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ごわす野郎

いつもの帰り道。 俺はゴリラと騎獣置き場へ向かっていた。


「そういや、お前最近腕なくならねーな」

「あたりめーだろ。そんな切れてたら金がなくなるわ」

「ちげーねー」

「そういや、奉仕活動どうだった?」

「なかなかすげぇ体験だったよ」

「すげぇ?」

「鞭で打たれて喜ぶやつがいたり、ボアの目が優しくなったり、うっすら光りだすやつがいたり」

「聞いてると完全にやべぇ宗教にしか聞こえねぇよ」


そんな会話をしながら騎獣置き場に行く。

「おれのボアちゃんがいねぇ」

「おい湊、あそこ見てみろ」

ゴリラの指が指す方を見る。


俺のボアちゃんが土俵の上にいた。

周りでは相撲部員が「どすこい、どすこい」と声を上げている。

俺はそこに向かって走る。

「何してんだてめーら!」

「今日からこの猪は相撲部でどすこい」

「何言ってんだ? ボアちゃん、こっちこい!」

ボアは動かない。


真剣な顔してデブがしゃべる。

「この子は入部試験に合格したでどずこい」

「何意味の分かんねーこと言ってんだよ」

ふとボアを見ると、いつも以上に目を輝かせていた。


俺は今朝のことを思い出した。


晴れていい天気だった。


俺はいつもの場所に、騎獣を停めようと向かっていた。

しかし、その通る道に異様な一団がいて通れなかった。

そいつらはどすこい、どすこい、うるさかった。


「ひくしかねーか」

俺はアクセル全開で突っ込んだ。

どん。どん。

邪魔な奴を引いて、俺はいつものところに騎獣を停めた。


「もしかして、あれで目覚めたか?」


そんなことを考えていると、脂肪の塊みたいなやつがこっちに近づいてきた。


「俺は部長でごわす。稽古の邪魔をするな、ごわす」


身長も横幅もゴリラよりでかい。

特に横幅がやべぇ。ほとんど脂肪だ。

歩いてきただけなのに、はぁはぁ言ってやがる。


「おめーらこそ、何してんだよ!」

俺はそのまま剣を振り上げ斜めに斬りかかる。

ごわす野郎は手を横にして上げた。

腕に俺の剣が当たる。


バイーン。


剣が腕の脂肪に跳ね返された。

「ふざけんじゃねー!」

斬れねーなら、突くしかねーな。

ごわす野郎は一歩も動かない。

俺の剣はごわす野郎の腹に突き刺さった。


バイーン。


脂肪を貫くことができずに、俺の剣はまた跳ね返された。


「舐めた真似しやがってー!」

「おめーが最近粋がってる一年でごわすな」

「だったらどーする!」

「稽古をつけるだけでごわす」

「稽古だとぉ? 稽古でぶっ殺してやる!」

「できるものならやってみるでごわす。タイマン用リングまでついてくるでごわす」


俺はごわす野郎についていき、リングのある場所まで移動した。


そのまま、ごわす野郎はリングへ上がる。

俺も続いた。

リングは正方形。

周囲は金網で囲われていた。

軽く跳ねてみる。

リングの下にバネでも入っているのか、妙に弾力がある。


「ルールは簡単でごわす」

ごわすが言った。

「死ぬか、気絶したら負けでごわす」

「おもしれーじゃねーかよ」


ガチャン。

何かのスイッチが入る音がした。


すると、一人の男がネズミを金網へ投げつける。

ネズミが金網にぶつかる。

びりびりびりびり!

一瞬で黒焦げになった。


「電流が流れているでごわす」

「ますますおもしれーじゃねーか」

カーン!

ゴングが鳴り響いた。

その瞬間、俺は剣を振った。

相手は腕を上げる。

さっきと同じように脂肪で弾ける。

そう思って油断しているようだ。


剣は腕の手前を通り過ぎてから少し相手側に踏み込む。


ぱすっ。


予定通り、まわしを斬ってやった。

「なっ!」

俺はすかさず、切れたまわしを引っ張って取り上げる。


「何するでごわす!」

片手で股間を隠しながら、ごわすがまわしを取り返そうと襲ってきた。

俺はそれをかわし、そのまま、まわしを金網へ投げた。

「ぼくのまわしでごわす!」

ごわすが飛びつく。

そこを後ろから背中を蹴ってやる。

ごわすは金網に突っ込んでいく。


びりびりびりびり!

「ごわあああああ!」

ごわすは黒焦げになり、その場に倒れた。

「俺の勝ちだな」

俺は剣をしまった。


「俺のボアの入部は取り消しな」


そう言ってリングを降りた。

「帰るぞ、ボアちゃん」

と言って外へ出た。

その時だった。


どん。


後ろからモブキャラに押された。


びりびりびりびり!


目を覚ますと、教会室にいた。

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