じじいテストを受ける
なんやかんやレクリエーションを行い昼飯の時間じゃ
食パンにバターを塗った物にトマトのスープ
とみかん
異世界人様々と言ったところかのぅ
午後は学力テストを受ける事になっとる
簡単な読み書きと簡単な算数
生徒の基礎学習能力を判断する為のテストじゃな
一般の生徒達は露骨に嫌そうな顔をしておる
バンゾーに至っては朝早くの鍛練と食後という事もあり半ば寝ておる
ワシやナスビ、モブデス嬢といった貴族組は早々に回答を終わらせてやる事が無くなってしもうた
ナスビもモブデス嬢もスンとお澄ましで不動の構えで座っておる
育ちの悪いワシにはこの退屈は我慢ならんのぅ
そもそも言語はワシ、ガイダンスさんが自動翻訳してくれるから112歳の知識フルで使えるからのぅ
貴族の教養とか以前の話なのじゃよ
暇潰しにと脳内で戦いをしてみる
先ずはオニのアカ
ワシの子分じゃな
殆ど鉄の塊みたいな大剣をあの性格の割りに巧みに操る戦闘種族のオニの中でもエリート戦士じゃ
『よろしければその対戦私がアカ役をしましょうか?』
ガイダンスさんが参戦してくれるのか、ありがたいのぅ
よろしくお願いするのじゃ
『わかりました』
そういうと脳内戦闘のアカがワシの思考から離れ襲い掛かってくる
ギィィン
最初に会った頃と全く同じ重たい一撃が襲う
ワシはそれを刃で受け止めつついなす
普通の刀ならこの時点で折れておる
流石はガイダンスさん、物凄い臨場感じゃ
ワシはアカが地面にめり込んだ大剣を構え直すより先に切り付ける
が、不意の気配に距離を取る
その刹那アカは炎を吐く
王噛戦で見せた奴じゃな
ならばとワシは飛翔の魔法で空を飛び一気に間合いを詰め体当たりをする
アカは一歩後退するもダメージにはなっとらん
やはり子供の身体ではどうにもならんか
十回程切り結ぶと頭の中でアラームがなる
『残念ながらテストが終わります、思考戦闘を終了します』
ガイダンスさんが教えてくれる
色々便利になった物じゃのぅ
また遊んでおくれ
『かしこまりました』
そう言うとガイダンスさんの気配が消える
やはり子供の身では強い相手だと攻め切れんのが課題じゃな
何時も虚竜化で刀を巨大化させてるだけじゃからのぅ
「ずっと考え事をきていたみたいだね、カタナくん」
テストの答案用紙を渡しに行くとスタンプ先生に声を掛けられる
「はい、暇潰しに脳内で戦闘訓練をしていました」
ワシは隠す意味もないので正直に答える
それを聞いた一部の生徒の表情が固まる
「しまった、礼儀だと油断して無心で居ました…時間は有効活用しなければなりませんね」
ナスビがワシの言葉に悔しがっとるが、そこそこの長い時間を無心で居られるのはワシからしたら逆に凄いのじゃがのぅ
「へん、俺は常に脳内でバトルしてるぜ」
逆にバンゾーは得意気に語っているが質が違うからのぅ
大方自分が大勝利する夢でも見とったんじゃろう
「バンゾーくん、それは良いけどもう少し答案用紙に何か書いておくれよ」
すかさずスタンプ先生からのツッコミが入る
本当に寝ていたのかも知れん…
「バンゾーくん、一流の戦士は文武両道だよ」
ワシはバンゾーに笑顔で言う
「わ、解ってるよそんな事」
ワシの笑顔の裏にあるもんを読み取ったのかバンゾーは口ごもる
最初の学力テストじゃから多少は大目に見るが続くなら鍛練はさせられんからのぅ
「はい、それでは五分間の休憩の後に次はみんな大好き算数のテストだよ」
スタンプ先生が楽しそうに語っておる
どこの世界でも子供の数字嫌いは似た様な物なのじゃろうな




