じじいと売店
その後自由時間となり売店という名の百貨店を散策する
一階は雑貨売場となっていて文房具、参考書、制服といった物はほぼ支給品と言って差し支えの無い金額に設定されておる
ここでケチるのは野暮という事なのじゃろう、どれも最高級な造りになっておる
ペンなど一生物に出来そうな品質なのに子供の小遣いで当たり前に買えたしまう金額になっておる
二階は武器防具の店
一番人気のあるフロアで見物に来てるワシら以外にも上級生がポツポツとおるようじゃな
剣、弓、槍といった一般的な物がズラリと並んでおるがあまり変わり種の武器は無いようじゃ
基礎学習が主体ならこんなもんなのかも知れんのぅ
ワシはその中の一振の剣を手に取る
「ああ、危ないから触らないで」
店員は慣れた口振りでワシを制するが、ワシが手にした剣を見て言葉を引っ込める
「練習用で刃は付いていませんが振り回さないでくださいね」
そう言って店員は他の生徒の方を監視する様に行ってしまう
他の刀剣と比較して明らかに品質面では数段劣るのじゃがびっくりする程安い値段が付いていてワシは思わず手にしてしまった
「造りは拙いですがこれなら鍛練用には丁度いいかも知れないですね」
ワシは思わず感想を口にする
「拙くて悪かったな、俺の作品に文句があるのか?」
後ろから声を掛けられ振り向くと高等部の生徒じゃろうか、男の子が立っている
「そうですね、初心者の素振り用と考えれば悪くはないですが多分ぼくが振ったら一回で壊れます」
ワシは辛口レビューをする
「言ってくれるじゃないか」
男の子は指摘に心当たりがあるのか少し嫌そうな顔をする
「ここでこれを購入する層を考えたら使えないって事は無いとは思いますよ」
ワシはそう言って剣を元の場所に戻す
「剣も買えない子供の癖に生意気な」
男の子が嫌味のつもりかワシを子供扱いするのじゃがお前さんも子供じゃろうに
練習用のパーパスの剣ですらここに並ぶ剣では太刀打ち出来んがこんな口論意味が無いからのぅ
どうした物やら
と考えていると男の子の頭にゲンコツが落ちる
「バカ野郎、客人相手に喧嘩吹っ掛けてどうする」
ハゲの大男
見覚えがあるような無いような
「すみません坊っちゃ…って、あんたスミスさんとこに居たご子息様じゃありませんか」
ハゲの大男は目を大きく見開き驚く
ああ、ワシに喧嘩吹っ掛けて打ちのめしたハゲか、懐かしい話じゃのぅ
「その節はどうも」
ワシはハゲの大男に会釈する
この男はこの世界でもトップクラスの鍛冶職人スミス・ブラウニーのストーカーの一人でワシが武器を貰ったのが気に入らなくて喧嘩を吹っ掛けて来てワシに盛大に吹っ飛ばされた男じゃ
「そりゃスミスさんの武器を持ってる方からしたらここの武器はどれも二級品にもなれないガラクタでしょうが勘弁してやってください」
そう言ってハゲの大男は男の子の頭を下げさせ一緒に頭を下げる
「二級品だなんてとんでもない、武器は必要な人に必要な品質と価格で提供される事が一級品の条件です、その意味ではどれも一級品の武器ですよ」
ワシはぷりちーに笑って返す
「そう言って貰えると助かります、こいつもここで修行中でして、筋は良いんですがこの通り口が悪くて」
ハゲの大男が恐縮そうに語る
「こんな子供に何をペコペコしてるんですか、親方らしくない」
男の子がその態度に不満を言う
「この方はな、あの天才スミス・ブラウニーに認められて武器を授けられてその武器でC級B級の魔獣やドラゴンを単独撃破されているんだ、お前みたいな素人に毛が生えた様な青二才が口を挟んでいいお方じゃ無い」
ハゲの大男が男の子を怒鳴り付ける
「どうもすみません、よく言って聞かせますんで」
そう言うも男の子を引きずって去っていく
なんじゃかのぅ




