じじいのステータス
入学して最初にする事
それは身体測定じゃ
身長やら体重やら計って見覚えのある小さな水鏡の前に立たされる
アレじゃな、ステイタスを調べる奴じゃな
やはり想定通りじゃった
まあ、ワシのステイタスは紛い物なんで大して意味は無いのじゃが
「モブデス・ダレヤネンさん、ランクEマイナスです」
ステイタスを測る鑑定士がランクを宣言する
それにしても本当に誰やねん
次々に子供達が水鏡の前に立たされてはランクを決められておるのぅ
「ら…ライバ…ライバ・コッパーくん、Bフラットです!」
鑑定士の声に周囲がざわめく
「流石は未来の大賢人だ」
人々が好き勝手に語る中でワシはレバニラくんのステイタスに剣術のスキルがある事を見付ける
剣術Lv1…
その数字は決して大きくは無いのじゃが、元々スキルを持たないハズのレバニラくんが努力だけで習得したという事実その物にワシは心底感服した
それに引き換えワシのスキルはインチキが過ぎるからのぅ
魂喰らいという当代随一の武器職人、スミス・ブラウニーが打った武器で触れたもののスキルを得る事が出来るのじゃ
それで色んなスキルが手に入ったし、それより何よりじゃ…
「カタナ・ソードくん、順番ですよ」
ワシは鑑定士に呼ばれ水鏡の前に立つ
居られるのじゃろ、メイスイ様
ワシの心の声に呼応して世界の時が止まり灰色に変わっていく
「解りましたか?」
青く美しい、流れる様な長い髪の女神様が現れる
数多の世界の水を管理する神、メイスイ様じゃ
ワシのスキルは神様から貰った正真正銘ただのズルじゃ
「水鏡の時点で色々と察しました、その後如何ですかのぅ?」
ワンはメイスイ様に問うた
「あの祠?もう神殿と変わらないし食っちゃ寝するには最高です、ありがとうございます」
ニコニコとお礼をしてくださるのは結構なのじゃが本当にそれで良いのじゃろうか?
「今日のスキルの検査はトラブルの無いようにお願いします、メイスイ様」
ワシはそう言うて頭を下げる
「はいはい、お任せあれ」
そう言ってメイスイ様は軽薄に敬礼すると世界が色を取り戻す
「カタナ・ソードくん、ランクCプラス!」
レバニラくん程ではないが鑑定士は興奮気味にワシのランクを告げる
そんなに凄いのかのぅ
『一般的な八歳児のランクはFかGでCランクは大人の中の上くらいです、因みに偽装していない状態のランクはAマイナスです』
ガイダンスさんが教えてくれる
基準は解らんが凄いのじゃな、レバニラくん
あと誰やねんの人も地味に凄かったのじゃな
測定が終わったワシのところにレバニラくんがやって来る
ステイタスで勝てたから嬉しいのじゃろうか?
「カタナくんの水属性、レベル8って聞いてたのに9に上がってて凄いね、正直感心したよ」
レバニラくんはワシのステイタスの微増を称賛する
レベルを一つ上げるにも並みの努力では難しいらしいからのぅ
まあ本当のレベルは∞なのじゃが…
「ぼくなんかよりレバニラくんが剣術レベルを習得していた事にビックリしました、頑張ったんだね凄いね」
才能の無さを努力だけでねじ伏せてみせるレバニラくんの姿勢につい保護者の目線になってしまった
「ぼ…ぼくもソーディアスの貴族の端くれだからね」
これまで圧倒的な魔法の才の賛辞しか受けてかなかったレバニラくんにとって文字通り必死になって手に入れた僅かレベル1の剣術スキルは何よりも誇りだった
それを師匠の次に認めて貰えたのが嬉しくて照れてだらしのない顔になる
そんな二人のやり取りを遠くから見つめる人達が居た
可愛い男の子達の他愛の無いやり取りに興奮する者、玉の輿狙いで様子を伺う者
そして…
「天才様がそろって偉そうにしてムカつくぜ…」
嫉妬する者じゃ…




