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16話

 運よく戦闘をせず迷宮を抜け出したところで体がふらふらし始めた。

 『スナッチ』を使いすぎたことによる障害だ。

 力の代償だ。甘んじて受ける。


 いつもなら斡旋所に向かって換金するが、今日はもう無理だ。

 明日の朝、換金に向かおう。それと、明日は休むか。

 今までずっと迷宮に行ってた。まったく休んでいない。誰も文句は言わない。ボッチだし。



 


 宿に戻ったところで、おばちゃんが心配そうに聞いてきた。


 「大丈夫かい?かなりふらついてるように見えるけど……」


 「ちょっと頑張りすぎただけですよ。ちょっと寝てきます。

 ご飯ができたら起こしに来てくれませんか?」


 「いいわよ。ゆっくり休みなさい。ごはん楽しみにしときな。」


 ここの飯は旨いからな。母さんといい勝負だ。


 「そうさせてもらいます。」


 2階に上がりゆっくりベットに倒れこむ。睡魔はすぐに襲ってきた。





 コンコン



 ……誰かノックしてる?

 ……ごはんか。


 「起きましたよ」


 「じゃあ、下に降りてきな。自信作だよ。」


 そりゃ楽しみだ。




 飯も食い、風呂も入った。

 体調はさっきよりいいが、まだ眠い。明日は休みにしたし、もう寝る。






 おはようございます。みなさん。今日は休みです。素晴らしい。


 飯食って、斡旋所で換金するか。




 「おはようございます。サラさん。」


 「ネクロさん。生きてたんですね。」

  死んでもらった方がよかったって聞こえる。不思議。……本当に思ってないよね?


 「昨日はちょっと疲れて来なかっただけです。そう簡単には死にませんよ。」


 「言い方が悪かったです。すいません。昨日来なかったんで心配だったんですよ?」

 よかった。俺の被害妄想だった。


 「冗談です。換金お願いします。」


 「承りました。」


 早速鑑定台において、金額を測ってもらう。


 ?サラさんが一瞬硬直した。なんだ?


 「……ネクロさん。昨日『スキル持ち』と戦って死にかけたから、換金しに来なかったんですね。」

 鑑定台そんなことまで分かるのか。すげえ。


 「……まぁ、簡単に言ったらそうなります。あまりの強さに泣いてたし。」


 「次からは気を付けてください。」

 少しむくれてる。かわいい。


 「今回は27,000ユグになります。」


 27,000!?なんで?いつも7,000前後なのに。


 「高すぎじゃないですか?」


 「知らないんですか。『スキル持ち』の魔石は普通の魔石とは比べ物にならないくらい高くなります。

 魔石と武器や防具を組み合わせて、スキルをある程度再現できるんです。

 希少性もあって、かなり高い買取金額になります。

 今回は2層のイトムシだったので20,000ユグでしたが、もっと上の層だったらこんなもんじゃないですよ。」


 「そうなんですか。」

 あれだけ頑張って20,000ユグ。釣り合ってんのか?死にかけたよな?

 高くて損はないか。それより、今回の換金でちょっと目的ができた。宿に戻りたい。


 「ありがたく貰います。頑張った結果ですから。」


 「……そうですけど。死んだら意味ないんですからね?」


 「はい、肝に銘じます。」 

 いや、マジで。


 「それじゃ、失礼します。」



 さっさと宿に戻って、手持ちの金の総額の確認だ。



 えーと……11万7,000ユグか。金貨1枚、つまり10万ユグを超えた。

 最低限の奴隷を買えるだけの金額はある。

 今日は買う気がないが、視察と行くか。




 奴隷商会の場所は知っている。少しはこの町の地理に詳しくなったつもりだ。

 朝だから人が少ないな。

 早くも失敗した。まあ、ゆっくり見てくか。


 「いらっしゃいませ。どのような者をお探しでしょうか?」

 

 店主らしき人物が出てきた。

 見た目は取り繕っているが、嫌な笑顔だ。


 「戦える奴隷を探している。性別は問わない。」

 できるなら女性がいいけど。


 「そうですか。でしたらこちらへどうぞ。ご案内します。」

 そう言って、奥へ進んでいく。

 

 場所柄敵地に踏み込んでるみたいで、行きたくない。

 そうも言ってられんか。冷やかしだと思われたら困る。冷やかしだけど。


 「こちらはどうでしょう?この屈強な体を見てください。

 戦いでの盾役として活躍すること間違いなしです。」


 ……怖い。顔が怖い。無理。こんな人と四六時中一緒なんて。


 「……すいませんが。」


 「そうですか。では、次に行きましょう。」


 店主が気を悪くした様子はない。この程度で、何かあっても困るけど。


 

 それから、何人もの奴隷を見せられたが、とてもじゃないが一緒にいられるような顔じゃない。

 寿命がマッハになる事請け合いだ。

 くそぅ、女性限定にしてもらえばよかった。


 次に見せられた奴隷はさっきまでとは違った。

 檻の中に二人入ってる。さっきまでは一人だったのに。

 しかも、人間じゃない。言い方が悪かった。


 獣人と言えばいいのか?どうも蔑称になりそうでいやだな。

 でも、今までで一番気になる。


 「この二人は?」


 「こちらは東の地方にいました獣人です。しかも、狼の特徴を持つ希少種です。」


 「……」

 俄然興味が出てきた。


 

 『解析』


名前:ノール

歳:13

性別:男

レベル:10

スキル:****


名前:アイラ

歳:13

性別:女

レベル:9

スキル:****


 どうなってる?

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

評価してくださると、一段と頑張れます。

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