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第三話 最弱トカゲに転生した俺、悪徳ハンターと戦う

「オラは服従の鞭で縛られてるから、アグリーサラマンダーとは戦えないぞ」

「それは構わない。このおりを壊してくれるだけでいい」

「逆にガランは何で、服従の鞭に叩かれているのに戦えるのよ」

「さあ、何でだろうな」


 俺もその疑問はある。ゲームにはなかった服従の鞭に関してもいずれは調べたいな。


「さあ、マモン盛大にやってくれ」

「任されただ!」

「本当に不安だわ。でもここで自由になるにはこれしかないのね」


 レンカちゃんが少し不安そうな声色で呟く。

 トカゲ顔だけど少し尻尾を叩いて、自分を鼓舞して気合を入れてる顔が可愛い。


 ウシ型のエルモン、マモンが柵から少し離れて、突進していく。

「行くだあああ! アースドライブ!」

 お、この技はウシ型のエルモンしか覚えない突進技だ。

 威力120の土タイプ技。対戦では反動があるから使い時が難しい。


 土のよろいを体に覆わせて、マモンが柵に突進する。

 

 ドシャアアン!

 少し表面がびていた、金属製の柵は轟音ごうおんを立てて、砕け散る。

 洞窟の中に振動が走り、悪徳ハンターたちが奥から騒ぎ出した。


「なんだなんだ! 柵が壊れたぞ!」

「おい、アグリーサラマンダーと頭を呼べ!」


 おお、良い感じに注意が向けられたな。

「ガラン、来るわよ。私は回復しかできないわ」

「オラもこれが限界だ」


 俺は金属製の柵を乗り越えて、振り向いてこう言った。

「ここからは任せろ」


 さあ、ここからは俺のターンだ。

 洞窟の奥から、悪徳ハンターの頭とアグリーサラマンダーがやってくる。


 頭はモヒカン刈りの山賊顔さんぞくがおでいかにも悪人って感じだ。

 アグリーサラマンダーは毛並みが炎に燃える、ドラゴン型エルモンだ。

 背中には炎の翼があり、迫力が凄い。


「がーはっは。こんな最弱トカゲが俺のサラマンダーに叶うわけないだろ!」

「これは愉快愉快ゆかいゆかい


 モヒカン刈りの悪徳ハンターの頭とアグリーサラマンダーが俺を見て笑う。

「良かったぜ。サラマンダーがいい奴だったら、俺は罪悪感ざいあくかんを覚えていた」


 俺の言葉にサラマンダーが更に嘲笑ちょうしょうする。

「お前のような最弱トカゲが勝てるわけなかろう」

「その言葉、覚えておけよ」


 その言葉がきっかけとなり、モヒカン刈りの頭が攻撃指示を出す。

「サラマンダー! 火炎放射!」

「ガラン、来るわよ!」


 心配してくれるレンカちゃんは嬉しいけど、ここから避けないと駄目だぞ。

『アグリーサラマンダーの火炎放射が三秒後に前方から来ます』

 特性のきんちょうかんが教えてくれた。


「3,2,1! 今だ! 横に飛べ!」

 俺の掛け声に合わせて、レンカちゃんとマモンが左右に飛ぶ。

 ぼおおおお!


 とてつもない熱風が俺たちのいた場所を吹き抜ける。

 砂煙が熱く巻き上がり、熱い空気を鼻で感じる。

 やはり、アグリーサラマンダーレベル20は只物じゃないな。


 欲を言えば、相手のステータスをみれたらいいけどな。

「危険だからレンカちゃんとマモンは後ろに下がっていてくれ!」

「回復はどうするのよ!」

「離れたところから頼む!」


 俺はそれだけ言って、アグリーサラマンダーの反動のすきに前足を踏みこみ近づいていく。くう、ゲームだとは迫力が大違いだ。でもやるしかない。


 だが救いなのはアグリーサラマンダーの覚えている技が大技過ぎて、回避はやりやすいってことだ。俺がトレーナーならもっとうまく使ってやれるのにな。


「体当たり!」

 素早く前足をき、腰に力を入れて、全身で体当たりをする。

 グレーコモドンは初期ステータスが高いから行けるはず!


「ふむ? 何かしたか?」

「がーはっは! へなちょこタックルか?」

「……まずい」


 アグリーサラマンダーの燃える鱗に俺の体当たりはいとも簡単に跳ね返される。

 嘘だろ? グレーコモドンは体長一メートル五十はある。

 体重は80キロくらいだから、軽自動車が衝突するくらいのダメージはあるだろ?


「サラマンダー! ファイアーテール!」

『アグリーサラマンダーのファイアーテールが二秒後に来ます!』

「!」


 俺はギリギリまで引き付けてバックステップをする。

 そうしないと踏み込まれて後ろのレンカちゃんやマモンにも被害が及ぶからだ。

 俺は横目で柵の中で怯えているエルモンたちを見る。


「考えろ、考えるんだ」

 俺は呟きながら、必死にアグリーサラマンダーの攻撃を避け続ける。

「良し、プランB! 当たらなければどうという事はない!」


 俺はジグザグにステップを踏みながらきんちょうかんの指示で攻撃をかわす。

 そして壁際まで来て、あることに気づく。


「ん?」

「がーはっは、こいつ自分で壁際に来やがった」

「これは愉快愉快」

「トカゲだったら壁を登れるんじゃね?」


「は?」


 俺の呟きにアグリーサラマンダーが唖然あぜんとする中、俺は後ろを向いて、壁をよじ登る。


「ちょっと! 何やってるの!」

「オラにもわかんねえだ」


 レンカちゃんとマモンが後ろから呆れる中、俺はちょろちょろと鍾乳洞しょうにゅうどう洞窟どうくつを登る。

「はっはっは! ここなら攻撃できまい!」

「お主はバカか?」

「へ?」


「サラマンダー、火炎放射!」

「消し炭にしてあげますよ」


 確かにサラマンダーの火炎放射が当たれば、HPは一撃で死ぬ。

 だがなあ、俺はちゃんと確認していたんだぜ。

 鍾乳洞の水漏れしている所をしっかりとな!


『アグリーサラマンダーの火炎放射が下方から三秒後来ます!』

「うおおおお!」


 俺は壁を伝って、ぎりぎりまで攻撃を待つ。

 3,2,1! うわ、こいつ避ける方向を偏差撃へんさうちしてきやがった。

「ちょろちょろ、うざいトカゲはこれで終わりです!」

「だまらっしゃい!」


 俺は死ぬ気で頭上の鍾乳洞を後ろ足でる。

 そして下に体当たりして攻撃を避ける。

 そしたら何が起こると思う?


 後ろ足で蹴ったことにより、水漏れがしている鍾乳洞にひびが入る。

 そこから水が噴き出して、火炎放射が当たれば!


 ぶしゃああああ!

 水が噴き出した鍾乳洞に高温の火炎放射が当たって、大量の濃霧のうむき出る。


「これがプランBだぜ」

「何も見えないわ!」

「ガランのやつ、これを狙ってただ!」


「何も見えないぞ!」

「ひい、水は嫌いです!」


 アグリーサラマンダーの弱点は当然水だ。

 これでこちらに有利になったな。


 続く。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


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