第25話 ★(挿絵有り)
病院から走ること数分、俺はいつもの料理屋へと到着した。
二人とも俺が店に入った時に俺に気付き、笑顔で手を振って席の場所を教えてくる。
病院を出る時に先に二人の分を注文してもらうよう連絡していたので、合流した時には席に料理が並べられていた。
彼らはサラダと唐揚げや酢豚などを注文し、スープもつけて定食のように食べていることが多い。
ただ今日は珍しくカレーを注文していたようでロキは分厚いカツがのったカツカレーを、レインは大きなエビやイカがいくつも載っているシーフードカレーを頼んでいたようだ。
それに加えていつものように、色とりどりの野菜で構成されているサラダも頼んでいた。
「遅れてごめん。先に食べてくれてよかったのに待っててくれたんだ」
「ううん、今出来上がったところだから気にしないで!」
「トークでテイトさんは到着してから自分で注文すると、メッセージは来ていたけどよかったんだね?」
「うん、今から頼んでくるけどカレー覚めちゃうから先に食べてて」
「了解した。それじゃあレイン、食べようか」
「そうだね! いただきまーす!」
「いただきます」
彼らが食べ始めるのを横目に見ながら、俺もカウンターに向かい注文して料金を払う。
少しすると注文した料理が出来上がったので、受け取りカウンターにて受け取って二人のもとへと向かった。
「あれっ、テイトさんもカレーなんだ!」
そう、俺が頼んだものもカレーで拳ぐらいの大きさのハンバーグが二個載せられている。
「二人が食べているのを見て俺も食べたくなってつい」
「ははっ、それじゃあ僕たちもまだ食べ終わってないですし、一緒にカレー食べましょうか」
「あ、リビアの事について食べながら話すよ。ひとまず、いただきます」
そして食べながら病院での出来事を二人に話した。
「そうか……僕の経験則的に大丈夫だとは思うが、問題ない旨の結果が出る事を祈ろう」
「この街の先生はヒノモトでも有名な人だし、ちゃんと調べてもらった方が色々安心だからね」
「それにしてもリビアちゃん明日楽しみにしてたのに残念だね」
「そうだな……」
リビアも携帯は自分で選びたいだろうし、俺が勝手に選んだものをサプライズであげるのもなぁ。
……いや、案外何を選んでも喜んでくれそうな気がする。
ただせっかくなので明日は今日の恩人のレインに何かお礼を兼ねて、好きな物を買ったりするのがいいと考えていた。
全員が食べ終わったので明日の提案を行う。
「レインさんは明日予定空いている?」
「え? レインは街を散策するくらいしか予定なかったから空いているけど……どうして?」
「今日助けてもらったお礼をしたくて。何か欲しい物やしたい事があったら言って欲しい」
「そんな! いいよお礼なんて! ねぇロキ?」
「いや、こういう時は素直に受けておくのがいい。テイトさんもお礼をすることで、スッキリしたいんだろうからね」
「そう、だから遠慮なく言って欲しい」
「そっか……じゃあお言葉に甘えて欲しいものあって……。でもそれ少し高いかもしれないんだけど大丈夫かなっ?」
「もちろん。よければなんだけどロキさんも何か欲しいのあれば買うよ?」
「いや、僕は大丈夫だよ。それに明日は用事があるから二人で出かけて欲しい」
「あれ、そうなんだ。それじゃあテイトさんとデートだねっ!」
「あはは、お手柔らかに頼むよ。 明日は午前にリビアの様子を確認しようと思うから、お昼からでもいい?」
「あっ、レインも行きたい!」
「分かった。じゃあ十時に病院前に来て」
「おっけー!」
俺達はその後今日の反省点から次に湧き部屋へ挑むとき、どうすればいいかを話し合ってから帰路に着いたのだった。
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『来るよっ!』
「あぁ、いくぞ!!」
お父さんとお母さんを失ってから毎日見るようになった夢を今日も見た。
私が凄く綺麗な姿になって、左目がルビーのように紅い彼と一緒に戦っている夢だ。
夢の中で巨大なドラゴン相手に彼は今の私の思い描く以上に私を使いこなし、私もそれに応えて様々な戦い方を行っている。
夢で一番驚くのはやっぱり私が使い手である彼を、微塵も傷つける事無く炎を制御できている事だ。
だけど昔から一向に炎の制御がうまくいかないから、最近は夢を見るたびにこう思うようになった。
私が炎を制御できているのではなく、彼が私の炎を制御しているのではないか、と。
契約者とブレイダーは一心同体だから彼が私の炎を制御できるのは不可能ではないけれど、今まで契約を試みてくれた人はみんな契約時に制御出来なくて手が焼けてしまった。
ブレイダーにとって自分を完璧以上に使ってくれる使用者を見つける事は、三大欲求と同じかそれ以上に強い欲求だ。
夢の中だけでなく現実でも彼に会いたい。そして私と契約して私の願いを叶えてほしい。
だけど彼の顔はいつもはっきりと確認できないし、戦っている場所がどこかもわからない。
唯一の特徴が紅い左目だが、あんな色を持つ人なんて見たことがない。
そもそも会った事ない彼が、何故か実在する事を私は疑っていない。
だから私は旅をする。お父さんとお母さんの仇と、私の契約者足る彼を見つけるために。
でも……もう旅をするの疲れて来たな。
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「あっ、テイトさんおはよう!」
「レインさん、おはよう。早いね、まだ集合時間の十五分前だよ」
「そういうテイトさんはレインより早く待ってたよねー?」
「まぁそうなんだけど……」
「あはは! じゃ早速だけどリビアちゃんに会いに行こー!」
そう言って彼女が病院への入口へと向かったので、俺もそれに続いて歩き出す。
窓口にてリビアの入室している部屋番号を聞いて、レインと共にゆっくりと病院内を進む。
最近は色々と物騒な事件が頻出していることもあって、顔見知りの冒険者と何人か院内ですれ違いその度軽く挨拶を行う。
そうしてリビアのいる部屋に到着したが、なんと相部屋でなく個室にされているようだ。
ノックして入室しようとした時室内から話し声が聞こえたので、俺はノックをする手を止めてしまった。
「リビアさん、あなたが獣人である事とその特徴的な髪色から思い当たる節があったので、身元を調べさせてもらいました」
「……わたしの事を勝手に調べたのですか?」
「患者の個人情報を調べるのはまずいというのは理解しておりますが、色々と問題になると思ったのでご容赦を。結論から言うとリビアさん貴女は、いえ貴女様は――」
「待って下さい。部屋の前に誰かいます」
「……私が確認します」
会話の内容はよく聞こえなかったが一度会話を中断し、誰かが扉に近づいてくる気配を感じた。
――ガララッ
「おや、貴方はテイトさんですよね。リビアさんの様子を確認に来られたのですか?」
扉を開けそう言ったのは、昨日俺とリビアを診察してくれた先生でこの病院の院長だ。
「先生、お疲れ様です。はい、そうですね。リビアがこの部屋に居ると聞いてきました。先ほど何か話していたようですが、何か脳に問題でもあったんですか?」
「そうですか、リビアさんは元気ですよ。今のところの検査では特に異常はなさそうで、早ければ十六時くらいにはすべての検査が終わるので退院できますよ」
「それはよかったです」
「ではリビアさん、私は診察の予定があるのでこれで一旦失礼します」
「…………ん、残りの検査もよろしくね、先生」
「えぇ、それではまた後で」
そう言い残して先生は俺とレインに会釈を行って病室を後にし、俺達が入れ替わりで部屋へと入る。
リビアは白い入院服を着た状態でベッドを立てて、座った状態でこちらを出迎えた。
「十六時くらいには退院出来るんだってな」
「ん、思ったより早くてよかった」
「なら間に合いそうだし予定通り携帯を買いに行って、その後みんなでご飯食べようか。病院に十六時半くらいに迎えに行くよ」
「やった、病院のご飯あまり美味しくない」
その時レインがいつものようにリビアに抱き着いた。
「リビアちゃん元気そうでよかったー! 入院するって聞いた時凄くびっくりしたんだから!」
「ん、……そういえばなんで二人一緒なの?」
「あぁ、昨日レインさんに助けてもらったから何かお礼しようと思って、今日一緒に街に行くんだよ」
「む、それってデート……」
それを聞いたリビアはちょっと不満そうな顔を浮かべた。
「あ、リビアちゃんもしかして妬いてるー?」
「そんな事ない。でもテイト、今度の休みはわたしと出掛けよう?」
「わかったよ。その為にも検査結果何も問題ないといいな」
「ん」
そうして俺とレインはその後少しリビアと雑談を交わした後、予定通りお昼ご飯を一緒に食べに行くのだった。
※ノベルAIにて作成した挿絵です。
※AIイラストの為毎回キャラの雰囲気は変わる可能性が有ります。
明日も22時頃に投稿予定です!
基本手動での投稿の為多少前後すると思います。
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