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山手線×ゲーム  作者: 亟遊 次人(きゆう つぐと)
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佐藤と田中

佐藤と田中

 11月10日 AM 01:45 品川発内回りの電車に二人の男女が乗っていた。二人とも「黒袋」と呼ばれる黒の細長い封筒を手に持って電車の出発時間を待っていた。通常深夜に電車は点検以外動く事は無い。しかし二人をこれから襲う悲劇は深夜二時と共に舞台が運ばれてくる。

 「これっていたずらとかじゃないんですかね?」「・・・。」二人のうち一人の男が女性に語りかける。

 「私、佐藤と申します。みたところ学生さん?」「・・・。」虫、いや無視。

 「君からすれば知らないおっさんだもんな、まだ私も若いと思っていたのに思えば20校半だよ」愛想良く佐藤は笑う。

 「・・・そう」会話は続かない。

 佐藤は先月までバリバリのサラリーマンだったが、会社が倒産してしまい色々駆け回ったが気づけば30日を超えていた。サラリーマンとして毎日を追われていた佐藤にとって一週間は地獄のように長いようで終わったらあっというまだった、しかし休日になると途端に時間はゆっくりと流れていく。これといって趣味がない彼は時間の使い方が分からなかった。家族サービスをするといっても出かけるのは億劫で外に出たくは無い。その感覚が、いつの間にか一ヶ月をきってしまったのだろうと彼は反省していた。もっと深刻に考えれば良かったと。

 「あ、チョコレート食べる? お手製チョコレート! といってもチョコを湯煎して油を多めにいれたカロリーチョコだけど」

 佐藤は食欲がないときは、常にお手製チョコを作るようにしてる。これは寒い環境で登山する人が食料として持ち歩くものだ、これを自宅で真似して作ってみたら食欲がなくても美味しく食べれたから時折持参していた。特に独身の時は毎日作った思い出のおやつだったりもした。

 「太るからいらない、それと電車が来るまで喋りかけないでーー うざいから ーー」女が可愛らしい顔からは想像も出来ないハスキーな声で言い放った。それはおそらく普段からではなく、体調によるものだろうと佐藤は思った。その根拠として、彼女の左手にはウィスキーが握りしめられていたからだ。

 ジャスト、深夜二時。サイレンと共に電車は到着した、勿論アナウンスは無かった。それは人がいないからとかでは無く、あえて無くして不気味さを演出してるかのようだ。無人電車、すべてオートマチック。扉が開き二人は乗り込む、これから殺し合いが始まると知りながら足は止めない。この参加には拒否権はないからだ。無職は人権を一度除外させ対応・処理に心がけることが新たなこの国のルールとして追加されたのだ。

 乗り込んだ瞬間に電車は動き出しゲームスタートとなった。


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