表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/62

17話

 解析結果は


名前:ノール

歳:13

性別:男

レベル:10

スキル:****


名前:アイラ

歳:13

性別:女

レベル:9

スキル:****


 となっている。

 二人の特徴と言ったら狼耳?て言えばいいのか?とにかく犬っぽい耳がついてること。

 あと、二人とも髪の色が美しい。

 ノールの方は銀色に少し黒を混ぜた感じ。アイラは銀というより白に近い。

 どちらも顔の造形は整っている。


 アホか!俺は!身体的特徴を描写してる場合じゃない。


 スキル:****のことは気になるが、問題は年齢だ。



 13歳だと!?



 怒りしか湧いてこない。奴隷は15歳からが原則だ。これは、王国法で決められている。

 この店主、正規の手段でこの二人を手に入れたわけじゃないな。


 ……決めた。この二人は俺が引き取る。

 手持ちは11万ユグ。足りないだろう。

 でも俺には、『解析』、騎士学校卒業の肩書、王国法がある。

 すべてを使って二人を保護する。


 「この二人は若いですね。いくつになりますか?」


 「ええ、二人とも15歳。しかも双子になります。」


 なんとなく予想してたけど、やっぱりそうか。

 二人ともかなり似てる。



 「獣人はこのあたりでは見かけませんが、どういう経緯でこの二人は奴隷になったのでしょうか?」


 「なんでも二人で罪を犯したそうです。王国法の範囲外のことでしたが、獣人の間では許せず、奴隷にしたそうです。ちょうどその時に私どもの商会が近くにいて、引き取ったのであります。」


 嘘だ。確かに獣人とは文化の違いでいろんな問題が起きやすいが、13歳の子供を奴隷には落とせない。

 こいつも、二人のステータスの確認位はするはずだ。

 

 いや、知っていようがいまいが関係ない。王国法を盾に騎士団に突きだされて困るのはコイツだ。

 それに、二人とも目が死んでいる。自分の運命を受け止めきれていない。

 不当な手段でここにいると考える。


 一応コイツも解析しておくか。


 『解析』


名前:オリーブ

歳:41

性別:男

レベル:20

スキル:索敵Lv13

     隠密Lv12

 


 こいつ!!!

 もう確定だ!スキルが物語ってる!全部奪ってやる!


 「いいですね。気に入りました。値段はどうなりますか?」

 顔に出すな。怒っていることがばれるな。


 「そうでございますね。二人で金貨10枚でどうですか?」

 相場の5倍か。足元見やがって。

 交渉は得意じゃない。始めるか。


 「突然なんですけど、これ何かわかりますか?」

 懐から元生徒手帳を出す。ステータスが確認できるものだ。


 「……騎士様が持っている物ですね?

 それでしたら勉強をして、金貨8枚でどうでしょう?」

 上手い具合に勘違いしたな。俺は義勇兵だ。


 「俺は『解析』を持っている。この意味が分かるか?」


 「な……!」

 明らかに動揺しているな。悪いことはするものじゃない。


 「生憎手持ちが金貨1枚分しかないんだ。頼むよ。」


 「し、しかし。それはいくらなんでも……!」

 俺は素早く奴の顎を掴む。口をふさぐ形だ。これ以上コイツと会話するのも嫌気がさす。

 それに、触る必要もある。


 『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!『スナッチ』!!


 2つとも奪ったな。


 「金貨1枚分しかないんだよ。困ったなぁ。上司に何か喋っちゃいそうだよ。」

 

 手を放し開放する。

 王国法で裁かれれば、ただでは済まないのはコイツだ。

 頷くしかないはずだ。

 賄賂を贈れば見逃してやると言ってるんだ。


 「わ、わかりました。ですがこのことは……」


 「分かってるよ。お互い様だからな。」

 暗殺しようとしてくるなら、コイツが来るはずだ。『隠密』があったからな。

 もうないけど。


 金を渡して、ノールとアイラを連れてきた。

 「二人ともこの騎士様に挨拶しろ。」


 「「……」」


 二人とも喋りはしないが、頭を下げてくる。無反応じゃないだけマシだ。

 「ではな。俺も約束は守るから、あんたも頼むぜ?」


 「は、はい」


 二人を連れて出口に向かう。喋らないけど、ちゃんと付いてくる。

 まずは二人を安心させるとこからだ。




 宿に戻って、無理言って二人の軽食を作ってもらった。


 軽食を待つ間、テーブルに座って自己紹介を始める。

 「はじめまして。俺はネクロ、18歳だ。

 二人も簡単でいいから、自己紹介してくれるか?」


 「……ノール、13歳。」

 「……アイラ、13歳。」


 「そうか、ノール・アイラよろしく。」

 二人が同時に頷いてくれる。


 二人にはこれからの目的を持ってほしい。18歳の小僧が偉そうだけど。


 「確かに俺は二人を買ったけど、奴隷にはなってない。」


 「……どういうこと?」 

 ノールが聞き返す。

 初めての積極的な発言だ。質問に答えたわけじゃない。興味があるんだな。それでいい。


 「あの奴隷商は不正がばれたくないから、君たちを僕に売った。

 慌てていたのかわからないが、正式な奴隷契約を交わしていない。

 この意味が分かるか?」


 二人が顔を上げてこちらを見る。

 表情はさっきまでの暗いものじゃない。


 「うん」

 「はい」


 いい返事だ。


 「そんな二人に質問だ。何がしたい?」


 「「帰りたい」」

 当たり前だ。おそらく、誘拐されている。帰りたくないわけがない。

 二人を帰すために安くない金を払ったんだ。そうでなくちゃ困る。


 「でも、どうする?お前たちには帰る手段がない。

 厳しい言い方かもしれんが、1週間でのたれ死んでもおかしくない。

 今の二人には金を稼ぐ手段がない。」


 「それは……」


 「わ、私たちこれでもつよいんです!

 『スキル持ち』なんです。なんとかなりますよ。」

 

 アイラの声が少し大きくなった。

 帰れるかもしれないから、なりふり構ってられないだろう。


 ノールは少しは落ち着いてるかな?わかんないけど。


 「アイラ。さすがに武器がなきゃ無理だよ。僕たちのスキルじゃ武器を買わなきゃいけない。

 でも、そんなお金は稼げない。身元不明の13歳なんてどこも雇ってくれないよ。」


 「うう……」


 これ以上いじめても可哀想だ。何度も言うが二人を助けるために金を払ったんだ。

 目的を忘れちゃいけない。


 「二人とも俺が送ってってやる。」


 「「えっ?」」

 

 「聞こえなかったか?送ってってやると言ったんだ。

 元々、二人を助けるために大枚はたいて買った。

 最初は適当に奴隷を買おうとしてたけどな。」


 「いいの?」

 「本当ですか!?」


 ノールはその場で俺を見つめ、アイラは身を乗り出して覗き込んできた。


 「ただし、条件がある。」

 うわ、二人とも一気に落ち込んだ顔になった。

 変なことじゃないよ。


 「二人でたくさん金を使っちゃったから、今はあまり金がないんだ。

 二人には迷宮でお金を稼ぐのを手伝ってほしい。

 『スキル持ち』なんだろ?

 二人を故郷に返すのにも金が要りようになる。

 お前たちが帰るのにも必要なことだ。」


 二人の顔が明るくなる。

 

 「そんなんでいいなら、いいぜ!、ボス!」

 ボス?


 「ありがとう!お兄ちゃん!」

 お兄ちゃん!?す、素晴らしい!白髪犬耳美少女にお兄ちゃんって言ってもらっちゃった!

 これだけで、10万ユグ払ったかいがあった。


 「そ、そうか。やる気があるのはいいことだ。

 二人とも武器は何を使うんだ?」


 「俺はね!剣!2本ね!」

 2本?2刀流?黒のロングコート着せたい。


 「はい!はい!私は弓!」

  立ち上がって、精一杯手を伸ばしてる。かわいい。ひたすらかわいい。


 元気になったな。

 スキルの文字化けもなくなるはずだ。心がふさぎ込んでいると、並大抵の解析系ではスキルを読み取れないのは知っていた。もしかしたら『隠蔽』持ちかもと疑ったが、無駄な心配だったな。


 全員のステータス確認だ。

 

名前:ネクロ

 歳 :18

 性別:男

レベル:18↑(1)

スキル:スナッチLv3

    強化Lv10↑(1)

    火炎魔法Lv18↑(1)

    剣術Lv22

    解析Lv18(1)

    体術Lv18

    生命力Lv5

    索敵Lv13

    隠密Lv12


名前:ノール

歳:13

性別:男

レベル:10

スキル:双剣術Lv17


名前:アイラ

歳:13

性別:女

レベル:9

スキル:弓の加護Lv16


 


 おしっこちびりそう。

 二人とも凄い。年齢よりレベルが高いのは高評価だ。

 ノールの『双剣術』は『剣術』より強いと噂のスキルだ。たぶん俺負ける。


 問題はアイラ様だ。様づけしちゃった。声には出さないよ。

 『弓の加護』だって!?『加護持ち』!?

 あらゆるスキルの上位に存在するもんじゃん!

 『弓の加護』の話はよく聞く。矢は百発百中で、自分には矢が当たらないとか。

 接近戦に弱いって聞くけど、ノールが守ってくれるよ!アイラ様!



 世界最強の双子だ。どうやってこいつら誘拐されたんだ?謎だ。



 「二人とも凄いスキルを持ってるな。ビビったわ。」

 素直に言っちゃったよ。


 「ボス、解析系持ってるんだ!」

 「お兄ちゃん、すごいね!」

 アイラの方がすごいよ。あと、お兄ちゃんってもっと言って。



 厨房からおばちゃんが出てきた。

 「簡単なもので悪いけど、たくさん食べな!」


 こんなに作ってくれたの?絶対に子供好きだな。二人ともかわいいし。


 「いいの?」

 「食え食え。おばちゃんが泣いちゃうぞ。」


 その言葉を皮切りに、ノールもアイラもご飯にがっつく。

 腹減ってたか。飯食った後でもよかったかも。

 ……いいか。



 自然と顔が笑ってしまう。

  


 俺にも仲間ができた。

 


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

評価してくださると、一段と頑張れます。


奴隷にするつもりでしたが、書いてる途中でなんか嫌になったので、こんな形になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ