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マヤの理想郷のつくり方  作者: 蒼井スカイ
第1章
52/63

46.無理難題

「おいひぃ~」

「マヤお姉ちゃん、頬が落ちるってこういうことを言うんだねぇ」


 マヤはリビトとテリスの3人で家庭料理が楽しめるという飲食店で夕食をとっていた。

 サーティスは別行動をしているジオとフィデリスにギルド会長との面会内容について報告しに行くため、冒険者ギルド本部を出た後に別れて今に至る。


 マヤとテリスは、オムライスに似たライス炒めの卵のせと野菜たっぷりスープを注文した。一方、リビトの目の前にあるのは新鮮な野菜と果物がカットされたサラダ1皿だけだった。


「リビトはそれだけなの? 食欲ない? もしかしてどこか悪いんじゃ」

「…………」


 マヤは好物のチキンの香草焼きを注文しないリビトを心配して声をかけたのだが、マヤに向けられている視線は冷めたものだった。


「リビトお兄ちゃん、どうしてそんな怖い目でマヤお姉ちゃんを見てるの?」

「――別に」

「……? リビト、何なのよ? 言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

「――いや、(あき)れていただけだ」

「呆れるって何を?」

「お前たち、あんだけ食べてよくそんな量のメシを食べられるな、と思っただけだ」

「――そ、そんなの当り前よっ」

「マヤお姉ちゃんは大仕事をしたんだものっ、お腹が空くのは当たり前だよねっ」

「そ、そうよっ。私たちはギルド会長にどうやって話そうか、相談して練習してたんだからっ」

「マヤお姉ちゃん、さっきとっても恰好(かっこう)良かったよ」

「そ、そうかな? えへへへ」

「本当に、平和だな、お前たちの頭の中は――」


 リビトは溜息を一つ吐くと、再びサラダを食べ始めた。

 その後も、マヤとテリスは夕食の時間を楽しく過ごしたのだった。



 ******



「2つの条件?」

「はい」


 マヤたちが楽しく夕食をとっている頃、サーティスはジオに合流し、ギルド会長との面会内容を報告していた。


 ギルド会長から2つの条件を出されたという話を聞いて、ジオの表情が(くも)った。フィデリスは東エリアの花街で苦手な女性に囲まれ、案の定体調を崩してしまったため、宿の部屋に寝かせてきた。

 ジオとサーティスは宿を出て、客の多い酒場へ入った。テーブルには2杯の酒が並々と木製コップに注がれていた。


「条件の1つは全ての冒険者たちからマヤ様の提案に賛同してもらうことです。そしてもう1つは人間と魔物が共存できる国にするための法律を国王に直談判して制定させることです」

「はぁー、マヤはそれをあっさり受けてしまったのか?」

「はい」

「兄上は異論を唱えなかったのか?」

「はい、驚かれていましたが、すぐに冷静になられておられました。何か考えを巡らせているようにも感じたのですが……」


 ジオは額に片手を置いてから盛大な溜息を吐いた。(しばら)く沈黙が続いた後、目の前にある酒を口へ流し入れると、ゴクリと液体が喉を流れる音が響いた。

 ジオがコップをテーブルに置くと、その指にはめられた指輪がキラリと光る。その指輪は魔製具の1つで、部外者に会話の内容を知らせないための盗聴防止用であった。自分たち以外の声や音は聞こえるが、自分たちの話す声は外に漏れないという仕組みだ。


「それで、お前から見てギルド会長とはどんな男に見えた?」

「はい、一言で表しますと、実に腹の見えない男でした」

「諜報に長けたお前でも、そいつの腹の底までは分からなかったと?」

「はい、申し訳ございません。表向きは柔らかな笑みを浮かべ、丁寧な言葉を並べておりますが、何か腹に抱えているように見えました。それが何かまでは分かりませんでした」

「お前を責める訳ではない。私はお前の能力を評価している。お前がそう言うのなら、兄上もそれ以上のことは分からなかっただろう」

「…………」

「兄上はどうするつもりなのだろう――」

「どちらの条件も不可能に近いものに思えます。ギルド会長は、表向きはマヤ様の提案に賛成と言いながら、限りなく不可能に近い条件を2つも提示してきました。私はマヤ様の妨害をしようとする邪心を感じます」

「あぁ、それは間違いないだろう。冒険者は我等を利用して利益を得ているのだからな。マヤの提案を心の底から賛成できる訳がない。2つの条件とやらも、聞こえのいい言葉で追い払われたに過ぎない。

 だが、冒険者ギルドを敵に回せば、人間とマグスの全面戦争になりかねない。それだけは何としても避けねばならない。どっちにしても提示された条件を満たさなければ交渉のテーブルにすらつけないという訳か――」

「…………」

「まぁ、兄上が何か策を考えるだろう」



 ******



「フィデリスさん、もう大丈夫なんですか?」

「えぇ、ご心配には及びません。ゆっくり休ませていただきましたから」

「それなら良かったです」

「マヤ、フィデリスの心配をするだけ無駄だよ」

「えっ? ジオ、それはどういう意味?」

「ちょっ、ジオ様っ! マヤ殿、何でもございません! どうかジオ様の言葉は聞き流してください」

「えぇ~、マヤにもお前のことをよーく知っておいてもらった方がいいんじゃないのぉ?」

「ジオ様っ!」


 いつも冷静沈着なフィデリスが顔を真っ赤にしてジオへ抗議している。マヤは珍しいこともあるものだと2人のやり取りをじっと見ていた。


――フィデリスさん、どうしたんだろう? それにジオは何を話そうとしているの? でもフィデリスさんは話して欲しくないみたいだし、深く聞かない方がいいことなのかも。


 すると、リビトが今後の相談をしようと言い出し、フィデリスの話題はあっさりと流れてしまった。


「皆も知っている通り、冒険者ギルドの会長から出された2つの条件についてだが、正直なところ、こんな無理難題を提示されるとは考えていなかった。全ての冒険者を説得するのも、国王に法律を制定させるのも、どちらも達成できる可能性は無に等しい」

「さすがの兄上でも策はなしか――まぁ、仕方ないよね」

「でもっ! ギルド会長の条件を満たせば、私たちに協力してくれるって言ってたもの! 何か方法はないの? このまま諦めることなんて――」

「誰が諦めるって言った?」

「えっ?」

「達成する可能性は限りなく無に等しいが、その壁さえ超えることができればマヤが理想とする世界の実現に近づく。それに、無理難題ではあるが、ギルド会長が条件に出さずとも、いずれ同じ壁に突き当たる。それなら今のうちから答えを探すのも悪くはないだろう」


 マヤはリビトの話を聞いて、曇っていた心に眩しい光が差し込んだように感じていた。


――正直、ギルド会長から提示された時、私たちに協力してくれるという言葉がうれしすぎて、考えもなしに2つの条件を受け入れてしまった。後になって、自分が大層な約束をしてしまったのだと落ち込んだのだけど。

 今の今まで、どうにか解決策がないか自分でも考えたけれど何も浮かばなかった。頼みの綱はリビトとジオだったけど、その2人もお手上げのようだ。やっぱりどうにもならないのか、と勝手に諦めモードになっていたのね。

 でも、リビトはちゃんと前を向いていたんだ。それなら私も前だけを向こう!


「まぁ、確かに兄上の言う通りだね。どちらにしても冒険者が魔物を襲わないという確約を得る必要があるし、そのために国王から法律というお墨付きがあれば、マヤが目指す世界を実現しやすくなる訳だしね。早いうちに課題を知っておくことができて、かえって良かったと言えるかもしれないね」

「あぁ、その通りだ。そこでまずは国王に会い、法律を制定させることから取り組む。法律ができてしまえば、冒険者ギルドも従わざるを得なくなるだろう。

 だが、国王との謁見となれば、冒険者ギルドの会長と会うよりも難易度が高い。俺たちが会いたいと言って会える相手じゃない。問題はどうやって国王に会うか、だ」

「「…………」」


 リビトの話に皆、静かに耳を傾けていた。だが、その答えを誰も知らないし、知る術がなかった。暫くの間、沈黙が続いた。


 長い沈黙の後に、テリスがぽつりと呟いたのをリビトは聞き漏らさなかった。


「――大魔法士なら……」

「――――! テリス、今言ったことを皆に聞こえるように、詳しく話してくれっ」


 テリスは誰にも聞こえないくらい小さな声で(つぶや)いていたため、リビトがその言葉を拾ったことに驚いているようだった。


「えっ、あ、えっと、うん、分かった」


 テリスはふと呟いた独り言が、取り上げられるとは思わなかったのか慌てていたが、覚悟を決め、自分の知っていることを説明し始めた。


「あたし、ずっとスリをしていたから同じ街に留まらず、あちこちを転々としていたの。確か、首都へ来る前にどこかの小さな街で聞いたんだ。この国のどこかに大魔法士って呼ばれる人がいるって」

「大魔法士?」


 テリスの口から大魔法士という言葉が出て、マヤはその言葉を発していた。皆の視線がマヤに集まった。最初に口を開いたのはジオだった。


「マヤは大魔法士を知っているの?」

「ううん、知らないっ。それよりテリスの話を聞こうっ」


 マヤはテリスの話を遮っただけでなく、注目が自分に集まったことに慌てふためいた。テリスに話題を戻すことで、皆の視線が再びテリスへ向けられた。マヤは内心ホッとしていた。


――ふぅ~、危なかった。また元の世界の話をしそうになっちゃった。そうは言っても、私が知ってるのはライトノベルやアニメ、ゲームの世界に出てくるキャラクターに過ぎない。この世界に本物の大魔法士がいるって聞いて、驚いたあまり声に出しちゃってた。気を付けないとね……。


「噂によると、大魔法士は数万年も前から生きているらしいの。でもそんな訳ないよねっ。人間が数万年も生きるなんてできないもの。きっと噂が広まってくうちに話が大きく変わっていったんだと思う」

「――それはともかく、テリスは何で国王の話を聞いて大魔法士のことが思い浮かんだんだい?」

「――――」


 テリスはジオの問いに答えず、顔をそっぽ向けて唇を固く結んでいる。テリスは冗談でも自分を奴隷商人に売り飛ばすと言ったジオを毛嫌いしていた。

 そんなテリスの態度に、ジオは苦笑したまま両手を開いて見せ「お手上げだ」とでも言いたいようなポーズを見せている。

 その様子を呆れた様子で見ていたリビトが、ジオの質問を繰り返した。


「テリス、大事なことなんだ。お前は何故、国王の話をした時に大魔法士のことを思い浮かべたのか、俺たちに分かるように説明してくれ」


 すると、テリスはジオの方に顔を向けてあっかんベーをしてから、満面の笑顔をリビトに向けて、その質問に答え始めた。


「確か、大魔法士は王宮の儀式の時に国王と会うという話を聞いたのっ。だから、大魔法士と仲良くなれば国王に会わせてくれるかもって思ったの」

「なるほどな、信頼の厚い者の口添えがあれば、俺たちでも国王と会えるかもしれないな。テリス、大魔法士のいる場所は分かるか?」

「ううん、分からない。私が聞いたのは魔物が住む森の近くということだけ」

「魔物が住む森の近く?」

「うん、大魔法士は魔物が住む森と人が住む集落の間にいて、魔物が人間の住む場所に来ないようにしてくれてるんだって、街の人たちがそう言ってたの」

「森と集落の境界に――」


 リビトはそう言うと両腕を組んでいる、マヤにはリビトが何かを考えているように見えた。自分も何かいい案が浮かばないか、考えを巡らせることにした。


――大魔法士かぁ、私が元の世界で知ってる情報といったら、主役や勇者の味方だったり、闇に心を奪われて魔物側のボスになったり、そんなイメージしかないしなぁ。

 テリスの話だと、村人たちは大魔法士のおかげで魔物に脅かされずに暮らしているということだったし、やっぱり魔物を退治するために存在するのかなぁ。

 魔法のレベルも凄く高いだろうし、味方になってくれたら心強いんだけど……そうか、その手があるじゃない。


「ねぇ、それならっ、その大魔法士さんを説得して協力してもらおうよ!」


 沈黙の続くその場にマヤの声は思いの外、響き渡った。皆の視線が一斉にマヤへ向けられた。


「マヤお姉ちゃん、そうだよねっ! 私も大魔法士を味方にすれば国王を説得してくれるんじゃないかって思ってたの」


 テリスがマヤの意見に一早く賛同した。だが、その他の者は口を(つぐ)んだままである。

 フィデリスはジオの様子を気にしているのか、じっとそちらを見ていた。当のジオは真剣な表情で(うつむ)いている。サーティスはいつもと変わらない表情だった。


 マヤはリビトの反応はどうかと視線をそちらに向けると、ジオよりも神妙な顔つきをしている。


――あれっ? いい案だと思ったんだけど、皆の反応がイマイチだなぁ。私、何かまずいことでも言ったのかな……! そうか、皆大魔法士に正体がバレたら、と心配しているのか。

 大魔法士というくらいだから、きっと魔力が高くて強いってことだよね。リビトやジオも強いけど、それ以上に強い可能性があるかもしれない。

 私たちに協力してくれれば心強い味方だけど、もしもそうじゃなかったら? リビトたちを危険な目に遭わせてしまう! 私はそんなことも分からずに……。


 いいことを思いついたと意気揚々としていたマヤだったが、自分の提案がまたもや仲間を危険な目に遭わせる確率を高めているのだと気付くと、表情は暗くなり、顔は徐々に俯いていった。


 一方、テリスはマヤまでも神妙な面持ちになり、その場が暗くどんよりとした雰囲気に変わったのを感じ取っていた。さすがに自分から場の雰囲気を明るく変えようという気すらも起きなかった。


 その時、リビトが口を開いた。


「テリスとマヤの言う通り、国王と会うなら大魔法士を仲間に引き込む方が手っ取り早い。俺たちはその大魔法士とやらを探しに行こう」

「ですが、それでは――」

「フィデリスっ」


 リビトの提案を聞くや否や、フィデリスが異を唱えようとしたところをジオが名前を呼んでいなすと、フィデリスは口を噤んだ。


「フィデリス、お前の言いたいことは分かっている。大魔法士を探しに行くのは俺とマヤとテリスの3人だけにする。残りは情報収集に努めてくれ。大魔法士と国王の両方の情報が必要になるからな」


 リビトの言葉にフィデリスは安堵した表情を見せた。その一方で、サーティスは異を唱えた。


「リビト殿、私はマヤ様のおそばを離れません。私を一緒に連れていってください」

「だが――」

「この旅に加わると決めてから、覚悟はできております」

「…………」


 サーティスはいつになく真剣な瞳でリビトを見ていた。それまでまっすぐ感情をぶつけてくることのなかったサーティスの態度に、マヤも驚いていた。


――サーティスさんがいてくれたら心強い。でも、あなたの正体がバレてしまったらどうなるか……。


 マヤは肯定も否定もできず、(すが)るように視線をリビトへ向けた。


 リビトはサーティスの瞳をじっと見て、「分かった」とだけ答えた。すると、ずっと黙っていたジオが言葉を発した。


「兄上、私1人だけ仲間外れにするなんて許しませんよ」

「だが、お前は――」


 リビトはそう言うと、一瞬だけテリスの方に視線を向けて、すぐにジオの顔をじっと見た。


「サーティスの言う通り、私も旅に出ると決めた時に覚悟はしています。即座に答えられなかったのは私の弱さです。お許しください。

 私は兄上が何と言おうと、最後まで行動を共にしますよ。私はもうあの頃の子どもではないのです。兄上もそれを分かっているはずです。それに私は自分の身を自分で守れます。フィデリスもいることですし、ね」


 ジオが隣に座る者へ柔らかい視線を向けると、その男は表情を大きく歪ませ、肩に力が入ったようだった。俯いているかと思うと、盛大な溜息を吐き捨て、にっこり笑顔を見せた。


「分かりました。私はこれまでもジオ様の我儘(わがまま)に振り回されてきました。それでも何とか自分の責務を全うしてきたつもりです。あの日を除いては……。

 リビト殿、ジオ様を二度とあのような目には遭わせません。この命を()してでも必ずやお守りいたします。どうかジオ様と私も一緒にお供させてください!」


 フィデリスの表情は真剣だ。


 マヤもジオを奴隷商人の手から救出した一員である、ジオに二度とあんな目には遭ってほしくないと思っている。彼らの安全を考えれば人間である自分が大魔法士を探すのが一番いいと分かっていた。

 だが、彼らの協力なしに大魔法士を探す自信がなかった。仲間にばかり甘えていて何の役にも立っていない自分が情けないと感じていた。


――皆、命懸けでこの旅に参加してくれているんだ。私だけ、皆に守られているなんて駄目だ。私だって皆を守りたい!


「いざという時は私が皆を守るから! 魔力も何もないけど、絶対に守るから。皆を危険な目に遭わせないっ!」


 マヤの突然の発言に、皆目を大きく見開いて口がぽかんと開いている。


――あぁ、私、守るなんて大口叩いて、実際は守られてばっかなのに……。皆きっと呆れているはず。


「くっくっくっ――あははは……」

「「くっくっくっ……」」

「うふふふ」


 リビトの大笑いを皮切りに、ジオとフィデリス、サーティスまで笑い出す始末である。


――えぇっ? 皆笑ってる? 私、何かおかしなこと言った?


「ごめんね、マヤ。マヤが可愛いこと言ってくれるから、ついうれしくて笑ってしまったよ」

「コホン、マヤ殿、大変失礼いたしました」

「うふふふ、マヤ様らしいですわ」

「あぁ、本当に。無鉄砲というか、考えなしというか――全くお前って奴は」


 マヤは依然、キョトンとした表情のままだ。皆の考えが分からず、戸惑っているとリビトがやさしい笑みを浮かべながら口を開いた。


「お前の覚悟もよく分かった。だが、お前は黙って俺たちに守られていればいいんだ。お前はやりたいことをやればいいんだ。俺たちのことは気にしなくていい」

「そ、そんなこと言ったって。皆仲間なんだからっ! 助け合うのは当然でしょ?」


 その場にいるマヤ以外の皆がマヤの言葉に息を飲んだ。


「マヤ、ありがとう。私たちのことを心配してくれてありがとう。私はこれでも自分は強いという自負がある。相手が誰であろうと負けるつもりはないよ。マヤのことも私がしっかり守ってみせるよ」

「ジオ様は私が身を(てい)してでもお守りするので、ご心配には及びません。どうか私を信じてください」

「マヤ様、黙っていましたが、私もそれなりに戦力になります。いざという時は必ずやマヤ様をお守りいたしますので、ご安心くださいませ」

「マヤお姉ちゃん、私も魔法は使えないけど、裏通りのことなら任せてっ。それに逃げるのだけは早いから、私もマヤお姉ちゃんのこと絶対に守るから!」


 皆がマヤににっこり笑顔を向けている。マヤは自分が皆を守ると言ったのに、逆に皆から守ると言われてしまった。何がどうしてこうなったのか、マヤには分からないが、妙な一体感が生まれている。


「マヤ、お前の言う通り、俺たちは皆仲間だ。これからどこへ行くにも一緒だ。よし、皆で大魔法士を探し、必ず味方に引き込むぞっ」

「うんっ!」

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