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体育会連合

俺は何が起きたのか、全く理解できなかった。

目が覚めるとぐるぐる巻きにされて橋の上から吊るされていた。

逆さ吊りにされて、当然手も一緒に巻かれているから手も動かせねー状態だ。

下をみる。

高さは十メートルほどで落ちても死ぬ高さではない。

下には川が流れていて、それほど深くなさそうだ。

川幅も十メートルくらいだろうか?


「やっと起きましたか」

「なんだてめー、どういうつもりだ」

「昨日はごわす野郎がお世話になりました」

「あーあいつか、黒焦げにしてやったぜ」

「体育会連合を代表して、そのお礼をさせていただきます」

どうやら昨日のお礼のようだ。


だとしても、この状況は理解できねぇ。

「じゃーなんで、てめーも吊るされてんだよ!」


偉そうに語っているこいつも同じ状態で俺の横で吊るされてる。


体育会連合代表というだけあって、なかなか筋肉がありそうだ。

首も太ぇし、ラグビー部かもしれねぇ。

背も俺よりたぶんでかい。こんな状態なのでよくわかんねーが。


その連合の代表は言ってきた。

「それはあなたと勝負するためです」

「舐めやがって。勝負と聞いたら、男として受けねーとな」

「いい心がけです」

連合の代表はニヤッと笑う。


そして、そいつは突然テンションを上げてきた。

「じゃじゃーん。体育会連合名物吊るされ体当たりゲーム開幕ー。ぱちぱちぱちぱち」

「どういうゲームだよ。全く分からねーから説明しろ」

「今から説明するところですよ。せっかちさん」

「早く説明しやがれ」

「それでは早速せ……」

ドン。

こいつがうだうだしてるから、反動をつけて体をぶつけてやった。

「フライングは反則ですよ」

ドン。

もう一度反動をつけてぶつけてやった。

「フライングは反則です。このゲームは吊るされたまま体当たりして、相手を落としたほうが勝ちです」

「そうなら、そうと早く言いやがれ!」

俺はさらに加速してぶつけてやった。

「ぐっ」

効いているようだ。

「なかなかやりますね。経験者ですか?」

「こんなの聞いたこともねーよ」

さらに反動をつけて体当たりをかます。

「ぐっ」

「たいしたことねーじゃねーか」

「まったく、せっかちさんなんですから、そろそろ必殺技をお見せしましょう」

そう言うと相手は円を描くように回り始めた。

そして回ってくるたびに俺にぶつかってくる。

ドン。

ドン。

ドン。

「ぐは。なかなかやるじゃねーか」

このままじゃ、やべーな。

どーするか。

「降参するなら今のうちですよ」

ぐるぐる回りながら言ってきた。

その間も俺はやつの攻撃を受け続けていた。


攻撃を受けるたびにイライラしてきた。

「そんな技俺だってできる」

俺は相手と反対の回転を始めた。

やってみるとあっさりできた。

「なかなかやりますね」

「次にぶつかるタイミングで決着つけてやる」

「望むところです」

そいつはにやって笑った。

俺に勝てる気でいるみたいだ。


お互い反対向きに回りながら加速していく。

回転にほんの少し差があるため、徐々に二人がぶつかるタイミングに近づいている。

二人とも回転を続けた。

そして。

遂にぶつかるときが来た。


どーん。


「ぐはっ」

ブチッ。

「ぎゃああ」

相手のロープが切れて落ちていく。

どーん。

相手は川に落ちた。

やはり浅かったみたいですぐに立ち上がった。

顔から落ちたので鼻血を出していた。

そのまま、川岸まで移動し、ロープを解き始めた。


「へっ、俺の勝ちだ。たいしたことねーな」

「負けました。あなたの勝ちです。このままずっと吊るされていてください」

「どういうことだよ」

「私は試合に負けましたが、ここで帰ることで勝負に勝ったということができます。どっちにしろ、私の勝ちは決まっていたのです」

「なんだとー」

「それではカラスに注意してください。お先に失礼します」

そういってロープをほどき、相手は去って行った。

「ふざけんなー」

俺の声は誰にも届かなかった。

そして俺は三日間回り続けて、ようやくロープが切れたので帰ることができた。

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