じじいと学園長
ソーディアス王立初等学園学園長
ワルド教団の中でも特にワルド様からの寵愛を受けた大人がその席に座るらしいのぅ
それだけ子供に愛情を注げる人物なのじゃろうか?
スタンプ先生に連れられワシはその学園長と面会する事となったのじゃ
今さら読み書きを習っても時間の無駄じゃからのぅ
早々に免除して欲しい物じゃ
「学園長、入りますよぉ」
スタンプ先生がノックをすると扉が独りでに開く
魔法か何かかのぅ
「良く来てくれたね、カタナくん」
椅子に腰掛ける人…女の子?
大きく長い三つ編みのお下げを両肩から垂らすその少女はワシとそう変わらん様な年齢に見えるのぅ
「ああ、驚くのは無理もない、私はワルド様の加護により永遠の若さを頂いたのだ」
あのロリショタ女神、やっとるのぅ…
「私の名はロゥリィ、こんな見た目だがもう80を越えているんだよ」
鉄板の持ちネタなのか、得意気に年齢の話をする
ワシの子と歳はそう変わらんのぅ
なぁに、年齢詐称ならワシも負けとらんよ
「おや、驚かないんだね、それとも状況に着いて来れないのかな?」
ワシの反応が薄い事を気遣ってくれる
「すみません、学園の一番偉い方がこんなに可愛い女の子だなんて思っていませんでした」
状況に着いて行けない訳でもない、あの女神様の性格を知っていたら然もありなんと言ったところじゃ
「あら、お上手なのかしら、それとも身の程知らずなのかしらね…」
ロゥリィは少し意地悪そうな顔をして此方を見る
地雷踏んだかのぅ
「まあいいわ、可愛いのは事実だしね、それで確か学科免除の話と高等部の授業を受ける話だったわよね」
ロゥリィは意地悪そうな顔から一変して優しそうに笑う
それにしても自分でそれを言うかのぅ
「ステータスは見せて貰ったわ、正直学園でも歴代三番手の数字よ、一番はあなたのお父様ね」
ロゥリィは淡々と語る
パーパス、見たところチイトでも何でもないのじゃがのぅ
『魂喰らいから解析したデータによるとパーパス氏は正真正銘間違いなくこの世界の住人であり転生者などではありませんでした』
ガイダンスさんが教えてくれる
最早ガイダンスを越えた便利ツールさんじゃのぅ
『この情報はお役に立てましたか?(Y/N)』
情報その物はどっちでも良いがお助け機能が増えたのはありがたいからイエスじゃ
『お役に立てて何よりです、また何時でも声を掛けてくださいね』
そう言うとガイダンスさんの気配が消える
もう何でもありじゃのぅ、ガイダンスさん
「当然、そんな子に今さら読み書きを教えても仕方ないし学科免除は許可します」
ニコリと笑うその顔は本当に可愛らしい
ワルド様が成長を止めたくなる気持ちも理解せんではないのじゃが、それで良いのかのぅ
「ですが…」
ロゥリィは言葉を続ける
「学園にも学園の事情がありますので一部高等部の利用に関しては試験を受けて頂く事になりますが宜しいですか?」
ロゥリィは急に真剣な顔になる
何か問題でもあるのかのぅ
「はい、ワガママを言っているのはぼくなのでそれなりの条件は覚悟しています」
ワシも真剣な顔でそれに答える
「んー、内容聞いてから答えた方が良いと先生は思うのだけど」
それまで黙っていたスタンプ先生が横から声を掛けてくる
尤もな話ではあるのじゃが生憎ワシにも時間が無くてのぅ
あと六年もすると魔王が現れて世の中混乱するし、何よりワシも魔王が斬りたいからのぅ
「スタンプ、あなたに発言の許可をした覚えはありませんよ」
ロゥリィがスタンプ先生を睨む
その姿は愛らしい子供が怒ってる様にしか見えんのじゃがスタンプ先生は酷く動揺しとる
「お許しくださいロゥリィ様…」
さっきまでの悠然とした態度から一変して必死に土下座して謝罪しておる
このロゥリィという娘もただ者ではないという事じゃろうな
「横槍を入れてしまって申し訳ありません、改めて確認ですが試験は受けられるのですね?」
ロゥリィが問う
「よろしくお願いします」
ワシはその問いに迷うこと無く答えるのじゃった




