じじいのバトモンバトル
グルメジャンルになったりホビーバトルジャンルになったり忙しいのぅ
ワシ、ただ孫やひ孫がやっとったゲームに出てくるドラゴンと戦いたかっただけなのじゃがのぅ
バトモンゴーの掛け声に呼応して魔方陣フィールドが光を放ち、カードだった物がイラストに書かれていた合成魔獣の姿になる
相手の合成魔獣は説明を受けるまでもなく解る
親の顔より見た魔族のゴブリンじゃな
「こいつはゴブリンファイター、白だとコイツばっかり出るんだぜ」
男の子は言う
『出現率は1/20ですので言う程多くは無いハズなのですが最弱なので印象に残るのだと思われます』
ガイダンスさんが補足してくれる
ゴブリン、言う程弱くないのじゃがのぅ
不憫な奴らじゃ
「合成魔獣が出てきたら頭の中にそいつが出来る事が浮かんで来るからそれで命令するんだ」
男の子が言う
確かにフウゲツ様ライトと情報がリンクしとる気がするのぅ
全体回復
全体強化
全体攻撃
というのが表示せれとる
「じゃあぼくは全体強化します」
ワシがそう宣言するとフウゲツ様ライトの身体を緑風が包む
「一々宣言しなくても良いんだぜ、それにしても全体強化って凄いな」
男の子が教えてくれる
手の内は教える必要は無いという事かのぅ
「他にも全体回復と全体攻撃がある様です」
ワシは敢えて手の内を明かす
フウゲツ様の神託は風属性の強さを世に知らしめる事じゃからのぅ
「流石は神のカードってヤツだな、チーム戦の即戦力だぜ」
男の子はフウゲツ様ライトの能力に感嘆の声を出す
「そちらの番じゃないんですか?」
何時までも動かないゴブリンを見てワシは言う
「バトモンはターン制じゃなくてスピードが早い順なんで遅すぎるコイツは動けないんだよ、風属性は攻撃力低い代わりに一番早いから相手が動くまで何度でも動けるぞ」
男の子が教えてくれる
拙速は巧遅に勝るというヤツじゃな
そこでワシはゴブリンが攻撃を仕掛けてくるまでの間ひたすら全体強化を繰り返した
損耗を避ける事が勝つ事の基本じゃからのぅ
「…お前、小さいクセに戦い方がオッサン臭いな」
男の子がそう言いながらゴブリンで攻撃をしてくる
まあ、オッサンというよりはじじいなのじゃが
その攻撃でフウゲツ様ライトは可愛らしい悲鳴を挙げる物の一切ダメージは無いようじゃ
じゃが、ここはフウゲツ様ライトの恐ろしさを皆に見てもらう必要があるので全体回復を使う
フウゲツ様ライトが攻撃を受けた辺りが緑色に耀くのじゃが、当然何も起こっとらん
「いやらしい事するなぁ、次は攻撃力も見せてくれよ」
男の子が言う
「ではお言葉に甘えて」
ワシはそう言うと全体攻撃を行う
かまちたちとでも言うのじゃろうか?
緑色の斬撃がゴブリン目掛けて飛んでいく
じゃがそこは子供向けという事もありダメージを受ける仕草はするが表現はマイルドになっておる
「やっぱり攻撃力は低めだな、あんだけ強化してもゴブリンを一撃じゃ倒せないんだな」
男の子は言う
「でもこの高威力で敵全体を攻撃出来るなら逆に凄くない?」
別の男の子がフォローしてくれる
「確かにな、壁役一人護衛に付けたら味方が後は好き勝手に暴れられそうだし」
男の子はその意見に同意する
「まだ終わってませんよ?」
ワシは強化の時と同様にスピードを活かして何度も全体攻撃を仕掛けついにはゴブリンを撃破する
「手数で火力を埋めるのもありかぁ」
バトルが終わり男の子がカードを拾いながら言う
「それより見てみなよ」
男の子はイラストが消えて真っ白になったカードをワシに見せる
「これが戦闘不能状態で、コイツに魔力を入れると…」
男の子がそう言って額にカードを当てて魔力を込める
するとカードにイラストが戻る
ちょっと絵が違うがのぅ
「ラッキー、進化したし ウィンドウナイトゴブリン?初めて見る名前だな、兎に角負けてもこうやってパワーアップする事があるから弱いヤツでも突然強くなる事があるのがバトモンの楽しみ方だよ」
男の子はパワーアップしたカードを楽しそうに眺めながら言う
本当に男の子はこう言うのが好きじゃのぅ




