだ…」

ワシの動きを見ていたレバニラくんが漏らす

「流石に初めてがアレは僕でも無理ですよ、レバニラくんもまずはゴブリンとかもっと弱いヤツから始めましょう」

ワシはレバニラくんの背に手を当てて言う

「才能があるヤツには僕の気持ちは解らないさ」

レバニラくんは寂しそうに呟く

気持ちは解らんではないが焦り過ぎじゃなかろうかのぅ

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