じじいと魔法書店
三階は魔法関連の店じゃな
魔道書やら魔道具やら杖やらが置いてある
ここも人気らしく見に来てる生徒が沢山おる様じゃ
「こんにちわ、ここの本は図書館の本と比べると多くは実用書だからある程度基本が出来てからの方が良いかもしれないけど興味が有るなら見ていってね」
ワシを見掛けたお姉さんがワシに声を掛けてくれる
「ありがとう、お姉さん」
ワシは笑顔で答える
見本と書かれた薄い魔法書に目を通してみるのじゃが内容はガイダンスさんが教えてくれる様な内容とあまり変わらん様じゃ
詠唱と無詠唱のメリット・デメリットとか四大属性とか
ガイダンスさん、実は凄いのじゃのぅ
魔道具はランプやら指輪やらなんやら置いてあるがさっぱり分からんのぅ
魔晶石の持つ魔力で魔法を人間の代わりに扱える道具
くらいの知識しか持ってはおらん
そして杖
ワシの知る魔法使いはレバニラくんとマナくらいしか知らんが二人とも杖は持ってはおらんかったからのぅ
何かあるのじゃろうか?
『杖について:杖は魔法を使用する際の補助などの効果があります』
ガイダンスさんが教えてくれる
成る程のぅ
剣士のワシには無縁なのかも知れん
自分には縁が無さそうなので早々にワシは魔法のフロアを後にする
四階は家具のフロアじゃ
ワシらは寮生活じゃから家具はそれ程重要では無いのじゃが細々とした家具は無いよりは有った方が良いからのぅ
やはりというかこのフロアは女生徒が目立つ
客層に合わせてかどちらかと言うとお洒落な装飾が施されている物が多い気がするのぅ
しかし、魔法のフロア以上に興味がないのでワシは次の階を目指す
五階は喫茶店なのじゃろうか?
憩いのスペースの様な感じじゃ
百貨店も最上階は飯屋と相場が決まっておるからのぅ
「見学の子かしら?ごめんね、この時間は生徒さんには何も売れないの」
お姉さんに断られる
そりゃ普通は授業中じゃからのぅ
「はい、見学だけさせてください」
ワシは笑顔でお願いする
「今日見学が入ってるのは聞いてるから見てるだけなら良いわよ」
お姉さんからの許可を得て改めて見て回る
この世界でも五階建ての建造物は相当に珍しくこの高さから見る景色は中々の物じゃ
「凄いでしょ、夜も綺麗なのよ」
それを見ていたお姉さんが教えてくれる
魔道ランプのお陰で夜も都会なら比較的明るいのじゃから夜景も綺麗なのじゃろうな
「子供なので見れなさそうですけどね」
ワシは笑顔で答える
「そうね、悪いことして怒られないでね」
お姉さんも笑顔で答えてくれる
「見せてくれてありがとうございました」
そろそろ集合の時間じゃろうからとワシはペコリと頭を下げて店を出る
「次はお客様として来てね」
お姉さんは手を振って送ってくれるのじゃった
「みんな揃っていますか?」
ワシが一階入り口に着いたタイミングでマーベ先生が声を発し点呼を始める
「全員揃っていますね、それでは学校に戻りますよ」
マーベ先生はそう言うとワシらを百貨店から移動させる
しかし、ちょっとした都市と聞いておったが下手な都市よりも大都会じゃのぅ
子供の為だけに数万人の大人が街を形成して仕組みを回しておるとは、ワルド様の影響力とは言え正気の沙汰とは思えん
その狂気の象徴がこの百貨店の存在なのかも知れんのぅ
そう思いながらワシは百貨店を後にするのじゃった




