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じじいと魚くん

ぎょぎょっ

って、色々と問題があるから止めるのじゃ


池に水を張り数日が過ぎた

祭りに来ていた人達も次々と帰路に発つ

「若様、見てくだされ」

ソンに呼ばれてワシは池へと向かった

そこには大層な木造の神社があった

「祠と言いましたよね…」

それは確かに大きくは無いの立派な建築物じゃった

「ハハハ、申し訳ありません、皆張り切りすぎまして」

ソンは笑っとる

「負担で無かったのなら別に構いませんが…」

その大層な仕上がりの(やしろ)はノリというよりは悪ノリの類いじゃ

「それより見てくだされ、若様」

ソンは池を指差す

そこにはただ水を張っただけではあり得ない魚群の影が映る

「社のお陰か、何故か魚がわんさかとおりまして元々漁師をやっとりました連中が喜びながら早速道具の手入れをしております」

ソンは愉快そうに笑う

あの酔っぱらい連中の事じゃな

ワシは新天地を目指してこの村にやって来た新しい村人達の事を思い出す

「漁を許可します、ではそれをマース商会に卸せる様に手配をお願いします」

ワシは早速指示を出す

マース商会は手下二号の若きマフィアのボスである小間切れアッシェという男の表の顔じゃ

「かしこまりました、して漁師の組合など如何しましょうか?」

ソンは了解すると共に別の質問をしてくる

「その道の事はその道の人に任せるに限ります、漁師達に相談して決めさせてください、ガイさんを調整役に回せば上手く行くでしょう」

ワシはガイを巻き込む事にした

彼は元々この村の出身者じゃ

新しい村人だけで全てを決めさせるより彼が交ざる方が軋轢は生まれまい

「かしこまりました、してこの社の名前なのですがカタナ神…」

そこまで言い掛けたソンの言葉を被せる様に止める

「却下です」

この村の連中はどうしてもワシの名をこの地に残そうとしたがる

「因みにですが、この池をカタナ湖にするのもダメですよ?」

ワシは追撃で釘を刺す

「ぐぬぬっ、先手とはやりますな若様…」

先手を打たれソンはぐぬぬするのじゃった

翌日

「カタナ様、おはようございます」

朝の稽古を終えたワシのところにハゲの大男が訪ねてくる

以前相手をした酔っぱらいの新村人の一人じゃな

「おはようございます、ええと…」

返事はした物のこいつの名をワシは知らのじゃ

「大変失礼をしました、俺…私はアミシと申します、前の村では漁師達のまとめ役をさせて頂いておりました」

ハゲの大男…アミシはペコリと頭を下げ自己紹介をする

漁師だから網師

相変わらずメイスイ様のネーミングセンスは適当じゃのぅ…

「アミシさんですね、以後よろしくお願いします」

ワシはぷりちーに笑って返す

「で、そのアミシさんが朝からどの様なご用件でしょうか?」

ワシはアミシに問うた

「はい、早速の漁の許可のお礼がどうしてもしたくて」

アミシはそう言うと籠に入った数匹の魚をワシに差し出す

「最初の漁果でございます、どうしても初物を一番にカタナ様に召し上がって頂きたく朝イチで獲って参りました」

そう言うとアミシは深く頭を下げる

「それと他の連中のオニさん達への無礼を代表して謝罪させてください」

アミシは結構な熱量で謝罪をする

「カタナ様に一番に魚を食べて貰いたいと相談したら彼らは喜んで舟を作るのを手伝ってくださいました…何もしないでただ酒に逃げていた、こんな俺達を迎え入れてくれた事に幾ら感謝の言葉を並べても足りません」

アミシは続ける

「俺も前の村ではそれなりに顔が利きました、こんな俺で良ければ彼らが誤解されている状況の改善のお役に立たせてください」

アミシは土下座でもしそうな勢いで頭を下げる

「あなたのお心遣いは感謝します、ただ強引に変えようとせずゆっくり時間を掛けましょう」

そう言うとワシは広場の方に目をやる

「だって、ぼくら子供は解りあえていますから」

そにはヒト、オニ、ドワーフ

様々な人種の子供達が何も考えずに駆け回り遊んでいる姿があった


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