35話
日間1位になりました!
マジかよ……
……35話をお楽しみください。
アイラが射撃している途中で、何匹かのオーガが森の中へ入ったのでノールとアイビスが全部倒しに行った。
俺は本当に何もしていない。レベル上げようとか思えよ。
戦闘自体は3分もかかっていない。
しかし、騎士の方はそうはいっていないみたいだ。
まず数が多い。こっちの倍はいそうだ。
アイラがいたから楽に終わったけど、『弓の加護』のおかげだ。
普通はこうならない。
5人じゃぎりぎりだ。
いや、もう抑えられていない。
後ろの馬車が襲撃されている。
「うわあああぁああぁ」
「誰か助けてぇ!」
「いやぁ!!」
商隊に同行した人たちが襲われている。
男女の組み合わせが多かった。
男は蹲り、女は捕獲され連れて行かれている。
「ノール!行くぞ!アイラとアイビスは後ろを警戒しておけ!」
ノールと共に走りだし、女を抱えているオーガを攻撃しようとするが、他のオーガがそれを邪魔してくる。
マズイ。負けることはないが、このままでは追いつけない。
まだ悪い事態は起こる。
騎士団の方向から悲鳴が上がる。
「うわぁあぁあ!アイザックさん!」
一人の騎士がやられている。首が曲がってはいけない方向を向いている。あれでは……。
しかも、ベテラン騎士だ。なぜやられた?
「ゴアアアァアァア!!!」」
一匹のオーガが勝鬨を上げる。
なんて音量だ。耳が痛い。
騎士は半壊したも同然の状況になっている。
あの騎士が戦線を支えていたのか。
たぶん、あのオーガ『スキル持ち』だ。体がでかい。
『解析』!
名前:オーガ
レベル:19
スキル:縛術Lv16
やはりか。『縛術』。殺されてもおかしくない。
『縛術』は文字通り、相手の動きを縛ることができる。
視線を交わすことが発動条件になり、縛る強さは距離に比例する。
あの騎士は『縛術』持ちとは知らず、目を合わせてしまい、動きが止まってしまったんだ。
そこをオーガに攻撃されて首の骨を折られた。
近距離戦はかなり不利だ。
「ノール!ここは任せた。」
「了解!!」
アイラの方へ戻る。アイラは切り札だ。
その前に。
「アイビス!ノールをサポートしろ!」
「わかったわ!」
黒い鎌を構えて敵陣に突っ込んでいった。
これでノールも余裕を持って戦える。
作戦通りにアイラに接触する。作戦会議も無駄ではなかった。
「アイラ、準備はいいな?」
「う、うん!」
よし、いい返事だ。あとでいっぱい褒めてやる。
『付与魔法』!
アイラの体を淡い光が包み込む。いつにも増して神々しい。
「あのでかいオーガだ。目線は合わせるな。」
「……了解」
こちらにまで集中力が伝わってくる。『弓の加護』があるからって何でもかんでも当たるわけではないのだ。勘違いをしてたか。
アイラが目をカッと見開き、必殺の矢を撃つ。
オーガは回避する素振りを見せる暇もなく、脳漿をぶちまけて死んだ。
周りのオーガは首からあふれ出る血をその身に受けながら、硬直している。
一瞬の静寂のあと、オーガが無様な姿をさらしながら北へ撤退していった。
アイラと馬車の上から降りて、ノールとアイビスと合流する。
「連れ去られた人はどうなった?」
「ごめん、ボス。無理だった。オーガたちが逃げって方向に連れてかれっちゃた。」
「気にするな。お前のせいじゃない。」
最初から商隊全体を守っておけば。いや、こんなことを考えていても意味はない。
後悔に駆られていた時、前方から声が上がる。
「騎士様!妻が連れていかれました。どうか御救いください。」
「俺の彼女もだ。お願いします。一生のお願いだ!」
連れていかれたのは2人か。
助けに行かなくては。俺にも責任の一端はある。
だが、3人の騎士はそうは思っていなかった。
代表して一人が喋っている。
「む、無理だ。アイザックさんがいなければ、とても助けには行けない。
死ににいくだけだ。諦めてくれ。」
何を言っているんだ?
「そ、そんな……」
「だいたい、あんな女の一人や二人いなくなるより、私の命の方が大事に決まっている。
私を誰だと思っているのだ!?」
逆切れだ。
喋っている騎士に近づいていく。
「誰なんだよ?」
「何だ、貴様!だれに向かって……」
「誰なんだよ」
「わ、わたしごぁ!……」
殴った。渾身の一撃だ。『体術』を使っただけだ。死にはしない。
「使えないクソ騎士団が。戦えないのに騎士なんて名乗ってんじゃねーよ。」
他の2人は黙り込んでいる。見たことあるような顔だが、知ったことではない。胸糞悪い。
泣き崩れている二人に話しかける。
「あんたら、俺たちが行ってくるから心配するな。
大丈夫だ。こっちには『加護持ち』がいる。安心だろ?」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「た、頼む!助けてやってくれ」
胸が痛い。俺の責任もあるのに。
「ザックさん、行っても大丈夫ですか?安全は確保していると思います。
騎士もまだ3名います。」
「そうですね。人の命の危機です。私は大丈夫なので行ってください。」
「ありがとうございます」
お礼を言って、仲間の元に向かう。
「聞こえていたな?女性二人を救出しに行く。」
「「「了解」」」
「アイラ、矢はあと何本ある?」
「30本あるかないかです。」
少し少ない。本気でやればすぐになくなってしまう。
「わかった。アイラは援護に回れ。矢は温存気味に。」
「はい」
「行くぞ」
「「「了解!」」」
北へ向かう。
草むらに4人で隠れている。
前方40mの開いた場所にオーガが30程度。女性の姿はない。
奥に洞窟のような場所がある。あそこだろう。
「ボス、まだ生きてるかな?」
確かに。……いや。
「殺すつもりならさっき殺せばよかったんだ。おそらくまだ死んでいない。
犯しつくした後、喰うなりするんだろう。」
アイラとアイビスの表情が曇る。
女の子の前で話す内容ではなかった。
「まだ生きているということだ。速やかに殲滅する。
俺の『火炎魔法』であらかた焼き尽くすから、生き残ったのはノールとアイビスで狩ってくれ」
「「「了解」」」
息を吸い込み集中する。あの一帯を爆撃する。
『火炎魔法』!!!
圧縮された炎の塊が、オークがたむろする場所に着弾して、肉片をまき散らす。
『スキル持ち』でなければ、一発で死んでくれる。
「……すごいわね、ネクロ」
そう言えば、見せるのは初めてだったな。
結局、オーガは全滅できた。集中する時間があれば、高威力の爆弾が作れる。
洞窟の奥に向かおうとしたとき、『索敵』に反応があった。
まだいたのか。
「止まれ。まだオーガがいる。」
全員その場に立ち止る。洞窟からの距離は15m程度。
ここからエクスプロージョンを使ったら、生き埋めになる可能性もある。
「グウアアアァアアァァァアア!!!」
大音声を上げて洞窟から一匹のオーガが姿を現した。
またでかい。
『解析』!
名前:オーガ
レベル:19
スキル:空撃Lv11
『空撃』?




